ローティ: 連帯と自己超克の思想 (筑摩選書)

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著者 : 冨田恭彦
  • 筑摩書房 (2016年11月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480016447

ローティ: 連帯と自己超克の思想 (筑摩選書)の感想・レビュー・書評

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  • リチャード・ローティの哲学を、わかりやすい語り口で解説している本です。

    ローティほど幅広い分野で活躍している哲学者は少なく、その思想の全貌を捉えることは容易ではありません。本書では、哲学プロパーの話題が中心となっており、政治思想についてはあまり述べられていません。著者はこれまでにも、「科学哲学者柏木達彦」シリーズなど、現代哲学の中心問題をわかりやすく解説する本を刊行しており、本書でも比較的ローティの思想になじみのない読者にも理解できるような工夫がなされています。

    前半は、20世紀の言語哲学における最大の事件というべき言語論的展開と、それについてのローティの見方、さらに『哲学と自然の鏡』におけるローティの中心的な主張などが解説されています。後半は、ローティが従来の分析哲学と対局的な位置にあるとみなされていたハイデガーの思想をどのように読んだのかという問題や、彼のロマン主義への取り組みなどが扱われています。ただ、ローティの入門書でこれらのテーマに立ち入る必要があったのか、少し疑問に感じました。

    また、ローティがプラグマティズムの立場から政治哲学の分野においてどのような貢献をおこなったのかということについてはほとんど触れられていないのも、少し残念に思いました。ただしこれに関しては、渡辺幹雄の『リチャード・ローティ―ポストモダンの魔術師』(講談社学術文庫)があり、本書の内容を補足するものとして読むことができるように思います。

  • リチャード・ローティの多面的な思想を、ローティと密接な個人的交流のあった著者が平易明快に解説。ローティの思想の前提となる哲学史的なことについても丁寧に触れられており、これを読むだけで近現代哲学の簡単なおさらいをすることもできる。
    広範な哲学的話題に言及するローティの思想をたどることは、著者の噛み砕いた説明をもってしてもなかなか難解であったが、絶対的真理は人間の考えとは別に定まっていて、人間はそれを鏡のように正確に捉えるよう努めるべきという「自然の鏡」的人間観を否定し、人間の「創造的」行為を重視するローティの基本的考え方には非常に共感した。

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