田中小実昌エッセイ・コレクション 1 (ちくま文庫 た 41-1)

著者 :
制作 : 大庭 萱朗 
  • 筑摩書房
3.08
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本棚登録 : 49
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480037411

作品紹介・あらすじ

飄々とした人柄と軽妙な文体で、没後もなお人気を集める作家田中小実昌(通称コミさん)の、長らく入手困難だった作品を中心に編まれたエッセイ・コレクション。第1巻は、自分自身について、作家・友人たちとの交遊、家族との生活、女性たちとの色っぽい関係などを扱った作品を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 呆れてしまった。拍子抜けした、と言っても良い。難しいことなどなにも書かれていない。著者は海千山千を潜り抜けて生きて来た東大哲学科のインテリだが、書かれているのは女性のことばかり。どんな女性に笑われて、どんなエッチをして来たか。あとは酒だ。でも、酒豪や性豪というわけでもなさそうだから困ったものである。コミさんはきっと、「少年」だったのだろう。性差別的な言葉は使いたくないが、フェミニンな感受性を備えていた人、とも言える。だから、タフネスもなければマッチョイズムもない。尖ってもいない。まろやかな文体がクセになる

  • 新宿ゴールデン街の住人、酔客、女性陣、作家、家族、小実昌さんが関わりを描く事で、小実昌さんの人間性が浮かび上がる。本質を捉えて本音で生きた人だった。

  • このエッセイを読み終わったその日に、このエッセイでも語られていた野坂昭如氏が亡くなられました。だんだん個性的な作家がいなくなって、淋しい気持ちでいっぱいです。コミさんは日頃は脱力感漂う酒飲みのおじさんといった感じなのですが、時々語られる哲学的な言葉にハッとすることがあります。その落差が良いのです。 野坂氏も破天荒な言動で、ときの人になられたこともありますが、その本質は優しい正義のひとであったように思います。マスコミに媚びない硬骨の文士よ、現れよ!

  • いつもの小実昌さんの雑文だが、実は哲学的命題が随所に散りばめられている、のかな?と思わせられるような楽しい?本なのですね。

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著者プロフィール

田中小実昌(たなか・こみまさ):1925年~2000年。小説家、翻訳家。戦後、復員後、東京大学中退。テキヤ、バーテンダーなど様々な職業を経て、小説家、翻訳家となって活躍。無類の映画好き、酒場好きとしても知られる。

「2023年 『ひるは映画館、よるは酒』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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