少年とオブジェ (ちくま文庫)

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著者 : 赤瀬川原平
  • 筑摩書房 (1992年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480026439

少年とオブジェ (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 尾辻克彦の名で芥川賞を受賞した著者が、身の回りのものを題材に、奇想を展開しています。

    雑誌『現代詩手帖』に連載されたとのことですが、とくに「電球」の項などは詩的に感じました。たとえば次のような文章があります。「おかしいですよね、電球というのは。あの電線のビリビリが溜まり溜まって垂れ下がった、雫のような形のガラス球の中は、真空なのです」。「危ないですよね。あの中には地球の外があるのです。あの中は外だ。だから良く考えると、地球は反対にあの電球のガラスに包まれているのです。あんなに薄いガラスの皮で、地球は外から包まれているのです。」「そんな宇宙空間を、ぽつんとガラスの皮で閉じ込めた電球が、私たちの世界では一つの部屋に一つずつ、天井の中央からぶら下がっているのです。一つの部屋に一つずつ、私たちは宇宙空間を飼っているのです」。

    そこから、いきなり電球を担いで売りに回ったという回想に跳んでいくのも、宇宙空間の中に宙吊りにされたような感覚を残したまま、実話ともフィクションともつかない奇妙なストーリーの中に放り込まれてしまったような、何ともいえない味わいがあります。

  • 久しぶりに赤瀬川さん。

  • 赤瀬川原平さんの子ども時代の思い出が、物の思い出と共につづられているエッセイ。

    戦後くらいの話を1970年代の『今』にふりかえって懐かしんでいるのだが、読んでいる私がいるのは2010年。もはや『今』がすでに懐かしい。私が産まれた頃である。さらにその前となると、思い出話というよりも、おとぎ話を聞いているような感覚か。

    古本ならではの面白さ。

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