作品紹介・あらすじ
実業界を引退したゆたかな紳士ピクウィック氏は、素朴な人柄で、人間愛に満ちた人である。彼は行く先々で人を助け、悪をこらしめようと力をつくす。しかし、人がよすぎて、かえって失敗ばかり…。明るく楽しい笑いの底に人間回復の願いを託す、ディケンズ最初の長篇小説。
感想・レビュー・書評
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評価★1
滑稽で、逸話のような小話もはさみこまれている。
面白い話もあるが、登場人物が多くて、メモをしながら読んでいてもやや混乱する。
話全体の流れとしては、それほど面白いものでもない。
退屈な部分もあった。
人物も、悪人のジングルが一番いきいきしている。
ピクウィックは上品でいい人で、だから逆に強い特徴がなく、少しぼやけてしまっている感じもする。
人物の個性が、今一つ強調されきっていない、という感じ。
≪ポイントメモ≫
1 ピクウィッククラブについて
2 旅行へ。見知らぬ男と出会い、タップマンと見知らぬ男は事前舞踏会へ。軍医スラマーの女といちゃつく。翌日、ウィンクルが間違われて決闘をしそうになるが、和解。
3 「放浪者の物語」を聞く。そこにスラマー軍医が訪ねてきて、喧嘩になりかける。
4 機動演習を見物に行く。ウォードル氏と懇意になる。
5 ウォードル氏の家に行くのだが、馬で苦労する。
6 ウォードル氏の歓迎を受ける。ジョン・エドマンズの話を聞く。
7 烏の狩で、タップマンがケガをする。タップマントレイチェルが接近する。ピクウィックたちはクリケットを見に行き、見知らぬ男(ジングル)と再会する。
8 タップマンとレイチェルがキスをしているところを太った少年に見られ、告げ口をされる。それを利用して、ジングルがレイチェルを奪おうとする。
9 ジングルとレイチェルが駆け落ち。ウォードルとピクウィックが追いかける。
10 ジングルを捕まえ、金で解決する。
11 タップマンを追いかけてコパムへ。古代の碑文を発見。眠れず「狂人の記録」を読む。
12 ピクウィックが男の召使いを雇う。
13 二大党派にわかれる町に、議員選挙を見に行く。
14 女以上に奇妙なもの「旅商人の話」
15 有名人の知人しか持ちたくない夫人が開く仮装パーティーで、ジングルを見かけ、後を追う。
16 ピクウィックがはめられる。
17 ピクウィック、リュウマチで寝込む。病床で書き留めた話「真の恋の物語」
18 ポット氏が、妻とウインクルの仲を疑う。ピクウィックはバーデル夫人に訴えられる。
19 狩へ
20 バーデル夫人の件で、彼女の弁護士に会いに行く。その後、自身の弁護士をつけるため、居酒屋へ書記を探しに行く。
『実業界を引退したゆたかな紳士ピクウィック氏は、素朴な人柄で、人間愛に満ちた人である。彼は行く先々で人を助け、悪をこらしめようと力をつくす。しかし、人がよすぎて、かえって失敗ばかり……。明るく楽しい笑いの底に人間回復の願いを託す、ディケンズ最初の長篇小説』展開の妙。描写も的確。伏線もしっかり効いており、これによってディケンズは二十代半ばにして圧倒的人気を獲得することになる。
サミー、ステキ☆
サミー登場で部数が100倍になったらしい。
著者プロフィール
Charles Dickens 1812-70
イギリスの国民的作家。24歳のときに書いた最初の長編小説『ピクウィック・クラブ』が大成功を収め、一躍流行作家になる。月刊分冊または月刊誌・週刊誌への連載で15編の長編小説を執筆する傍ら、雑誌の経営・編集、慈善事業への参加、アマチュア演劇の上演、自作の公開朗読など多面的・精力的に活動した。代表作に『オリヴァー・トゥイスト』、『クリスマス・キャロル』、『デイヴィッド・コパフィールド』、『荒涼館』、『二都物語』、『大いなる遺産』など。
「2019年 『ドクター・マリゴールド 朗読小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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