夢野久作全集 5 (ちくま文庫 ゆ 2-5)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480026750

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    『犬神博士』のチイ少年がとても気に入った。
    場を顧みず空腹を訴える場面は大いに笑った。
    大人達に屈せず堂々と立ち向かう彼の姿は当時の(夢野久作が持つ)理想の男性像だったのではないか。
    少女の格好をさせられて踊るとは何とも不憫な生活だが却って興味を惹き付けられた。
    どこかの夫婦に誘拐されて出生不明のまま生活するという現代ならとんでもない話だが不思議と読み進める裡に可哀想には感じられなくなった。
    それにしても賢い子供だ。
    度胸が据わっている。
    反対に一緒にいる偽両親が情けなくなる。
    果たして彼は神の子なのか悪魔の子なのか。
    『超人髭野博士』はどうしても『犬神博士』と比較し同一人物ではないかと疑ってしまう。
    気になった類似点を以下に挙げると

    ・身分が低い
    ・外見がみすぼらしい
    ・博識
    ・少女に見間違われる程の美少年(だった)
    ・踊りが上手い
    ・怪力持ち
    ・火災を起こす
    ・酒好き

    犬神博士は過去の幼少期、髭野博士は現在の老年期だと指摘する解説は非常に納得できる。
    前作が未完であるように受け取れる以上、後作を続編を想像してしまうのは仕方がない。
    後作で幼少期について詳細に触れられていれば更にいろいろな想像をして楽しめたのかも知れない。

  • 犬神博士
    なんで未完なんだ…!本当に惜しい。というよりももう悔しいに近いかも知れない。
    語弊があるかもしれないけどチタラは野原しんのすけみたいな切り抜け方をするなあと何となく思った。大人をいいように振り回す子供っていう描写がそう思わせたのかな。
    もう一度言う。なんで未完なんだ…!

    超人髯野博士
    犬神博士と比べてしまうとどうしても霞んでしまう。
    普通に面白いけど、「面白い」の部分よりも「普通」の部分の方が比重が大きい。

  • 2009/
    2009/

    犬神博士 超人鬚野博士

  • 犬神博士


  • 「犬神博士」は、冒険小説なのかな、主人公チタラが、可愛くてたまりません。

  • 犬神博士! 超人鬚野博士!面白い!続き気になる…

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著者プロフィール

1889年福岡県に生まれ。1926年、雑誌『新青年』の懸賞小説に入選。九州を根拠に作品を発表する。「押絵の奇跡」が江戸川乱歩に激賞される。代表作「ドグラ・マグラ」「溢死体」「少女地獄」

「2018年 『あの極限の文学作品を美麗漫画で読む。―谷崎潤一郎『刺青』、夢野久作『溢死体』、太宰治『人間失格』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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