かくも長き不在 (ちくま文庫)

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  • 筑摩書房 (1993年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480027368

かくも長き不在 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

  • 影までも焼きつくす陽射しの下に佇んでいると、時間が止まり記憶の重心に火がともる。女はどこにも属さない時間に現れた記憶喪失の男を追いかける。執拗なまでの熱心さで注視しても、その目、その口、その手の残像は火片となって散ってしまうので、一つの像を結ぶことはない。鏡のように笑う男は女を見ていない。それでも待つ、ということ。

    諦めきれない想いが歳月のなかで燃え盛る炎のように私を呼びとめるなら、待つことの不自由さに耐えることができるのだろうか。風に夏のにおいが混じる。あなたの不在する季節がやってくる。長い終わりの始まり。

  • 映画のシナリオのようです。この映画は観たことはありませんが、たくさん映画のシーンの画が入っていて、読む助けになりました。
    私なら虚しすぎて、こういう思いをするのなら、いっそ現れないでほしかった、と思うかも・・・。
    イレモノの体は夫でも、ナカミは夫じゃない。そのときアナタは?これって色々なことに応用できる疑問かも。

  • 初めてシナリオの文庫化を読んだ。デュラスの『愛人』は大ベストセラーとなった当時読んだことがあったのだが、その濃密な愛の世界は当時若干10代半ばの自分には遠い世界で、実際縁遠くあったので全く記憶に残っていない。
    シナリオだけ読んでおもしろく感じるのは、それぞれのシーンをつぶさに想像・具現化できる映画関係者だけなのではないかとわたしは思っているが、この本も実際映画を見たほうが、訴えているテーマも、パリ郊外の穏やかな人々の営みも、より真に迫って再現できるのではないかと思う。つまり、シナリオだけではあまり心に残らなかったので、機会があったら映画を見ようと思う。

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