猟奇文学館 3 (ちくま文庫 り 5-3)

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 62
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480036131

作品紹介・あらすじ

なぜ人の肉を食ってはいけないのだ!?人肉のうまさに取り憑かれてしまった人間たちの狂気と悦楽。そして、わが肉を捧げる愛。高橋克彦、夢枕獏、筒井康隆、宇能鴻一郎、山田正紀ら現代作家から、村山槐多、中島敦まで、カニバリズム傑作小説11篇を厳選。人肉嗜食魔たちが味わった天国の至福と地獄の業苦をとくと御賞味あれ。

感想・レビュー・書評

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  • カニバリズムをテーマにしたアンソロジー。
    人の肉を食べるという禁忌は、怖いけど指の隙間から覗いてみたい的な怪しげな魅力があって、結構好きなテーマだったりします。
    しかし一冊丸々は結構こたえるものがありました。濃い……。
    実在の人物のことを書いた「肉屋に化けた人鬼」が凄まじかった。
    「秘密(タプ)」は他の本で既読でしたが、理不尽な怖さがじわじわ来る。
    他は「夜叉神堂の男」「ことろの首」が好きです。
    最後の「姫君を喰う話」はテーマであるカニバリズム以外の表現がえぐすぎて、受け付けられなかった…。

  •  カニバリズムをテーマにした短編集。
     美食による人肉喰いから愛情による人肉喰い、食べた本人が幸福な結末から後悔して自死を選ぶ最後まで、様々な物語を読めるので、カニバファンには一読の価値あり。
     全てが気に入る、ということはないだろうが、恐らく何作かは自分好みのカニバに出逢えると思われる。


     食べてしまいたいくらいに愛している、というカニバリズムの話は少ないので、一押しは「血と肉の愛情」、「燻煙肉の中の鉄」、「姫君を喰う話」。
     「夜叉神堂の男」は、一年に一度だけ人肉が喰いたくなる呪いをかけられた男の話。
     一年に一度だけ極楽の美味を食し、一年の残りの364日は、人肉食いである自分を絶望して過ごす日々を想像すると、すさまじい。
     

  • 「猟奇文学館」と銘打たれた全3巻シリーズの3冊目。それぞれ「監禁」「獣姦」テーマと来て今回が「人肉食」テーマのアンソロジー(1、2巻は未読)。

    一口に人肉食と言っても、そこには習俗としての食人(厳密にはカニバリスムとはこの事のみを指すらしい)、飢餓ゆえのものから、究極の美食(悪食)として、あるいは愛情表現の最終形態……等々、様々なものがあるわけだが、このアンソロジーではタイトルの“嗜食”が示すように「飢餓からの食人」を除くテーマの作品が収録されている。

    村山槐多「悪魔の舌」、宇野鴻一郎「姫君を喰う話」はタブーを越えた狂的な快楽を描ききって凄まじい。が、収録作中最もおぞましいのは、20世紀初頭、ドイツに実在した人肉嗜食鬼を描いたノンフィクション「肉屋に化けた人鬼」か。

  • 「悪魔の舌」村山塊多
    「狐憑」中島敦
    「香肉」生島治郎
    「秘密(タプ)」小松左京
    「夜叉神堂の男」杉本苑子 ◯
    「子をとろ子とろ 高橋克彦
    「ことろの首」夢枕獏
    「肉屋に化けた人鬼」牧逸馬
    「血と肉の愛情」筒井康隆
    「薫煙肉のなかの鉄」山田正紀 ◯
    「姫君を喰う話」宇能鴻一郎

    この猟奇文学館シリーズはどれも面白のでぜひ復刊、続刊して欲しい。にしても、このシリーズは宇能の◯◯◯◯趣味だけは受け付けない。

  • カバーをかけずに電車で立ち読みはやめたほうがいいタイトルでした。おばさんにぎょっとされた。中身は割りとよし。名立たる作家さんが寄せててわりといい。生島治郎の「香肉」は割りと好きだ。グロテスクというよりホラー系とか怪奇系か。

  • 2005/5/8

  • 現在読破中

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