紅一点論: アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 (ちくま文庫 さ 13-2)
- 筑摩書房 (2001年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480036667
感想・レビュー・書評
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三葛館一般 367.2||SA
保健看護学部 西村賀子先生 『図書館報 みかづら』9 号(2006)より
『思考枠組みを揺さぶる刺激的な本はしばしば難解だが、頭の中にコペルニクス的転換を生じさせる。人間と社会を歴史的展望の中で客観的に考えさせる書物は人生の悩みを即座に解決してはくれないが、人間としての深さと奥行きを増すことはたしかだ。さしあたり斎藤美奈子の『紅一点論』を抱腹絶倒しながら読んでみてほしい。子どものときに読んだ伝記や見たアニメの像がきっと反転するだろう』
和医大OPAC → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=41588詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書評を書くために読みました。
悪くはないけど、こじつけ感もある。 -
腹筋が痛くなるほど笑わせてくれた評論。歯に衣着せぬ物言いで、遠慮容赦なく言いたいことをズバッと突っ込んでくださるその姿勢がたまらなく好きです。エヴァについての考察が特に興味深かった。
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大学の図書館で借りて読んだ本。アニメ・特撮・伝記の中のヒロインの描かれ方を取り上げ、女性がどういう役割を強いられてきたかを論じている。
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購入:2009/10/26
世間的に絶賛されている物語でも、女性の描き方に着目してみると、ほーんと、男性の願望が投影された類型的な女性ばっかりであることよ。
そういう意味で「妊娠小説」につながるものを感じる。 -
やっぱりやっぱりミナコ様!
妊娠小説からずっと、その目のつけどころの素晴らしさは群を抜き、
そうしてその分析力は高まる一方。
エヴァンゲリオンやゴレンジャーのヒロインと、
キュリー夫人とナイチンゲールが同じ土俵で語られるこのカイカン!
切り取られるその姿がまた、胸をすく。
以前有川浩を「読むセラピー」と評したが、
この本はまさに、「読む外科手術」。
あなたの胸の奥の奥までえぐり出されて、お日様の下にさらされてぺかぺかだ。
こんなのあり?なんだこれ?
ナイチンゲールは知ってても、確かにそう、実際はなにがすごだったんだっけ?
ヘレンケラーって三重苦を乗り越えて、どうすごかったの?
えぐり出された傷につめられたものは多分、そこにあった肉体の代わりじゃなくて、
なんかそう、冷たくて固くてすごいもの。
読み終わったときあなたはそうきっと、一部別な人になってると、あたしは思うよ。 -
いはやは面白かった! 日本のアニメから伝記まで、男女差を視点に切り込む切り込む。
ドラえもんのしずかちゃんに女の子の友達がいないのはなぜか?や、女の子の戦いは、愛のための戦い、など、ついうなずきたくなるものばかり。
著者の『モダンガール』のときも、そこまでいってもいいの?と思ったけれど、切り口のするどい文体で、楽しめる。男性はきらいかもしれないけれど、楽しめない人は心がせまいかも。 -
厳密にいうとジェンダー論ではない。レヴィ・ストロースの『神話論理』等をもじったお笑い構造主義論だろう。筆者の執筆意図は十全には果たせていないかもしれない。しかし、サブカル題材のキャラ分析は驚くほかないし、伝記書人物の紹介には知らなかったことも多く(幼い頃伝記を読みふけったものの一人として)目を見張った。特に、キュリー”夫人”をローザ・ルクセンブルグと並置したところなどは快哉をおくりたい。批評としては傑作。
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これこそ、わかりやすい、エンターテイメント的ジェンダー論、という1冊。
オトコ社会で頑張って生きている女子、
男女平等とアタマでは理解している男子の皆さん必読。
とにかく、うまいです。