谷根千の冒険 (ちくま文庫 も 11-4)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480037237

感想・レビュー・書評

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  • 「小さな雑誌で町づくり(晶文社刊)」を改題・文庫化したもの。
    寡聞にしてこの文庫本の存在を知らず、晶文社版を探求していたという恥ずかしい所。

    小さなメディア(いまならZINEやフリーペーパー、さらにはcFMも範疇かな)を立ち上げようと思う人だけではなく、町づくりに興味のある人も読むべき。
    津野海太郎『小さなメディアの必要』を実践した記録みたいなものでもある。必読。

  • 地域に根ざしたミニコミ誌『谷根千』創刊話。

  • すでに廃刊したタウン誌「谷中・根津・千駄木」の創刊から誌面作りの奮闘記。主婦業の傍ら悪戦苦闘しながらも地域に根ざした情報発信に徹底した姿はたくましい。谷根千が魅力ある場所だからこそ頑張れたのであろう。

  • 地域雑誌「谷中・根津・千駄木」を創刊し、育て上げた著者による、その奮闘記。同誌は1984年に創刊され、今でも続き、またWEBサイトにもなっています。

    基本的には、20代主婦子持ちの女性が、如何に努力し、苦労し、地域に融け込んで地域雑誌を創り、ミニコミ誌としてのメディアに育て上げたか、が著者自身によって語られますが、主題の三地区、いわゆる「谷根千」の魅力も垣間見え、ある意味地域雑誌の総集編的な記録でもあります。

    著者の手前味噌なところ、また身贔屓なところもあり、必ずしも公平な視点ってワケではないですが、それこそが、このミニコミ誌をメディアに持ち上げた原動力なんだろうな、と思います。いわゆる「地域愛」、そして自分たちの仲間達への愛です。

    彼女たちはミニコミ誌という舞台で活躍していますが、この態度は、マスコミや、エンタメであっても情報を発信する側の人には持ってもらうことが肝要なんだろうな、と思います。それが理想論だとは分かっていても。

    (2007年読了)

  • 『「谷根千」の冒険』は、地域雑誌「谷根千」の1984年創刊以降、7年間の記録をまとめた一冊で、創刊にまつわるエピソード、雑誌への思い、地域での活動の様子などが語られています。...
    中でも、「(近代の巨大化したメディア、画一的な週刊誌などを例に挙げて)私たちは情報の洪水の中でアップアップしながら・・・」、「本当に必要な情報とは何か」、「いま世になくて求められている本は何か」を考えたとき、「その一つが案外、地域の情報かもしれない」というくだり(54ページ)が印象的でした。そこに暮らす住民ならではの視点で、地域をあまねく取材し、自らの目で耳で得た情報を大事にしてきた、この雑誌の原点が見えてきます。<a href="http://koganeikouza.blog21.fc2.com/blog-entry-41.html" target="_blank" title="小金井発! 芸術文化を書くこと/伝えること ブログ">…続き</a>

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著者プロフィール

1954年生まれ。中学生の時に大杉栄や伊藤野枝、林芙美子を知り、アナキズムに関心を持つ。大学卒業後、PR会社、出版社を経て、84年、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊。聞き書きから、記憶を記録に替えてきた。
その中から『谷中スケッチブック』『不思議の町 根津』(ちくま文庫)が生まれ、その後『鷗外の坂』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『彰義隊遺聞』(集英社文庫)、『「青鞜」の冒険』(集英社文庫、紫式部文学賞受賞)、『暗い時代の人々』『谷根千のイロハ』『聖子』(亜紀書房)、『子規の音』(新潮文庫)などを送り出している。
近著に『路上のポルトレ』(羽鳥書店)、『しごと放浪記』(集英社インターナショナル)、『京都府案内』(世界思想社)がある。数々の震災復興建築の保存にもかかわってきた。

「2023年 『聞き書き・関東大震災』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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