東のエデン (ちくま文庫 す 2-5)

著者 :
  • 筑摩書房
3.76
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480027559

感想・レビュー・書評

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  • 文明開化にわく、江戸から明治へと移り変わろうとする時代に生きた青年たちを描いた連作短編のかたちをとった漫画だ。(表題作は、故郷を懐かしむ日本に来た外国人が主人公)
    この人の作品をはじめて読んだけれど、青春の物語であるのにどこか哀愁が漂っていてなんとも不思議な情感がある。

  • 文明開化期の横浜を舞台にした四人の書生のお話。
    赤煉瓦倉庫の前を人力車が走って言ったり、山下埠頭に異人さんがたたずんで月を見たり、元町のハイカラな洋品店の様子・・・など、横浜の風景描写が効果的に使われている。

    せつない。
    誰もが持っている懐郷病や
    移り変わる時間の縦糸におりこまれている人達のゆらゆらした危うさや、将来を思うときの眼のくらむようなまぶしさやこわさが
    ゆったりしたコマの中から静かにあふれ出てくる。

    中でも「金時計」が素晴らしい。
    賢者の贈り物を超す「懐中時計」ものだ。

  • 収録されている「閑中忙あり」シリーズが楽しいです。明治初期の世の中を飄々と生きる書生たち。ぜひNHKあたりでドラマ化してもらいたいものです。らしゃめんの殿に対する想いがせつない。ヨーソロ ニッポン!

  • 姉が好きでこの作者の本をよく読んでいたなあと思い借りてみました。漫画だけじゃなくて文章も書かれるのかと思ったら漫画でした。ちくま文庫って漫画も収録してるんだ。初めて知りました。

    日本人の潤滑油は米だ、は面白かったです。
    昔は本当にたんぱく質はなかったんだろうなあ日本って。
    ハムレット日本版が面白かったです。

  • 杉浦日向子作品初体験なのですが
    この空気感、好きです。
    どの作品も甲乙つけがたく愛着の湧く1冊。
    赤瀬川原平さんの後書きの文章がとても的を射ています。
    「私たちの科学はいまだタイムマシンを持たぬかわりに、日向子のマンガが読めてしあわせです。」

  • ちくま文庫ではなく、平成元年、青林堂版の単行本で読みました。

  • 明治の初めの頃の若い男達の下宿場の話。若い男は4人。それぞれが異なるバックグラウンドを持つ。意味なんかないのだろう。そこに話があるだけ。
    そういえば昔ヤオイという表現があったような。山なし,落ちなし,意味なし,というやつ。
    ヤオイというわけではないが,何かカタルシスがあるわけでもなく,ふーんという感じ。そう感じるのは教養が足りないのか,センスがないのか。どうも自分を責めてしまう。

  • 穂村弘「これから泳ぎにいきませんか」つながり。まだ明治になりたて、江戸の色を濃く残した東京を舞台に描かれる、来日した外国人や、元下級武士・殿様・商人らの下宿を舞台に描かれるストーリー。トノさんの飄々として銃弾をかいくぐり、洋妾に惚れられても、許嫁がいるから気持ちは受け入れられぬとかわし、世が世ならなさなかったようなことにも積極的に首をつっこむ佇まいが印象に。この4人のストーリー、もっとよみたかった。

  • 2018.11.高校図書室(長女)
    試験週間を前に現実逃避用にどさっと借りてきたらしい一冊。
    昔どこかで読んだことがあるので再読。杉浦ワールドはいい。なんというか、たぶんそういうことなのだろうと匂わせつつ、あれはなんだったのだろう、ともやもやしながらふっと終わってしまう、狐につままれたような感じ...登場する人物たちがつかず離れずみんな一所懸命生きていて。

  • 縲碁桝荳ュ蠢吶≠繧翫?阪す繝ェ繝シ繧コ縺ィ縺ァ繧ゅ>縺??縺?繧阪≧縺九?√◎繧後′荳ュ蠢?→縺ェ縺」縺溽洒邱ィ髮??よエ句ヲセ縺ョ豌玲戟縺。繧偵?縺倥a縺ィ縺励※縲∵緒縺阪″繧峨★縺ォ縺薙■繧峨?諠ウ蜒上↓莉サ縺帙※縺上l繧九→縺薙m縺後>縺??縺医?

