思考の整理学 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480020475

感想・レビュー・書評

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  • 学生向けの本。
    ただし、大人になっても思考の整理は必要。
    新たな気づきができた。

  • 考えに煮詰まったら寝かせておけ、
    朝起きてから再考せよ、とか
    スクラップのファイリングの方法とか、
    ちょっとクスリと笑えたり
    40年近く?前の著書なのに、
    現代の先取りのように思えるような部分とか
    あるのは、すごいと思う。

    言語論から好きになった作者だったけど、
    専門が英文学とはね、すごいねー

  • 40年程前に書かれているのに、今読んでも古くさくない。それにまず驚いた。本当にはやく読めばよかった。笑

    特に印象的だったのはグライダー人間について書かれた始めの章。私のことだと思った。思考の整理をする以前に、思考することが苦手。読書をしていても本当に意味がわからないことがある。言葉の意味は調べればわかるけど、文脈でどう捉えたらいいのか分からない。小さい頃から言葉の本質というか、その言葉の裏側を想像すること考えることを怠ってきたからだと思う。

    今の子供たちにも同じような問題(計算はできるけど文章題はわからない等)が起きていると聞いたことがある。
    創造力の欠如、考える力を養わなければと言われ続けているけど、きっと教育の現場は私の頃とそんなに変わってないんじゃないかと思う。

    子どもたちに家庭でできることはなんだろう、本の中にヒントがたくさんあった気がする。

    本の内容と話がずれてきてしまったけど。私にとったはいろんなところに着想が広がって楽しい本だった。


  • 仕事術の教本といえるが、著者の語彙力・表現力がすばらしく含蓄があり、噛み締めながら読み進めるべき本。

    この本をよむべきだと思う人は、例えば
    「一つの仕事やテーマに没頭してしまっている人」
    「何かに没頭するあまり生活スタイルが定まらない人」「『考える』ことを人一倍必要とされるのに、『考える』ことを自己流に何となくやっている人」

    上記に当てはまると思った方は、今背負っている課題は一旦隅に追いやって、ゆったりした気持ちで本書を読むと良いと思う。

    革新的な成果は、それ自体とは無関係に思える他分野の仕事やアイデアとの融合となることが多い。
    如何にして広い視野を保ち、機会を逸せずに捕らえられるか。そのためにどのような事を日々積み重ねるべきか、そのヒントを、本書は提示してくれる。

  • 読後最初の感想は、「大学時代に読んでおきたかった」でした。
    本書が文庫になったのは1986年、私の生まれた年です。
    しかし、この思考の整理法はインターネットで情報あふれる現代であるからこそ、色あせず多くの人に読まれているのでしょう。

    大切なのはインプットした知識を寝かせることと、いかにうまく忘れるかということ。
    自分の価値観をしっかり持って、必要ないことは忘れて、必要なことは整理して熟成させる。
    以前読んだ『天才科学者のひらめき36』(リチャード・ゴーガン/著、創元社)に、科学者の発明には「準備」と「チャンス」と「欲求」が必要と書いてありました。
    本書には、その「準備」の土壌を作るヒントがつまっています。

    情報のつめこみすぎは非効率だし、ブックマークして自分のものになったと思っていてはダメだなぁ…と反省。
    また、専門分野にとらわれず、他分野と接触することの大切さを改めて感じました。

  • 厄介な問題は一晩寝て考える、という著者の主張には考えさせられた。

    私も毎日本を読んでばかりで、考える時間はあまり重宝してこなかった。

    そのため、”本を読まない週間”なるものを作り、本を読まずに考える時間も大切にしようと思った。

    また、著者はこの本で、考える力を伸ばす方法以外にも、当時の学校教育の問題点についても提言している。

    著者は知識を頭に詰め込むだけの教育ではなく、コンピューターに負けないような思考力を鍛える教育をすべき、といった主旨の内容を述べている。

    30年前から、現代でいう「AIに仕事を取られないような教育をすべき」といった議論がされていたということに驚いた。

    そういった議論がされていた上で、文部科学省はゆとり教育やアクティブラーニングといった一人一人の個性や思考力を伸ばす教育を推進してきたと思うと、今揺れに揺れている文部科学省もなんだかんだいって頑張っているんだな。

