怪奇探偵小説名作選 (9) 氷川瓏集―睡蓮夫人 (ちくま文庫)

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著者 : 氷川瓏
制作 : 日下 三蔵 
  • 筑摩書房 (2003年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (451ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480038364

怪奇探偵小説名作選 (9) 氷川瓏集―睡蓮夫人 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 筆名通りの文章を書く人だった。玲瓏とした氷。
    青白く冴え冴えと輝く氷輪を思わせる。それでいて時おり、鮮烈な色香を匂わせ、音色を響かせ、色彩を流している。

    この作品集に登場する女たちは記憶の淵に、窓ガラスの向こうに、絵画の中に、霧雨の先に、夜の涯てにいる。濡れたような燐光を放つ婉艶な蝶の翅を持っており、ゆらゆらと燃え立つ陽炎みたいに現れては消え、追跡者を幻惑する。
    けれども、男は追いかけているのではなく、女に引き寄せられているのではないだろうか。淋しさに心を巣食われた女が男を呼んでいるのではないだろうか。女の胸に飛び込んだ男は冷ややかな翅に包まれ溺れてしまう。夢と現を、彼岸と此岸を往き来するが、こちらに戻れるかどうかはわからない。

    すこぶる好みの怪奇・幻想作品集。【乳母車】は青の妖しさに取り憑かれ繰り返し読んだ。

  • 「乳母車」が幻想小説の白眉として割と有名な作品かな?
    とても寡作な方だそうで。

    確かに雰囲気のある作風ですが、
    いかんせん、読み進むとパターンというか
    小道具が重複するものが多くて・・・
    女性なんか皆おなじようなキャラクターだし。
    あんまり時の流れで風化しないジャンルのはずなのに
    微妙に古臭さを感じるし。
    寡作もむべなるかなあ。

    ただ一作、「窓」が拾い物。
    プロットに展開に伏線にまったくムダがなくて
    結末にきっちり焦点が合ってて、素晴らしい。
    阿部昭のよくできた短編のような味わいでした。

    あと、どうでもいいことで・・・
    「陽炎の家」に出てきたんですが、
    モーツァルトのピアノソナタに ト短調ってありましたっけ??ご存知の方、教えてくださいな。

  • 面白かったー。

    ちくま文庫の「怪奇探偵小説名作選」第9巻。
    このシリーズの中でも、私が好きな方向性の作家ですわ。
    鬱々とした耽美が売りなのかなーと思えば、最後にニヤリとさせたり、サスペンス風だったり。

    図書館で借りたのだけど、これは買おうと思います。

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