ウルトラマンの東京 (ちくま文庫)

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著者 : 実相寺昭雄
  • 筑摩書房 (2003年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480038043

ウルトラマンの東京 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ウルトラシリーズのファンにとっては興味深々の本でしょう。あまりウルトラシリーズを見ていない東京お散歩ファンの私にも、結構楽しめます。少し意外だったのは、実相寺昭雄が日本的趣味の人だったことです。

  • そうか、ウルトラマンは「東京」なんだ。


    生まれは東北なんだけれども親の仕事の都合で転勤が多く、
    もの心ついたときにはすでに関東を基盤にして大学も就職も東京ということで、
    まったく違和感なく受け容れていたけど確かに、ウルトラマンは東京うまれの
    東京育ち、なのだった。

    日本の象徴、といえば富士山だったり芸者だったりするかもしれないが、
    怪獣と対峙するのは科学(科学特捜隊とか警備隊)だから、技術の象徴である
    東京タワーやタンカーが狙われなければならなかったのだろう。

    翻って考えると、宇宙からやってきた怪獣は、
    強くかつ超越した存在で卑小に見えるわけにはいかない。
    実相寺氏が本の中で、100メートルを超える高層ビルが建ち並んだ街で
    怪獣がヒーローと組み合うとなると人間とのバランスが非常に悪くなる、
    だからもう、都会に怪獣が現れることはなく今後あり得るとしたら、
    広いそらのある、田舎の50万人以下の都市になるだろうと書いていた。

    そうか、確かに人間目線で表現した場合、ビルを並べて迫力がある造形となると、
    どうしても人間が見上げる形になり、カメラワークはその形で固定されてしまうだろう。
    とするならばダイナミックな乱闘シーンは見えづらい(俯瞰して見えないため)。
    しかもそれだけの強大な敵に相対する武器を想定すると、
    都市に現れた怪獣を科学的に排斥するには、
    そこの地域住民を全員見殺しにせざるを得ないだろう。

    平成のヒーローが(アニメは別として)強大な敵と相対するのではなく、
    基本的には等身大のストーリー展開で話を進める方がポピュラーなのもうなづける。
    襲われる都市もたいがい、架空の「どっか関東圏」である構図は必然だったのだと理解。
    しかも今、個人情報保護とかいろいろあるしね、現存する人物や場所は出さない方が無難なのでしょう。

    たしかに今のヒーロー筆頭の仮面ライダーシリーズも、ライダーの能力を、
    その必殺技や変身に注力していた昔から現在は、むしろ能力と設定に重きを置いている。
    今放映中のウィザードはそのままの「魔法使い」設定、
    一個前のフォーゼは「宇宙で活躍できる高校生」
    その前のオーズはコインの並べ替えで自らの能力を変えられる設定、
    その前のダブルは2人の合体のライダーだった、のように。
    しかもキャラクタービジネスががっつり意識されていて、必殺技や変身の際には、
    必ずなにかしらのグッズが関連して商業展開もばっちりだ。


    ‥なんて書き散らしてすいません、でも、半分以上思い込みなんですけどね。

    ブログの難しさと自由度はでも、そこにあると思っている。
    お金をもらっている訳ではないので、人を意図的におとしめない限りは、
    表現の自由という憲法に守られた表現空間な訳だから。
    だからといって線を引いたり思わぬ所で人とぶつからない訳ではないが。
    でも、いたずらに卑屈にならずに、スタンスだけは考えてゆこうと思う。

    時々あたしだって、うーんと思わない訳ではない。
    でも、例えばね、フランスの哲学者、あのドゥルーズでさえ、
    自らの著作物の表現についてクレーム受けたりしている訳ですよ。
    (アラン・ソーカルから『知の欺瞞』において、
    数学的概念の用い方が正確でないと批判された)
    そのクレームをしたソーカルさんも、あまりに世の中にまがい物の解釈がはびこっているのw危惧して、著名な雑誌に意味のないでも、すっごく意味ありげな論文を送ってそれが掲載されるや、ほれみたことか!って大騒ぎをする、なんとも凝った意地悪なお茶目さんではあるんですけど。