  • 江戸から明治になる時期を漫画で描く。

  • 『閑中忙あり』が好きである。黒砂糖入れたコーヒーが、安定の杉浦日向子ストロークで美味さうである。
     なんか最初の、欧州の人が日本を紹介する話が、向ふのユーモアを交へた表現で、一応上から目線の観察者の視点で、描かれてゐる割に、アレな翻訳家の人が、いい感じで謎のフォローを入れてくれて、大変良いのである。

  • タイトルに惹かれて。
    明治の日本だろうか。 

    「ここらへんは昔の横浜と変わらない」とか、当時を生きていた人のいたって普通の日常生活。

    解説者の方が『絵がうまいわけではないがそれが良い』というような事を書いていた気がするが
    味のある、ほのぼのと、すんなり入ってくる感じ。

    『グレーテルのかまど』のクリームパンの人だと気付く。

    漫画だと、歴史もの、という感じがせず、当時の風俗が知れる、というか身近に知れて面白い。

  • 久しぶりに読んだ杉浦日名子の漫画。やはり唯一無二、独特の雰囲気は今も色あせない。

    明治維新のころの若々しい、生まれたての「日本」で四人の若者が青春を謳歌する。世が世なら大名か旗本の当主であったはずの「トノサマ」本多をめぐる元らしゃめんの女中と許嫁の姫様との駆け引きも微笑ましい。トノサマは今ならディーン・フジオカのイメージデスねw
    という「閑中忙あり」は実写化希望。

  • 文明開化の音がする。江戸への郷愁を抱えたまま巨大な明治の渦に巻き込まれはじめた日本人たち。

  • 母のおすすめ。明治時代の横浜が舞台。
    いい時代だー。
    絵もストーリーもすき。
    医学生の野中くん萌え。
    らしゃめんの女の子もすてき。
    杉浦日向子さんの漫画、もっと読みたい。

  • 『閑中忙あり』をもっと読みたかった。

  • 女の人の目がいい。

  • 杉浦日向子の作品群の中でも一番好きかもしれん。
    らしゃめん。

  • 漫画だったのは知らなかった。読み返したくなる本。しかし,何で読もうと思ったんだったか。震災の記事だったきがするけど・・・。

  • ヨーソロ ニッポン。

    宜候(ようそろ)
    ①舟人のかけ声。また、はやし声。
    ②操船で、取舵(とりかじ)・面舵(おもかじ)の必要はなく、直進に進めという場合の命令語。
    -広辞苑・第四版-

  • 開国後の横浜に溢れる外国人と異文化。開国に適応していく、過渡期の日本人。

  • ・医学生のくせにグロがだめな黒髪眼鏡七三分け野中くん萌え

  • 文明開化のころの日本。
    ほんとうにあの時代ってこういう時間が流れてたんじゃないだろうかと思う。

  • 初めの短編は百物語か何か妖怪とか不思議なものがテーマなのかな。
    と思っていたんですが、「閑中忙あり」では明治初期の土臭いけど何処かこれからの期待に満ち溢れてるようなそんな青年達の話でした

  • すぎうらひなこ は 久しぶりに読むととてもいいです

  • 明治初期の活気溢れる若者たち。

  • 2007年12月9日(日)、読了。

  • 1995.9.10

  • あとがき「たのしいくらし」杉浦日向子
    解説「日向子式タイムマシン」赤瀬川原平

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著者プロフィール

杉浦 日向子(すぎうら・ひなこ):1958年、東京生まれ。1980年、「通言室之梅」(「ガロ」)で漫画家としてデビュー。1984年、『合葬』で日本漫画家協会賞優秀賞受賞。1988年、『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞受賞。1993年に漫画家を引退し、江戸風俗研究家、文筆家として活動した。NHK「コメディーお江戸でござる」では解説を担当。主な漫画作品に『百日紅』(上・下)『ゑひもせす』『二つ枕』『YASUJI東京』『百物語』、エッセイ集に『江戸へようこそ』『大江戸観光』『うつくしく、やさしく、おろかなり』『一日江戸人』『杉浦日向子の食・道・楽』『吞々草子』等がある。2005年、没。

「2023年 『風流江戸雀/呑々まんが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉浦日向子の作品

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