川三部作 泥の河・螢川・道頓堀川 (ちくま文庫)

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著者 : 宮本輝
  • 筑摩書房 (1986年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480020338

川三部作 泥の河・螢川・道頓堀川 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 文句なく素晴らしい純文学のお手本のような作品。
    皮肉じゃなくって、本心からね。

    人の生活があり、隣には死があり、様々に揺れる感情があり、それが本当に自然に美しく一つの作品としてまとまっている。

    こういう作品はぜひ若い世代の人たちに読んでもらいたいなあ。
    美しく、哀しい文学の世界の王道を感性の若いうちに味わってもらえると大変よろしいと思われますことよ。
    何事も基本があって応用がある。型があるから型破りがある。

    中学、高校の国語の教科書にはもう載っているんだっけ?

  • こういうの読むと日本語が理解出来るってもの凄く素敵な事だって思いますわ。

  • 宮本輝の文章はとても美しい。
    日本の土臭さや、微妙な描写が、これほど言葉で伝わるのかと思う。

  • 三部作を通して見てみると、どれもひんやりとした死の匂いがする。だからこそ、その裏返しで「生」が熱を帯びた動的なものになる。哀しさの中にあっても前を向いて生きていく、静かな力強さを感じる。

    人間の感情と関係の描き方、情感鮮やかなクライマックスへ向かうストーリーのもっていき方、土の匂いや太陽の熱までも感じさせられるような表現の豊かさには、感動さえ覚える。
    けれど、それと好きかどうかは別だ。好きかどうかと言われれば好きではないのだが、緻密で重厚で素晴らしい作品だと思う。

    特に印象に残った「泥の河」
    子ども特有の繊細さや危うさ、貧困と倫理、そして大人の性を一つ一つ浮びあがらせていく筆致に、気づけば作品の世界にのめりこんでいた。青く燃える蟹と、波打つ男の背中が目の前に浮かぶ。
    これがデビュー作、当時著者は(計算上)30歳であったことを思うと、この表現力と構成力はさすがと言うほかない。

    レビュー全文
    http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-491.html

  • 川の物語ではなく、人と街が形作る物語

  • 「泥の河」 戦後の重苦しさ、変えられない現実を感じた。河は現実、泥は恥、鯉は希望 と考えていいのか 考え中

    「螢川」不幸続きだけど、ラストシーンの光の塊が 全て 洗い流してしまった感じがした。希望を感じた

    「道頓堀川」2作より 爽やかで 読みやすい。そして 深い

  • いろいろ含ませる感じと、読み応えと、余韻がとてつもない。涙が出そうになった。蛍川が特にお気に入り。

  • 著者の初期作品3編を収録しています。

    『泥の河』は、大阪の安治川の近くに店を構えるうどん屋の息子で8歳のの信雄と、河に浮かべた船の中で生活している晋平という少年の、出会いと別れの物語です。

    「蛍河」は、立売河の近くに暮らす、14歳の水島竜夫と、彼を取り巻く人びとが織りなす物語。竜夫は、父の重竜が52歳のときに、千代という女性の間にさずかった子どもでした。竜夫が生まれたため、重竜は妻の春枝と別れ、その後しだいに没落して、やがてひっそりと命を失います。重竜の死後、千代は大阪で飲食店を経営している兄の喜三郎から声をかけられ、竜夫の生まれ育ったこの地を去ることを決意します。竜夫の同級生の関根圭太は、英子という少女に思いを寄せ、彼女と同じ高校へ進学することを希望しており、息子の高校進学に反対する父親と対立したあげく、みずから死を選ぶことになります。物語の終盤、やがて大阪へ向かうことになる竜夫は、父から聞かされた蛍を求めて、英子たちとともに河の上流へ歩んでいきます。

    「道頓堀川」は、両親を失い、「リバー」という喫茶店で働きながら大学に通っている邦彦と、彼を取り巻く人びとの物語です。喫茶店のマスターの武内鉄男は、かつて鈴子という女性とともに生活していましたが、彼女は杉山という易者のもとへ行ってしまいます。また、武内の息子の政夫はビリヤードに凝っており、そんな息子のことを武内は快く思っていません。喫茶店を経営しながら、一家が離れ離れになってしまった寂しさを感じさせる武内は、自分と同じく両親を早くからなくした邦彦に、目をかけてくれています。そのほか、邦彦の父親の愛人だった弘美という女性や、ゲイのかおる、昔邦彦の父に世話になったことがあるという宇崎金兵衛や、その娘で短大生の由紀子、ストリップ・ダンサーのさとみなど、そして「梅ノ木」という料理屋で接客をしているまち子姐さんなど、魅力的な登場人物の群像劇仕立てになっています。一番強いストーリーを背負って登場するのは武内鉄男ですが、彼に焦点を当てるのではなく、目立たない邦彦という青年を中心に置くことで、大阪という街の喧騒と人情が浮き彫りにされているように思います。

  • 初めての宮本輝です・優しい文章を書く人です。とても読みやすい。女性のようなロマニズム
    3部とも親と子供が登場し、子供は常に親の奔放さの前に犠牲者。そこが読後感を悪くする。自分の読解力を棚に上げて物申せば、話の落とし方が分からない。何が云いたいのか判らない。人生色々って事か?!

  • 日本語、という言葉の美しさを感じる。(経験したことはないのだけれど)戦後の土臭さ、人間関係の泥臭さが細部に丁寧に表現されている。

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川三部作 泥の河・螢川・道頓堀川 (ちくま文庫)の作品紹介

よどんだ水に浮ぶ舟べりから少年は何を見たのか?幼い眼でとらえた人の世のはかなさを描く、処女作「泥の河」。北陸・富山に舞う幾万の螢を背景に、出会い、別れ、そして愛を濃密な情感と哀切な叙情にこめてとらえた「螢川」。ネオン彩る都会の一隅にくりひろげる父と子の愛憎劇を軸に、男たち女たちの人情の機微をからめた「道頓堀川」。川を背景に独自の抒情を創出した宮本文学の原点三部作。

川三部作 泥の河・螢川・道頓堀川 (ちくま文庫)はこんな本です

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