夏目漱石全集 (1) (ちくま文庫 な 1-5)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (573ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480021618

感想・レビュー・書評

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  • 『我輩は猫である』

  • 我輩は猫である。名前はまだない。からはじまる夏目漱石の名作。一癖も二癖もある登場人物の雑談を第三者(猫?)的視点で痛烈に批判したり同調したりなお話。この作品の先生とは夏目漱石自身を指しているといわれていることから100年くらいたったとはいえ、人間関係とかの問題は変わってないんだなあと思える。

    あたりまえだが、少し古典臭い読みにくさがあるので星は4つ

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    第一巻は「吾輩は猫である」所収。云わずと知れた漱石。そして何を今さらの一冊。
     「吾輩は猫である。名前はまだない」で始まる猫小説の走り、と思ったらもっと以前から「劣等の動物もしくは無生物の叙述に仮託して、作者自らの感慨に一種の微妙な薄布を被せかけて表白した作品は、古来内外の文学にその例必ずしも少なくはない」らしい。それは兎も角、猫が主人公だという点が注目されてはいるが、そのアイデアなんぞに感心していてはダメだ。猫は色んな活動をしてはいるが、この小説の核に決定的な活動はしていない。読み進めていくと最初は苦沙弥先生の「逸民的」(←吉田精一が使っていた)性格が小事件によって紹介されるだけだ。(余談だけれど「逸民」を辞書で調べても、この小説の解説にぴたりとあたる説明はなされていないと思う。私が先日挙げた読書の記録、川勝義雄著『魏晋南北朝』を読んでいただければ、この逸民の語が解る筈。気ままに生活を楽しむただの好事家のように苦沙弥先生を解釈しては読解力か人間理解の力が不足している。逸民とは好き勝手に生きる仙人のような存在ではない。社会との価値観の溝の深さを実感し、現実社会に受け入れられない知識人がやむなく自分を活かす為に積極的に選び取った態度だ)しかし終盤にも差しかかると文明批評に及び(これ自体が素晴らしいだとか高度だとかは少しも思わないけれど)、「生きているのが窮屈になる」だ。滑稽な風刺文学だとか偉そうなことを抜かさなくても、個人がこの世を生きることが苦しいというテーマに貫徹された、漱石文学の出発点の一つであること。今の作家とは桁外れに教養深い(勿論当時でも)漱石の博識を衒学的であるとまで思わなくても、少しく嫌味を感じながらも感心しつつ、なぜに披瀝するのか、彼の知識人としての苦しみを味わうこと。批評家や文学青年はどう云うのか知らないが、私は読み進める上でこれらが重要だと思う。

    読了2003/6/30

    *****後日追記******
    いやぁ、この頃は若かった。鼻息荒くて書いている内容まで恥ずかしいね。(2004年末)

著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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