イカロスの飛行 (ちくま文庫)

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制作 : Raymond Queneau  滝田 文彦 
  • 筑摩書房 (1991年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480025050

イカロスの飛行 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 20ページも生きていないのに、約20年分の過去が既に用意されているのが小説の登場人物なのです。それに今後の運命だって、作者のペン一本で何もかも決められてしまうのだから、やってらんないよ、と嘆く気持ちはわからないでもない。
    書きかけの原稿から抜け出したイカロスは自由を求めて駆けずり回る。無能で有能な探偵が捜査にあたるよ。それを邪魔しては助ける小説家仲間。入り乱れる現実世界と小説世界。でも私は読者のままです。
    ところで、肝心なことを忘れてた。「イカロス」という名前のことだ。
    『ぼくにとっちゃ、未来は大空にあるんです。』
    誰か名前を書き換えてあげて!
    《2014.12.30》

  • 書きかけの小説から登場人物が抜け出した。
    創作した青年イカロスに執着する小説家、尋ね人の名前すら覚えてはいられない探偵、重曹に絶対の信頼を置く医者、イカロスと恋に落ちるLNなる女性……登場人物が誰も彼も滅茶苦茶、ゆえに話の展開も支離滅裂。終盤では登場人物の脱走事件が相次ぎてんやわんやの事態となるが、そんな中でイカロスは無意識的に自分自身の運命に導かれて行く。
    イカロスの名で生まれたからには、気怠い恋などに身を任せてはおけない。

    「物語から登場人物が消える」ということが当然のように受け止められ、「盗難」として探偵に依頼されるところなど、主人公が何の先触れもなく虫に変身していたところから話が始まる『変身』を思わせる。形式は戯曲だが、まさしく幻想文学的。それでいて読者を置き去りにしないのは、やはり作者の手腕?
    くすりと笑える要素も随所にあり、楽しんで読むことが出来た。
    アブサンも場末感を醸すという意味で良い味を出している。

  • 「地下鉄のザジ」のレーモン・クノーの不思議小説。
    シナリオのような戯曲のような、不思議な小説。

    LNの正体がとても面白いとおもいました。
    こんな思いつきが素敵。
    そしてサイゴ。
    なんだか悲しい終わりだけれど、そうでもない。
    イカロスという名前にふさわしい終わりというか。
    本の中から飛び出てきた主人公が、
    結局つけられたその名に相応しいエンディングを迎えるというのも。
    なんだなぁ。因果だなぁ。

  • 作中人物たちが小説の原稿から逃げ出した!

    著者が「小説」と言っているのだから小説なんだろうが、体裁はほぼ戯曲。
    物語の主人公が小説から逃げ出し、現実のパリを徘徊する。著者はそれを追跡する、さもないと小説の続きが書けないからだ。
    最初は一対一の追跡劇だが、イカロスにつられるように同業者の作品からも次々と作中人物が飛び出していく。

    もしかしたら、色々と深い読み方ができるのかもしれないが、個人的にはこれは単純に筋を楽しむファンタジーであるように思えた。特別面白いわけではないが、軽妙で滑稽味あふれる会話の連続で、楽しく読める事は間違いない。

    ★400レビュー到達★

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