やくざと日本人 (ちくま文庫)

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著者 : 猪野健治
  • 筑摩書房 (1999年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480034847

やくざと日本人 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • すごい本があるもんですね。研究の報告でありながら凄みがあるってのは、内容もさることながら、著者が単に興味本位によってつらつら書いているわけではなく、すでにその世界へ片足突っ込んでいるかのような、本当に魅入られた人は、または、境遇が近く共感するような人は、とことん任侠な気質なのだなと思います。近年の問題として、暴力団を被差別民だと認識されなくなっているのは、そう言うこと自体が差別的だという世論の変化、金嬉老事件などの風化とか、いろいろあるのかな、と思いますが、ここで描かれたやくざ像は今でもやくざ映画の魅力的な演出として生きています。

  • w

  • 諸外国では、下層階級の生活のために犯罪が横行しているのが普通だが、我が国は都市で夜道を一人で歩かれるほど安全な国である。

    また日本人の誠実さ、正直さは、時に外国人には驚きを持って迎えられる。

    我が国の「表社会」がこれほど平和な清廉さを保てるのは、ダークな部分が裏社会として自己完結的に存在し、表社会からの経済的搾取をある特定のチャネルを通じてのみ行ってきているからのように思われる。

    ヤクザが利益団体として義侠の精神によって結束するさまは神道や儒教道徳が背景にあるようで、これまた日本的(東洋的)だ。このような真面目で自己犠牲的な結束の仕方は、人種混交の他の文化圏では類を見ない。

    本書の初版から40年、プロローグが書かれてから20年が過ぎているので、現況や今後も知りたいところだ。

    ヤクザが仮に制圧されても、どのような社会でも、貧困、虐げられる下層階級が世の中から消えることはない。これはアメリカでも日本でもロシアでも中国でも、どこでも同じことだ。

    日本の下層階級は、これからどんなシノギ方をしていくのだろう。日本の将来を考えるなら、表社会のことだけでなく、そのことも考えておくべきだろう。

    見ないように、関わらないようにしただけでは、解決にはならないだろう。

  • めったにでない★4つ。

    江戸初期のかぶき者から高度成長時代の第一次頂上作戦まで、「やくざ」的なるものを通史で追いつつ、階級史観でぶったぎった怪書。

    圧倒的な実証。あつい思い。鋭い考察。
    やりすぎとも言える階級史観は、一巡して今現在の社会情勢にビビッドに響く。

    これは、 蜂起には至らず(新左翼死人列伝)
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406275696X/mdmk-22/ref=nosim
    と対書だ。
    どちらも読むべきだ。

    あとがきの鈴木邦夫の文章がまたいい。圧倒されて、「とにかく危険な書だ」と。

  • 2008/12 図書館:
    参考:「任侠は弱し官吏は強し - 書評 - 山口組概論」
    http://bl​og.livedoor.jp/​dankogai/archiv​es/51151073.htm​l”>

  • 152夜

  • 教科書が絶対教えない、日本近現代史の名著。社会構造を検討することなく臭いものには蓋をする社会に未来はない。

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