カポ-ティ短篇集 (ちくま文庫 か 26-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480032461

感想・レビュー・書評

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  • 一つひとつの言葉のもつ意味が、そっと開花していった 。
    たとえば、音や香り。
    タンバリンを打つような風。落ち葉の中に落ちたぶどうの香りで、あたりの空気までが甘い。美しい春の予感。たそがれ、そして夜、静寂という名の音の繊維がきらめく青い仮面を織る。
    ...風変わりな登場人物たちからは目が離せず、うつくしい自然の描写には心癒され、カポーティの描く世界にのめり込んでいった。
    脆さと美しさを湛えた危険な短編集だった。

  • カポーティを読むのはもしかしたら10年以上ぶりかもしれない。デビュー時から晩年に至る作品12編を収録。カポーティはほぼ既読のはずなのに、敢えて私の記憶からすり抜けた作品ばかり選ばれたみたい、なにしろ新鮮に潤っている。ウィットに引き込まれ、シニックな笑いを浮かべ、物見高に構え油断してたらとんでもない奥底に落とされる。いきなりナイフで切り裂かれるような瞬間が訪れる、ぞくっとする快感を伴う。冒頭の雨模様の描写になにかが起こりそうな壊れそうな予感を秘められて、透明で冷やりとした狂気ただよう「無頭の鷹」がいちばん好き。

  • ヨーロッパのとこ好き。行きたくなる。

  • 鳥とずっと暮らしているからか、序盤で鳥のその後の不幸を匂わせられると胸が痛み、読み進めるのがつらくなる、つまり、鳥が不幸になる話は地雷だ。ローラは読んでいてつらかった。カラスの愛らしさが見事に表現されているだけに。
    しかしカポーティの人物や街の描写は好きだ。無頭の鷹は特に夢の中の不思議と見覚えのある街を彷徨うような読み心地でよかった。頭のない鷹はかわいそうだが……

  • カポーティの短編集から、訳者の思い入れの強い作品を集めた短編集。原文を読んでいないので分からないが、翻訳からも理性的で端正な文章なのだろうと思えた。
    (2016.5)

  • 「もてなし」や「くららキララ」(最もカポーティの内面が投影されている話と思います)はカポーティらしくて、この2つはいつかまた読み返したい。

  • なかなか面白い。村上春樹みたいに感じる読後感。でも、逆なのかな?

  • ブックオフ池袋、¥350.

  • トルーマン・カポーティの短編集。村上春樹が影響受けているのがひしひしと伝わる。カポーティは何冊か読んできたけれど、この作品は訳も良く読みやすい。そして面白い。思わず口があんぐりとあいてしまうようなオチのある作品も。カポーティの魅力がたっぷり詰まった豪華な短編集。2013/291

  • ヒッチコック
    プルースト

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