- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480022936
作品紹介・あらすじ
出版社と書店の間にあって、本の流れをつくる取次。著者はそこで、魅力ある手描きの日刊情報誌を出しつづけている。毎日毎日、彼の前を走り去り、また駆けもどる洪水のような本の群れ…。それを見つめつづけて20年。著者のやさしい眼ざしにうつった本たちは、何を語り何をうったえようとしているか。本が読者の手に渡るまでのオモシロイ話、タメになる話、コマッタ話などを軽妙なタッチでつづった"本好き"必読エッセイ。これ1冊で、本の世界が見えてくる!
感想・レビュー・書評
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今はなき出版取次会社・鈴木書店に勤めていらした井狩春男氏による雑記、出版業界に関するあれこれ。
本が好きなのは勿論そうなんだけど、書店や出版社など業界全体に興味関心があるのなら楽しく読むことが出来るかも。
出版社の始め方とかなかなか珍しい話が読める。ズブの素人でも何とかなるケースの詳細を知りたい。(p35)
出版社の社名由来なども面白かった。角川書店はひょっとしたら「飛鳥書院」だったのか。めちゃくちゃカッコいい。確かに鳥のロゴマークを見た事ある。
そのほか雑誌とは?や本の判型について、などなど興味深い話がてんこ盛り。
私もこの本に影響されて、奥付を見る習慣がつきました。
合間の〈日刊まるすニュース〉で紹介されている本は専門書・学術書が多そうだけど気になるものもいくつかあった。機会があれば読んでみたい。
6刷
2021.11.23詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書店員の本や出版社、読書好きのエッセイは増えてるが、
取次の話はなかなかない。
一番近い立場で彼らと関わるがあまりいいイメージがなかった。
きっと中にいる人を知る機会がなかったからだ。
鈴木書店さんと一緒に仕事してみたかったなぁ。
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だいぶ前に出た文庫で、入手が難しかったようなだが、神保町の書店、東京堂限定で復刻販売され、サイン本を入手。
著者は取次の鈴木書店に勤め、取引先イコール書店向けに本の刊行情報を掲載した情報誌を編集していた人物。すごいのはその担当者が著者一人なのに、毎日発行していたこと。活字ではなく手書きだったことも受けて、取引先で重要な、情報源として頼りにされただけで終わらず、新聞などマスコミにも取り上げられて話題になった。
そんな著者が仕事のこと、本のことを綴ったエッセイがこの本。もともと1985年に刊行された本だから、今と事情が異なる部分もあるけど、それを差し引いても面白い。お仕事小説というジャンルが出来て書店や出版社を舞台にしたものも出てきたし、書店員が書くエッセイも多いけど、取次の視点からの本はなかなかないように思う。貴重な一冊。 -
エッセイも面白いんだけど、やっぱり気になるのは、数枚掲載されている『日刊まるすニュース』。
情報として古いのはおいといて、ぜひ一度しっかりと原寸大で読んでみたい。 -
取次会社をあまりよく思っていなかったけど、ちょっと見直した。
みんな出版業界をなんとかしたいと思って、頑張ってるんだね。 -
18/05/04、神保町・東京堂書店で限定復刊されていたもの。
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取次ってなんでしょう? 出版において欠かせないものなのです。
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1998年9月2日読了。