上岡龍太郎かく語りき―私の上方芸能史 (ちくま文庫)

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著者 : 上岡龍太郎
  • 筑摩書房 (1997年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480033383

上岡龍太郎かく語りき―私の上方芸能史 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  好き嫌いの分かれる芸人さんだったようですが、僕は好きでした。話に聞くだけだった漫画トリオが、実際どうであったのか、本人の語り口調からなんとなく垣間見ることを許されて、当時リアルタイムで楽しんでいた人達に少し近づけるような気がします。
     筆者の父親が息子の職業を評して語るあたり、極端とは分かりつつも、どこか嬉しくなる台詞です。こういう台詞が、嫌味なく、出せる人に、最近は会っていません。

  • ご存じ上岡龍太郎氏による、戦後の上方芸能史についての数々のエピソードを交えた回顧録。

    横山ノックらと結成した「漫画トリオ」にまつわるエピソードも
    さることながら、そのまわりで活躍したほかの上方芸人の逸話が
    面白い。
    天才的なツッコミ役だった、秋田Oスケ(平和日佐丸)氏の身の上に起きた
    不運には、同情を超えて、人生には気を抜ける瞬間などなく、
    常にリスクを回避しなければ今が順風満帆でも
    いつ何時どんな落とし穴に落ちるかわからない、という
    世の真実を思い知らされるし、
    また、横山やすし氏の修業時代の姿は
    彼のその後見せる破天荒な生き様とあまりにかけ離れていて、
    人間の持つ二面性や、その人の考え方や個性がいかにして
    作られていくか、つくづく考えさせられる。

    でも何より愁眉を飾るのは、松葉家奴氏の
    奇人変人ぶりを示す以下のエピソードだろう。

    --
    (事務所へ顔を出した家奴氏に向かって)
    「ああ、家奴師匠ちょっと仕事があって」
    「ちょっと待ってください、今から家へ帰りますよって、電話でその話を…」
    --
    なぜわざわざ電話で!

    上岡氏も触れている通り、上述の家奴氏などは、
    あまりに感覚が一般とかけ離れていて、
    おそらく普通の仕事をこなして暮らしていくことは
    できなかったのでは、と思う。
    でもそれは上岡氏がやや自嘲気味に語るように
    家奴氏のような個性的な人物が、最底辺の落ちこぼれである、
    という認識に至るのでは問題だ。
    こんなに面白い人物が普通の仕事で食べていけない
    社会のほうが問題だとつくづく思う。
    少なくとも家奴氏のようなはみ出した個性の持ち主の
    受け皿として芸能界が機能するなら、
    そしてその恩恵を、彼らの「芸」を我々が
    楽しむことで存分に受けることができた時代は
    それなりにいい時代だったのではないかな、と思う。

    いわゆる「芸人」という言葉が、芸達者な人を指すのではなく、
    素人に毛の生えた人気者でしかない今では、
    芸に生きた人たちの人生について思いを巡らすことは
    とても有意義なことにも感じる。

    「芸は一流、人気は二流、ギャラは三流」
    という上岡氏の自己紹介を、
    いずれ自信を持って真似てみたいな、と思う今日この頃である。

  • 何故この本を手にとったか。島田紳助ニュースです。それはよいとして。

    上岡龍太郎氏が語る、数々の芸人さん談、直接知らないけど、面白い。
    やはり、司会者として重宝された人であったんだなあと強く感じる。

    彼はこの著書で語る。
    人は、好きで仕事を一生懸命やることに勝るものはないと。
    確かに、様々な理由で、好きだけで、仕事がしにくい日本になりつつある。

    でも、だからこそ、本当に好きなんだなあと伝わってくる芸人さんは面白い。
    談志師匠の解説で〆られていた。次は談志本を読んでみることにしよう。

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