翻訳者の仕事部屋 (ちくま文庫)

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著者 : 深町真理子
  • 筑摩書房 (2001年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480036933

翻訳者の仕事部屋 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 海外の文学を日本語にするということはどういうことなのか。翻訳者とはどうあるべきか、どんなことを心がけて仕事をしているのかについて書かれた第一章が一番良かったですね。この部分と、巻末の翻訳実践講座は翻訳を志す方にはおすすめです。
    深町さんの訳書は何冊か持ってますし、初めての作家でも訳がこの方だと安心できる理由が分かった気がします。
    ただ翻訳に関する話以外も多くて、また雑誌に掲載されたものを編集したものなので繰り返し同じ文章を読まされました。この辺はかなりのマイナス。翻訳に関しても、訳された作品に取り組まれた折の、もっと細かいエピソードがあればよかったですね。
    何年か分の仕事を抱えておられるそうで、深町さん訳でってのもありますけど、訳書が出るまで何年も待つってどうなんだろうとも思いましたね。
    何度か取り上げられている「アンネの日記」、これはおすすめですね。良書のイメージで敬遠されているとありましたが、極限状態であっても精神的に成長していく姿や人生を真摯に考えているところなど、自分のような年齢の人間が読んで感動したぐらいですからね。

  •  海の向こうから渡ってきた小説をよく読まれるかたにこの本推します。いい考えだ♪(安易?)
     訳してくれるかたの話が面白くないわけがない。それに、深町訳には必ずどこかでにお世話になっているはずだっ!!(๑•̀ㅂ•́)و✧
     お仕事のコト、趣味のコト、アイルランドのコト、それから翻訳講座……。載ってることのどれもが興味深いお話ですよ~☆

     自分も働く身になったので、お仕事の流儀についてフォーカス☆ してみると……。

    「自分がやりたいことと、求められる方向性が違う」な~んてコト、働いてるとよく起きますよね? 個人的には別に趣味じゃなくても、その仕事の成果で自分が評価を下されることになっちゃうしね……★
     こういう時ってどーしたらいいのか。断っちゃおうかな? って迷うことも多いです^/^
     答えは一つじゃないよね。当の本人が納得できないなら引き受けられないコトもあると思うの。。。
     でも、本書にあるのはちょっと違った選択。

     もとより本好きの深町さんですが、仕事の目で見る時と趣味のそれは別★ ルース・レンデルを何作も、見事な職人技で訳していらっしゃるけど、ご自身レンデルがお好きかというと、実は………★☆★(これバラしてレンデルさんに怒られなかったのかな!?)

     好きな本ばかり選んで好きに訳すのなら、「何だこりゃ」な作品と出会ったら放り出せるけど、途中で投げ出すわけにはいかない、それが仕事というものなんですねえ…★

     尊重されるべきは訳者の都合ではなく、作者の意図。彼女は不特定多数の読者に向けてフレーズを噛み砕き続け、その強靭な牙で信頼を得てきたのです…☆
     そのおかげで、翻訳小説を手にとって「あ、深町真理子訳だ!」となると、読者にとっては当たりが出たようなものなんですなぁ♪

     期待と注文に幾星霜応え続けることでも、「その人らしい仕事ぶりだ」とちゃんと評価され、名前が残っていくのですね。それは、素晴らしい幾星霜だと思います☆

  • あちこちに書いたエッセイを集めたものなので、本全体としては、繰り返しが多かったりとややだるいのだけど、翻訳者としての心構えを書いた(訳者は役者のフレーズの出てくる)第一部は、何度読んでも背筋がしゃんとする。左開きの実践編は、偉大な先輩の芸談を伺うにも似て、これまたひとつの道標のような。

  • SF、ミステリーを中心に翻訳家として活躍する著者が、仕事のこと、
    読書の楽しみ、日常生活について等を綴ったエッセイである。

    翻訳小説を読み漁っていたのは10代後半から20代前半にかけて
    だった。近年は小説自体に食指が動かなくなったので、年に
    数冊読めばいい方か。

    そんな翻訳小説時代でも本書で頻繁に取り上げられているクィーンや
    クリスティ、ドイルというミステリーの王道(?)は読まなかった。

    著者は『アンネの日記』の完全版も翻訳しているのだが、生憎と私は
    この作品も読んでいない。アンネ・フランクについては子供向けに
    書かれた本を、小学生の頃に読んだくらいだ。

    なので、各作品について書かれた個所は分からぬことが多かった。
    取り上げられている作者のファンであったなら、もう少し面白く
    読めたかも知れぬ。

    亡き山本夏彦翁が岩波文庫収録の翻訳小説に関して、外国語は知って
    いるが日本語を知らぬ者が訳しているから難解になるのだと語って
    いた。本書でも著者が似たようなことを語っている。

    近年はノンフィクションやルポルタージュばかりを読んでいるのだが、
    確かに日本語の破綻した翻訳書に出会うことが多い。翻訳には外国語の
    素養だけではなく、日本語の文章力も必要だと実感するね。

    でも、本書の著者のように日本語の知識が十分にあっても難解な漢字を
    多用するのもどうかと思うけどね。

  • スティーブン・キングをはじめとして200冊以上の洋書を訳してきた著者が語る、翻訳者としての本音と翻訳業界の舞台裏。

    本来なら”原文”という名の主人に仕える召使い、”作者”という名の主役の脇に控える黒子でしかない翻訳者を敢えて
    「訳者は役者」
    と豪語し、原文の文字と行間の狭間でもがき、苦しみ、そして舞台(=訳書)では観客(=読者)を魅了してみせる強さと誇りがありありと綴られています。

    翻訳の世界を志す人ならもちろん、何気なく訳書を読み流していただけの人にも是非、おすすめしたい一冊です。

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