災害弱者と情報弱者: 3・11後、何が見過ごされたのか (筑摩選書 47)
- 筑摩書房 (2012年7月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480015464
作品紹介・あらすじ
東日本大震災・原発事故後、私たちはおびただしい量の情報に曝された。錯綜する情報は人びとの不信を誘発する一方、時間とともに被災者を置き去りにして移ろい、結果として社会的弱者を生み出していった。本書では、3・11後のマスメディアおよびインターネットの膨大な情報を精緻に解析、その偏りと格差、不平等を生み出す社会構造を明らかにし、「災害」と「情報」に対する新しい視座を提示する。
感想・レビュー・書評
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1 災害弱者ー3・11被害とその背景にある社会
2 情報弱者ー震災をめぐる情報の格差
3 震災後3か月間の情報多様性
終 「私たちが持つべき視点」の獲得に向けて -
【配架場所】 図・3F開架
【請求記号】 369.31||TA
【OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/156794 -
限界があるとはいえ、ウェブメディアよりも新聞の方が多様であるという意外な調査結果が出ていることは興味深い。しかし、タイトルの災害弱者と情報弱者の実態にはあまり踏み込めていないように感じた。今後の調査に期待。
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タイトルで職場の本屋の平積みから購入。
ちなみに、今いる庁舎が一緒に入っている厚生労働省の関係で、医療関係の本が多い。これも意外とマニヤックでおもしろい。この本は前の職場の本屋。随分、役人も仕事によって読む本が違う。
意外だったこと。
(1)情報の多様性という観点からは、新聞が一番がんばっていて、yahooニュースがその次、ツイッターは一番偏りがある。(p135)
新聞は、世の中的には受けない情報であっても、無理して、両論を載せたりするが、yahooニュースやツイッタ-は、読者に読まれない記事はどんどん削除される。
(2)震災報道の減り方は、新聞ががんばっていて、yahooがその次、ツイッターは最初に減っていった。yahooの分析では、震災報道が減っていって、読者は、芸能スポーツ報道に興味が移っていった。(p119)
yahooの分析では、堅い情報は驚くほど読まれていないらしい。確かに、うちの嫁さんも結構yahooニュースで芸能のジャンルを読んでいる。情けないけどこれが日本の現実らしい。
一般的な常識だけど、定量的に分析した点でおもしろかった点。
(3)新聞報道の項目では、朝日と読売が似通っていて、その内容では、読売と日経が似通っている。(p144)
常識的に朝日と読売は、一面で同じ原発の報道を扱いやすく、内容は朝日が脱原発で、読売と日経が原発の当面の活用をいうのだろうから、勘と合っている。
このたぐいの本で、常識を裏付けるデータと知らなかった意外なデータとどっちが印象に残るだろうか。
僕は圧倒的に後者だが、学術的には前者も重視されるのだろう。
とにかく、さらっと読めました。 -
みんながみんなWebにアクセスできたわけではない。
これからはそれが重要。インターネットでブログを書くアマチュアジャーナリストが多い