    おっと話がずれました。

    というわけであたしがいいたかったのは、楽しく批判も批評も意見も言って、
    それで誰かの気持ちに熱がつくとしたら、その化学反応を楽しみたいなってことです。
    もちろんいわれあるクレームは自分の肥やしとしてしっかり反省もして。

    つーことでこのブログ記事も、思い込みで書き散らしてるし間違いもあると思いますが、
    ご容赦くださいませみなさま!ということで、おしまいです。
    あれ、じゃなかった、ウルトラマンは「東京」のシンボルであり、
    もうアニメ以外では都心では戦わないかもよ、
    都市空間の変貌はスーパーヒーローにも影響しているのだね、
    という内容でした。以上、東京からお送りしました!

  • 古きよき東京への讃歌。おそらく現存していないのであろう、写真は数えるほどしか使われていない。それを補ってなお余るほどの味のある挿絵が効果的に挿入されている。
    ゴジラが都庁の前で戦ったら小さく見えたと言う感想が印象に残った。確かに東京だと大きな建物だらけだ。ロケの場所も地方にせざるを得ないのかもしれない。そういえば最新のウルトラマンでは宇宙人も気を使って立川で暴れてたっけ。

  • 実相寺昭雄。
    この人の名前を知らなくても、この人のメガホンで撮られた映像は
    多くのかつて子供だった人の心に突き刺さっているはずだ。

    スプーンとベータカプセルを間違えるハヤタ隊員。
    街の中でひたすら眠るガヴァドン。
    ウルトラ水流を受け、くずおれるジャミラ。
    ちゃぶ台を挟み向かい合うモロボシダンとメトロン星人。
    ロボット長官が目を外したときの顔の中の機械。
    最近で言えば、桜吹雪の舞う中舞台で戦うウルトラマンティガとマノン星人や
    この星には侵略する価値もない、と地球を後にするメトロン星人と
    それをただ見送るウルトラマンマックス・・・

    ウルトラシリーズをはじめ、多くの作品で異質な映像や異質な物語を生み出してきた
    氏のウルトラシリーズを中心とした、かつてのロケ地の記憶をたどる旅。
    氏の仕事だけでなく、氏の愛してきた鉄道についてもかなりのページが割かれていたり
    スタッフとの思い出や当時の社会環境なども織り込まれていて
    ウルトラファンにはたまらない1冊と言ってもいいと思う。

    そしてこの本には、高度経済成長で失われたかつての東京への郷愁が溢れている。
    戦争の焼け野原から復興し、大都会へと変貌していった東京を
    なぜ怪獣たちは壊していたのか。
    それは、かつての東京を取り戻したい、という思いの表れだったのだ、と。
    いかに高度成長が日本の風景を破壊してきたのか、ということが
    戦前の東京を知る世代にとっては特に深い傷になっていることも伺われる。

    そして文中に織り込まれる氏の絵の味わいが、その郷愁を我々にも伝えてくれる。
    メトロン星人とともに星へと帰ってしまった氏は、宇宙から変わり続ける東京を
    憂いに満ちた目で眺めているのだろうか。

  • 9月22日読了。ウルトラファンにとっての「神」、実相寺昭雄がウルトラシリーズ撮影時のロケハン・ロケ地の思い出を語る書。著者自身が自覚するとおり「老人の繰言」に過ぎないのだが、特に円谷プロ・東宝の撮影所があった世田谷近くの変わってしまった景色・変わらない景色について多く触れられており興味深い。焼け跡の東京にノスタルジーを抱いても詮無いことだが、街中を市電が走り回り日本橋の上に空が広がる東京、という現代もありえたのかもしれないな〜などと思ってみたり。

  • その時の匂いが漂ってくるような一冊です。ロケーションを巡る旅。


  • 失われた東京を「ウルトラマン」で記録されている映像を参照しながら再現していく好著。
    どこのシーンがどこで撮影されたかという興味も大。「失われた街」で赤坂・新坂町にあった吉川英治の屋敷を使っていたとは知らなかった。
    ただ、かつて「無常」を京都で撮っていた頃の著者は東京を嫌っていたことは知っておいていい。

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