シェイクスピア全集 (5) リア王 (ちくま文庫)

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制作 : William Shakespeare  松岡 和子 
  • 筑摩書房 (1997年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480033055

シェイクスピア全集 (5) リア王 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 福田恆存、小田島雄志の訳では読んでいたが、今回初めて松岡和子訳を読んだ。少し中だるみがあるし、変装すれば親兄弟でも分からなくなるのかといった突っ込みどころも多々あるが、やはりシェイクスピアの最高傑作はこの『リア王』で間違い無いだろう。途中経過がどうであれ、全ての希望が崩壊し、底なしの暗黒が世界を覆い尽くすかのごとき終盤のドラマチックさは、他の作品の比ではない。

    あらためて胸を打たれるのは、グロスター伯爵の死がエドガーの口から伝えられるところ。その前にエドガーの作戦でグロスターが生きる意欲をわずかながらに取り戻し、親子が再び手を取り合う兆しを見せていただけに、死の場面すら描かれず、突然二度と会えない人になってしまった不条理さに胸が突き刺される。その不条理は、さらに壮大な形でリアとコーディリアのもとにも訪れる。本作の悲劇性は、登場人物がどん底から這い上がり、自らの過ちを認め、分厚い雲の隙間から光を見いだした瞬間に、その光が容赦なく叩きつぶされる点にある。『ハムレット』にせよ『ロミオとジュリエット』にせよ、ここまで用周到な残酷さは無い。

    松岡和子の訳は相変わらずこなれていて実演向きなのだが、他の作品の訳に比べると微妙な体温の低さも感じる。あとがきで『リア王』に流れる女性嫌悪について書いていて、なるほどと納得したのだが、やはり彼女は根本的な部分で『リア王』という作品に共感しきれなかったのではなかろうか。また、この点を踏まえて黒澤明の映画『乱』を思い出すと、オリジナルに存在しない楓の方というキャラクターは、本作に流れる女性嫌悪のモチーフをより分かりやすい形で描いた、非常に優れた脚色だったのかもしれないとも思う。

  • リア王は前評判通り、人生の本質をえぐり出した作品です。シェイクスピアの人生観は私とピッタリ合いますね。実の息子や娘であっても、親から金・地位を奪い取るのは平気。恵まれている時代、正気の時や目が見える間は、人間の醜さなど全く分からないもの。地位が高いほど、周りの阿諛追従に騙されるだけ。死ぬまで気を抜けないのが人生だ。動物間の信頼関係の方がまだ確固たるもの。狡猾さの塊のような人間がいかに多いことか。

  • なんかよく分からないけど、凄い、という感じで、父と娘、父と子の話が錯綜し、王家の貴族との話も出て来て、戦争の話にもなる。なんかすごいんだけど、正直よく分からなかった、というのも本音である。あまり読みやすい感じではなかった。

  • 読書日:2017年4月29日-4月30日.
    Original title:King Lear.
    Author:William Shakespeare.

    King Learは八十歳の老齢である故か、頑固で痴呆と思われる言動を繰り返します。
    領土を三分割し(最終的に二分割)三人娘の内、長女Goneril夫妻と次女Regan夫妻に譲渡し、その結果この娘達から追い出されます。
    何とも哀れでもあり、自業自得でもあり、暴風雨の中狂った様に外で過ごす姿を目にした時は流石に可哀想だと胸が痛みました。

    この領土分割で、娘達に自分に対して何か言う様にと命ずる場面があるのですが、その様子がEspañaの昔話『塩のように好き』の一場面を思い出しました。

    長女と次女は絶望を抱き自害したので、せめて三女Cordeliaだけでも助かって欲しいと願いながら読んでいたのに、末娘も獄中で殺されました。
    その余りの悲しさに荒れ狂いKing Learも事切れます。

    王族ではない生き残った臣下達が、どの様に統治するのか続編があれば読みたいと読み終えた時に感じました。

  • どうせなら救いようのない話を、ということで選んだ。
    罵倒語のバリエーションがこれでもかと言うほど豊富。
    原文の洒落を、翻訳でも試みているのは尊敬に値するのではなかろうか。

  • 大体の筋を知っているとすらすらと読める。

  • ハムレットに続き読み応えのある作品。
    リア王の軽率な発言、判断から坂道を転がり落ちるように不幸になる。
    しかし、王様が乞食のようになる様子がリアルに描かれている。

  • リア王のことをみんなが「お爺ちゃん」扱いして無下にする。見ていて心が痛かった。医者としてケントって人が出てくるけど、おれはケントが一番好きだ。コーディリアも好きだけど、彼女の真意を汲み取り、一人の友人としてリアに進言し、それによって追放されようとも、リアへの忠義を尽くす姿勢に、心射たれた。

  • 喪失がゆえの悲劇。

  • 四大悲劇だけあり、悲劇的結末で人もたくさん死ぬが、当時は人の命など儚いものだったのだろう。陰謀、親への不義、不貞、裏切りなど時代を越えても通じる要素ばかり。さすが偉大なシェイクスピア!

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シェイクスピア全集 (5) リア王 (ちくま文庫)の作品紹介

老王リアは退位にあたり、三人の娘に領土を分配する決意を固める。二人の姉は巧みな言葉で父を喜ばせるが、末娘コーディリアの率直な言葉にリアは激怒し、彼女を勘当し二人の姉にすべての権力、財産を譲ってしまう。老王の悲劇はここから始まった。シェイクスピア四大悲劇の最高峰。

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