    中学も高校も、その上にある大学入試に焦点を合わせて教育をしていくわけだから、大学入試を大幅に改革するのは合理的だと思うよ。


    頑張れ〜萩生田〜〜

    • きのPさん
      早速読まれたのですね(*^^*)
      ご感想にもあった通り、30年以上から「思考力」というテーマの議論はされていて、いまだに解決していないって...
      早速読まれたのですね(*^^*)
      ご感想にもあった通り、30年以上から「思考力」というテーマの議論はされていて、いまだに解決していないっていうのがまた面白いですよねー
      2019/12/02
    • 【T高校のとある図書委員】さん
      読みましたよ!!(´∀`)
      今でも思考力の測り方から思考力の高め方さえまだはっきりしていないですからね…
      私も一応、思考力を高める一助になれ...
      読みましたよ!!(´∀`)
      今でも思考力の測り方から思考力の高め方さえまだはっきりしていないですからね…
      私も一応、思考力を高める一助になれば、という思いで毎日読書を続けています( ̄^ ̄)ゞ
      そんな中、2020年度からは思考力・判断力・表現力を測る大学入学共通テストが始まりますね…
      現役高校生からは反対する声が多く挙がっていますが(そんな私も現役DKですが( ̄∇ ̄))、きのPさんはどうお考えですか?
      ご意見をお聞かせください!!
      2019/12/02
  • 思考の整理には、時間を置いたり客観的な視点の大切さを知った。
    本書中にて、平家物語の琵琶法師やことわざの例がわかりやすかった。長い年月を経て語り継がれることにより、本質を捉え、わかりやすく洗練した文章になるのだと納得した。

    三上と三多は、文章作成の際に参考にしたいポイントである。

    文章を考えるのに都合の良い場面として、
    三上。(①馬上、②枕上、③厠上)

    文章が上達する秘訣として、三多。
    (①看多→多くの本を読む、②做多→多くの文を作る、③商量多→多く工夫し、推敲すること)

  • 考えることについて、多岐にわたって分析した一冊。
    具体例はわかりやすく、自分でもこんな場面あったなぁと共感した。
    考えがまとまる、ひらめく場面としては馬上、枕上、厠上であり、無我夢中、散歩中、入浴中もいい考えの浮かぶいい状態となりうるようだった。もちろん寝かせることも必要であり、見つめる鍋は煮えないのである。

    記憶×再生=グライダー人間を学校教育が作り出し、それが優秀とされてきた時代は終わった。コンピューターやAIの進歩が人間を排除するのは歴史の必然である。飛行機人間になるためにも機械にはできない創造的思考が求められる。

  • 自分はグライダー人間だ。飛行機人間になりたいと思った。
    学生の時に帯に釣られて買って読了出来ず、10年越しに読了したが難しかった、何回も読んで少しずつ噛み締めて味を覚えたい本。積読より優先してまた読みたいと思う。

    頭を柔らかく、考えてる枠から出て思考して初めて面白くなることを思い出さされた。

  • 私が大学に入ったばかりの頃、帯に書かれていたのは「東大で一番読まれた本」だったのが(たぶん)、いつのまにか「東大・京大で一番読まれた本」に変わっていて、大学の購買に行くたびに山積みされて激推しされているのが目につくものだから、こういう啓蒙書の類に苦手意識があった私も、京大生のはしくれとしてなんだか読まないわけにはいかない気になって、購入。購入したはいいものの結局読まず、十数年にわたり放置。引越しのたびに処分しようかと一瞬考えるものの、しかしこの帯の文句のために、読まずに処分することはある種敗北のような気がして処分できず、そしてこの度意を決して、ついに読了。感想としては、やっぱり読んで良かった。偉大な哲人の思索に触れることは益あることである。80年代に書かれた本なので今とは随分社会背景が違い、とくにメモの取り方とかノートの作り方、保管の仕方などのチャプターは、Evernote等々のクラウドサービスやインターネットメディアを介した教育コンテンツが浸透した今となってはあまり参考にならないかもしれない。しかし本書のあとがきで筆者が言うように、本書の趣旨はhow to的な方法論を教示するものではなく、「考える」という行為に対してのヒントを与えるものである。本書の中の言を借りれば、「グライダー人間」を脱して、「拡散的な思考」を目指し、「第一次体験」に根を張った創造的思考を自らに展開していくための参考になる論考が示されている。
    今更になって、この本が大学生協の購買で常に激推しされていたことに大きく納得した。

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著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『新版 読みの整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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