タイタニック号の最期 (ちくま文庫 ろ 4-1)

  • 筑摩書房
3.09
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480033994

作品紹介・あらすじ

時代の夢と憧れを乗せた超豪華船「タイタニック号」の遭難。それは当時の人々が持っていた機械文明に対する楽天的な信仰をゆるがした。その犠牲者は上流社交界の人々と三等船室にいた多くの貧しい人々である。処女航海で海の藻屑と消えた船で繰り広げられた人間劇。多くの資料と生存者の談話をもとに、その伝説の真相にせまった、優れた記録文学。

感想・レビュー・書評

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  • 映画が好きなので購入。
    いろんな人の名前が変わるがわる出てきて読み進めるのがちょっと難しかった。(一度出てきてその後出てこない人もいたはず)氷山に衝突してから船が沈むまでの記録として、どこまで書けば克明と言われるのかわからないけれど、そこにいた人たちの動きや言動がこうして残されているのは弔いでもあるだろう(ここに書かれた人たちは全員生き延びたから本に記録されているというのもあるかもしれないけれど…)
    個人的には船が沈んでからカルパチア号に救助されるまでの章が面白かった。氷山衝突から沈没までは映画で何度も観ている光景だったので、その周辺のことが知れたのがよかった。

  • タイタニック号の海難事故の記録。
    映画でみた大事件がより深く理解できた。この海難がいろいろな面でいかに時代を画したかもよくわかる。

  • 映画館で3D再上映を見たあとに、史実をしっかり知りたいと思い、読みました。
    結局生き残っていた人しか事実は知らないし、その生き残りが圧倒的に少ないから、謎は残るばかりだけど、記録として残っているものを知ることができて、それだけでも大収穫。
    ひとつひとつの負の要素が全て重なって、あの歴史に残る事故が起こったんだなって改めて思った。

  • 2年前くらいに、急に興味もってネットでいろいろ漁ったせいか、ほとんど知ってた‥とはいえ。結末を知っていても、読んでいて息詰まる。そしてたかだか100年ちょっと前、身分差別や人種差別が当然だったんだな、というのにもしみじみ。まあまだ解消されてないか。

  • 不沈船と言われた豪華客船タイタニックの沈没の記録を綴った小説。個人的に絶対安全と言われた原発の事故と同じ匂いがした。両方ともこれらを作り出した人たちのおごりと思い込みが、こういった大惨事を生んでいるのだろうと思った。

  • 科学の象徴への信頼が崩れた、そのインパクトの大きさが読みどころ。ただ本文には相当数の人物名が出てきて彼らの行動や言動が記されるが、事件の経過や背景がそれほど整理されておらず全体的に散漫な印象。持って回った言い回しが多く読みにくいのは、日本語訳のせいかもしれない。身分(客室等級)の差と生存率の話、特に後回しにされた3等客がある程度差別を当然と捉えた(1等客や船員も無論そう捉えている)という話には考えされられた。そのお陰かどうか、沈没中も一定の秩序が存在し、これは極限状態の中でも日頃刷り込まれた認識が有効な一例だろう。出版年が古く、今日知られる最新調査の情報が無い一方、生存者や関係者がまだ生きていた時代だけに、彼らの声が(虚実無い混ぜながら)より肉声のように伝わってくる点は貴重。

  • 新書文庫

  • 何回でも読みたい

  •  ご存じ、タイタニックのお話ですが、とても詳しく書かれてます。インタビューなどを事細かく取材して、時系列で並べたという感じです。その分、主人公というのは存在せず、様々な人が同時進行で登場してきますので、名前をしっかり把握しないと、前後のつながりが見えなくなってしまいます。私は外国の人の名前が覚えられない質なので、読み進めるのに時間がかかってしまいました。

     当たり前のことなんでしょうが、映画で出てきた同姓同名の人も多数登場しますので、時間があれば、映画で描かれている姿と比較しながら読めば面白いと思いますが、そんな時間はさすがにないので、全体的な印象のみで我慢することにしました。

     あれだけの惨事ですから、当事者の証言も相当食い違っているようです。例えば、楽団は「主よ、みもとに近づかん」を演奏したということになっていますが、実際には、ラグタイムを演奏していたに過ぎないという主張もあるそうです。あるいは、全然何も演奏していなかったという話もあるとか。もっとも、当事者にしてみれば、まさに「主よ、みもとに近づかん」という気持ちだったことは言うまでもありませんが。

     p.210に、ライトラーという人が運転士用の呼び子を使って合図を送った話が紹介されています。映画では、ローズ・デウィット・ブケーターが死にものぐるいで吹くのが印象的でしたが、それも元になるエピソードがあったなんて、ちょっと感動です。

     また、映画を見てみようかな。

  • 興味深く読んだ。タイタニックに関する書籍や映画は多いが、どれも完全な事実を言い表し切れていないことが分かる。この書籍はそういった視点を忘れることなく、一つの記録として扱ったところに意義があり、貴重であると思う。

  • ★3.5
    乗客をはじめ関係者多数の証言から事故の真相に迫る。

  • ブックオフ100円コーナーで発見・購読
    ジェームズ・キャメロンの映画タイタニックを観ているためか、ついついディカプリオの登場シーンをイメージしてしまう。
    また、記録文学故、ほとんどの登場人物に感情移入ができなくて、物語を未消化であった。
    ただし、実際に救難信号を受取った定期船の救出に向かうくだりは、結構、感動的。
    細野晴臣による祖父の証言を中心としたあとがきは、中々、興味深い。

  • 海難の悲劇、当時の歴史背景や生活背景も克明に描かれていた。
    細野晴臣の祖父がただ1人の日本人乗船者だったことは知らなかった。

  • 4480033998  254p 1998・4・30 2刷

  • この本は映画化もされたタイタニックの書である。
    映画ではなくなってしまていた事実もこの本には描かれている。
    普段、当たり前のように電車や船や飛行機を使っているが、実際に自分がこのような事故に巻き込まれたとき、自分は愛する人を守りぬけるだろうか。と思ってしまった。実際は自分のことを守るのに必死になってしまいそうな気がする。色々と考える本だった。

  • 死にたくない。

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