梶井基次郎全集 全1巻 (ちくま文庫)

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著者 : 梶井基次郎
  • 筑摩書房 (1986年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (551ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480020727

梶井基次郎全集 全1巻 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 自分の影と対話するような面と、母親や友人との、やりきれなさや苛立ちを抱えつつ、それでもどこか縋るような透明な関係性に共感して引きつけられる。
    「檸檬」(角川文庫)になかった初読の作品では「路上」、習作の「卑怯者」「彷徨」が特に印象的だった。

    「路上」では崖の道をあえて滑ってみたり、「冬の蝿」では病を抱えているのに山奥に置き去りにしてもらって遠くの温泉地まで夜中に一人歩く話が出てくるんだけど、実際の梶井さんも重症の肺結核で友人の前で川に飛び込んで泳いでみたりしたというから、病んでる人の持つ反転したエネルギーの凄さよ…。

    ちなみに宇野千代さんの寄稿では、梶井さんの行動は彼女を心配させることを目的としたものだったとされてて、私的にはそういう次元に留まらないんじゃないかなと思ったりも。梶井さんが宇野さんに「死ぬときは手を握っていてくれますか」と生前言っていたのに実現しなかったエピソードは良かった。

  • 日頃、気が付かないような、人間の些細な心境を、どうしたらこんなに純粋な言葉にして書きうつすことができるのか。凄まじい観察力の持ち主。

  • 「檸檬」
    京都を舞台に友人の家を転々としていた。なんだかフワッとしているお話であまり印象に残らなかった。

  • 書きかけの小説とか断片だけ残っているものとか戯曲とかも含めてまるごと入った全集。初稿から改稿の過程なんかも載ってて面白い。改稿ってちょいちょい修正を入れるとかじゃなくてほとんどまるきり書きなおすのかよ~~~~~とか思ってびびった
    面白いのはいくつかあったけど、やっぱり『檸檬』とか『櫻の樹の下には』が良かった気がしてしまう。まあ、すでに何度か読んだことがあるからかもしれないが。他のだと冬の蝿の話が好きでした。
    読み飛ばしたけど、また今度気が向いたら断片だけの小説とかも読んでみるかもしれない

  • 「檸檬」「桜の樹の下には」が収録。夜桜を観に行く前に「桜の樹の下には」を読んでいくと風情?がでていいかもしれません。

  • 読み終わったばかりの時は感動も薄かったけど、数カ月たっている今も少し覚えているということは、何かココロに残っているのかな。

    でもはやはり、私にはすっきりしないものが多かったような気がする...

  • 「筧の話」に幾度救われ励まされたか分からない。燃える胸とつめたい瞳で憑依の当てを探しつづけた青年

  • 目出度い!
    丸善京都店、10年ぶり復活 小説「檸檬」の舞台 :日本経済新聞
    http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG17036_X10C13A5CR8000/
    「檸檬」丸善、京都に再び 閉店10年、ファンに応えて - 北垣博美 - 本のニュース | BOOK.asahi.com
    http://book.asahi.com/booknews/update/2013061400005.html

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    「「檸檬」「泥濘」「桜の樹の下には」「交尾」をはじめ、習作・遺稿を全て収録し、梶井文学の全貌を伝える。一巻に収めた初の文庫版全集。
    【解説: 高橋英夫 】 」

  • 心理描写が真に迫っている感じがした。普段言葉で言い表せずにいたもやもやとした感覚が見事に表現されていてすっとした。

  • 最初の出会いは教科書。年齢バレるかな? 別にいいけど。
    まったく興味が湧かなかったことだけは憶えている。“授業のテキスト”じゃ無理もないだろう。
    思い返せば、中島敦も三好達治も教科書が最初だ。教科書、意外と侮れない。

    その後どういった経緯で再び梶井作品に触れることになったのか、もはや思い出すことは困難だ。新潮社版の奥付には、昭和六十二年五月二十五日 第四十一刷とあるから、えぇと…………いつ?(笑)
    とにかく今から20年以上前ってことだ。そのくらいに、梶井と三好達治に、分からんけど何かハマった。

    三好達治のことはここでは置いておいて(梶井と三好は同人仲間)、梶井作品については、私自身若かったこともあって、透明というか、脆くて儚げで神経質なイメージに強い憧れを抱いたものだった。
    もちろん、著者が「肺病持ちの物書き」ゆえ、「サナトリウム文学」とも謂われる一連の作品群が、若輩が抱くステロタイプな幻想に合致しただけなのは解っていた。

    あれから20年以上経って、あらためてちくま文庫の全集という形で梶井作品に触れてみると、さすがにそういった上辺のイメージは払拭した模様。
    代わりに終始まとわりついてきたのは、「すぐそこまで来ている死=不可避な現実=絶望」を内に抱えてなお書き続けた著者は、書きながら何を思っていたのかーーというような醒めた思考だった。

    『檸檬』発表時病状はかなり悪化していたらしい。『Kの昇天』『ある崖上の感情』『冬の蠅』といった、若い頃読んで好きだった作品はもちろん、新潮版未収録の習作群を読むと、「死のなかに生きる人間」の悲痛さが浮き彫りになってくる。
    ぼんやりと生きながらえている身だからこそ感じる痛みか……

    最後に収録されている同人仲間との手紙のやり取りが印象深い。

    歳月がもたらす変化はなかなか興味深く、同じ作品を読み返してみるのも悪くないと思った。(解説で群ようこ氏がすべてを台無しにしてくれるのをのぞけばw)

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