文房具56話 (ちくま文庫)

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著者 : 串田孫一
  • 筑摩書房 (2001年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480036063

文房具56話 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 古書店にて、クラフト・エヴィング商會の装丁に惹かれて購入しました。
    タイトルの通り、身のまわりの文房具を1つ1つ取り上げたエッセイを56篇集めた1冊です。

    戦前から戦後にかけて生きた著者だからでしょうか、文房具1つ1つへの愛着やこだわりがしっとりと伝わってきます。
    土のにおいのする薄暗い日本家屋に差しこむ光。
    その中に静かに並ぶ文房具たちは、長年大切に使われてきたことがよくわかる、持ち主の手の馴染んだものばかり…。
    そんな雰囲気が漂う随筆は、ノスタルジックな気持ちを呼び起こします。

    使い捨てをよしとしない著者の目には、カッターナイフですら使い捨てのものとして映ったようです。
    すっかり現代の使い捨て文化に馴染んでしまった私は、本書を読みながら恥ずかしい気持ちになっていたのでした。
    使いこまれた道具を持つ人はかっこいいと思います。
    私も年を重ねていく中で「愛用の○○」と言えるものを増やしていけたらいいな~。

  • 文房具の想い出や新たな発見、工夫や悦びが語られた随筆集。
    カバーデザインがクラフト・エヴィング商會だったのと、なんとなく「文房具」というキーワードに惹かれて購入。

    戦争時代、モノが豊富に溢れている現代、両方を生きた方で文房具というか、モノに対する想い、考え方が目から鱗で、自分を、自分の周りに溢れるものの扱い方について省みる一冊となりました。

    素朴で慎ましい、落ち着く文章でした。そして、とにかく文房具愛、ものを大事に扱いたいという想いを感じます。「消しゴム」を不憫に思う人に私は初めて出会いましたが、確かに不憫だ…時にユーモアが混じり、現代社会への警鐘をも含ませるエッセイ。じっくり読みました。

    なじみのある文房具からはじめて聞くような文房具まであり、とても興味深く読みました。
    便利さのために進化する、または新しく生まれる文房具。便利さの代償はどんなものにもやはりあるのだなぁと感じさせられました。(読んでいるうちに確かに「セロハンテープ」は便利だけれど、少し思いやりのかけるものに思えてきました。)

    どれも魅力的なエッセイでしたが、中でも「地球儀」と「文化を守る力」、いろんな人に読んでほしいなと思いました。

  • 久しぶりのヒット!

    真摯な、謙虚な、文房具好きな、おじいさんによる読み物。

    吃驚仰天。矢鱈。
    おじいさん語は読んでいるときゅんきゅんする。

    そして版画のセンス!竹尾さんの少年!

  • 文房具、学生の頃はかなり凝りました。サインペンの書き味やデザイン、教科ごとに分けたノートの色、筆圧が低いからシャーペンの芯は濃い物を使い、それで線を引くと定規が汚れやすいので目盛りがくっきりした物、などなど。当時に比べると文房具って使わなくなりました。文字や絵を書くのも、相手に送るのもパソコンで出来てしまうし、かといってUSBやプリント用紙、インクは文房具とは言い難いし…。
    このエッセイの目次を見ると、一般に文房具と呼ばれるものがこんなにあったのかと驚くとともに、名前だけでは何のことだか分からないものも多く首を捻ります。内容を読めばコンパスやノート、テプラのことだと分かるのですが、著者が想定している物と私が持っている物ではずれがあるように思われます。時代が違うので文房具そのものが変わっているのは当然。用途が変わっているものもある。そして何より、文房具への親しみの度合いが違う。著者は使い捨てを好まず、物持ちがよいとご本人でも自覚しているそうです。刃物は自分で研ぐし、無くした小刀を見つけたときには小躍りして喜ぶ。セロハンテープが普及し始めると面白がって使う習慣ができてしまう、実際に包装紙を使い回すのには不便である、とさえ仰る。だけれどもセロハンテープが悪いというのではなく、使う方の意識の問題で、うまく使えなかったとしてもそれは自分の不勉強だったり、もっと馴染んだ物があるからだったりする。知らないことは調べたとはっきり仰るし、決して押しつけがましいことは書かず、苦言を呈するにしてもユーモアを挟む。文房具の見方、考え方からご本人像まで見えてくるようで、こういう文章が書ける人に、こういう感覚を持った人になりたいとさえ思いました。
    出典がどんな本か分かりませんが、装丁・挿絵に使われている版画も素敵で、どうやったらこういうセンスを身に付けられるのかご本人に聞いてみたかった。

  • Yotsuya

  • 文房具愛が伝わってくる。読むと紹介されている文房具を思わずAmazonde買いたくなってしまう。

  • 2015.12.28

  • 56種類の文房具に対するコラム
    昭和の前半からの文具が登場するので昭和時代の人は懐かしい
    最新の文具をと思う人には向かない
    味のある1冊

  • 筆者の文房具に対するこだわり。

  • 大切に長く使うことにより、文房具はただの物ではなくなるということについて考えた。愛着を持って良い物をずっと使い続けたいとおもう。

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文房具、身近な小道具でありながら、これほど使う者の心をときめかせる物はない。消しゴムで作ったゴム印、指先で糊をのばす風景、鳩目パンチ、吸取紙など、懐かしいものがたくさん登場する。手に馴染み、気持ちに寄り添う文房具。ちょっとした使いこなしがその価値を決める。どうすればこの小さな道具が創造力の源泉になりうるのか。文房具の想い出や新たな発見、工夫や悦びを語る随想集。

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