ことばの食卓 (ちくま文庫)

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著者 : 武田百合子
制作 : 野中 ユリ 
  • 筑摩書房 (1991年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480025463

ことばの食卓 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 不思議な文章を書くひとだ、というのが第一印象。
    しいて言うなら、無邪気、だとか、無垢、だとかの言葉が近いのだろうと思うけれど、それにしては手触りが冷やっこい。うらうらとしているのに湿っていて、艶っぽくないのになまめかしい。
    例えるならば、花冷え、のような。陽気と同時に、ひんやりとした二の腕のような感触を覚える。

    著者自身がもっとも思い入れがある、と言っている冒頭の「枇杷」が、やはり、もっとも素晴らしいと思った。恐ろしく生々しい。一文字一文字がそのまま、記憶と結びついているよう。深い、愛情を感じる。それでいて、老成した印象は、全くない。
    少女のような目を持った人だったのだろうな、と思う。見た目ではなく、「見る」目として。

  • 武田百合子さん的世界がむんむん、ではあるのだけど、ちょっと苦手だった。
    わたしって幻想文学っぽいのが苦手なんだよなぁ。宮澤賢治しかり稲垣足穂しかり。
    あまり大声で言えないのだけど。物語好きなのに、空想好きなのに、夢見がちなのに、おかしいじゃんと思うんだけど。

    あ、基本がローラだからなのかも。生活系。

  • 初めて『枇杷』を読んだ時の驚きといったらなかった。
    なんだこれは!この人は何者なんだろう?
    見た、食べた、感じたこと、子供の頃のこと、そのときの空気も丸ごとひっくるめて、余計な言葉がまるで無い正確さで再現できる人がいるなんて。
    この本を読んだのが武田百合子さんにハマったきっかけ。

  • 好:「花の下」

  • すっかり小説だと思って読んでいましたがエッセイでした。うわぁ…。
    時に美味しそうに、時にとても不味そうに。食べ物の事が綴られていたり、ふと気づいたらあぁここに食べ物出てたわと思わされたり。
    よく考えたら食卓とか食べ物とかって、生きるために欠かせない事のはずなのに、このエッセイにはどこかしらに必ず死の臭いが感じられた。多分それは時代背景があるからだろうし、食べるという事には生きるという事、そして生きる事には死ぬという事がまとわりついて離れないからそう感じさせられたのだろう。

    どの話も一度読みしただけでタイトルから話を思い出せる程に濃く読めます。が、おそらく何度も読み返す事になるのでしょう。特に怖いこと、と夏の終り、の気持ち悪い読後感は何度も求めてしまいそう。

    挿絵の野中ユリさんの画も素敵。ゴーギーの絵本思い出しました。話によく合う。

  • どこか茫洋とした語り口

  • 読者評価が高かったので期待して読んだものの、そこまでキラリとするようなものが見当たらなかった。一歩踏み込んで深く書く事をせず、思いのままサラサラと書いているような読みやすい文体だと思った。

  • わたしの知らない時代や、もう亡くなってしまった人のこと。本やネットで知ることはあっても、その背景にどんなごはんやおいしいものがあったのかは知ることがなかった。でも、どんな気持ちでその時にごはんを食べていたのか、ごはんを求めていたのかを知ると、知らない人や生きなかった時代の人と肩を並べて、おいしいね、と言い合うような身近さを感じられた。
    ごはんとことばは、私たちの身にいつなにが起こるかわからない、そのリアルな感覚を呼び起こすことができるツールなんだな、と思った。

  • 読んでいるだけで心があたたかくなるような本。

    いい時代だなぁ。
    いつの時代も食べ物の話しが好き。

  •  ゆっくり、じっくり読んでいる。読み終わるのが惜しい。「富士日記」読み終える前の「もう楽しみが無くなってしまうのか…」を思い出す。野見山暁治さんや高峰秀子さんのエッセーもそんなだが、日常生活に対する純粋無垢の感覚と言語表現に驚く。「上手」と思わせるようなら未だ未だと教えてくれるす凄さだ。 ※読書カテゴリーに、野見山さんと高峰さんの記事有ります。
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     『琵琶』『牛乳』『キャラメル』『お弁当』と続き、題名も「~の食卓」だから、食べ物エッセーと思って読み始める。池波正太郎さんのエッセーみたいなのかと思ったら違った。食物が題名だが料理なんか出てこない。普通の食い物なわけで、子供はこんなふうに味を感じていて、それを武田さんはこんな言葉で表すのかと感嘆する。こういうのは夢に近い。幸せな夢見ている時はたいていこんな感じだ。飛ぶ夢の時も、秘密の入り口見つけた時も。立男はこんな感覚のエッセ-が好きだ。内田百けんさんのエッセーが好きなのもそのせいだ。エッセーの醍醐味はここらにあると立男は断言する。
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     昨日『お弁当』まで読み、今日から『雛祭りの頃』。もう90頁(全143頁)しか残ってない。「富士日記」は人に読ませる予定もなく、ちゃちな分別を蹴飛ばす日記だが、このエッセーはそれを濃縮している。時間をかけて煮詰めるとこんな絶妙な味わいがうまれるのだ。その分、読み終わるのが前よりも惜しくて堪らない。「この夢、覚めませんように」と思って夢を楽しむことがある。読書途中の今、そんな感じ。

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食べものに関する昔の記憶や思い出を感性豊かな文章で綴るエッセイ集。

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