バートン版 千夜一夜物語 4 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (617ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480038449

感想・レビュー・書評

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  • -カマル・アル・ザマンの物語
    --ニアマー・ビン・アル・ラビアとその奴隷娘ナオミの話

    -アラジン・アブ・アル・シャマトの物語

    -タイイ族のハティム

    -ザイダーの子マアンの話

    -ザイダーの子マアンとバダウィ人

    -ラブタイトの都

    -ヒシャム教主とアラブ人の若者

    -イブラヒム・ビン・アル・マーディと理髪外科医

    -円柱の多い都イラムとアビ・キラバーの子アブズラー

    -モスルのイサアク

    -掃除夫と上﨟

    -いかさま教主

  • 【カマル・アル・ザマンの物語】頑として結婚を承知しない王子はシャーリマン王に幽閉される。この王子を見た魔女神マイムナーは魔神ダーナッシュの言うシナの国の同じく結婚を断り幽閉されたブドゥル姫とどちらが美しいか勝負することにする。姫を王子の横に寝かせ、ふたりとも同じくらい美しいので当人同士惚れた方が負けと決め、姫が寝ている王子に接吻したのでマイムナーの勝ちとし、姫を元の場所に連れて帰る。起きるとお互い惚れ合った姫と王子だが相手はなく、王子は病気に、姫は発狂し鎖にくくられた。姫の乳兄弟であるマルザワンは姫の病をなおすものを探す旅に出る。溺れているところを王子の大臣に助けられ王子が探し人であることを悟り王子に姫のことを語った。体力が恢復した王子にマルザワンは狩猟に行くと言って姫のもとへ行こうと提案し、王に一晩だけと約束し旅に出る。マルザワンは砂漠で馬の血で王子の服を汚し不慮の事故に見せかける工作をする。ガ―ユル王国につくと王子に占星家を名乗らせ、姫に手紙を渡す。姫の病は癒え王子も身を明かし祝宴が催させる。王子はシャーリマン王のことを思い煩い姫と旅にのぼることに。道中の夜、姫の下袴に結ばれた宝石の子細を見ようと外に出たところ鳥に奪われ、それを追うが十日目見失う。見知らぬ拝火教の地の庭園で働くことに。姫は王子がいなくなったことに気づくと身を守るため王子のふりをし、奴隷女に自分のふりをさせ旅を続け、黒い都のアルマヌス王に見初められハヤット・アル・ヌフス姫と婚礼することに。政事は公明正大だがアル・ヌフス姫を抱かないので三日目、アルマヌス王にこのままだと追放されると告げられ、ブドゥル姫はアル・ヌフス姫に身の上を打ち明け、アル・ヌフス姫はかわいそうになり、床入りしたふりをした。王子はある日鳥の死骸から妻の宝石を見つける。翌日いなごまめの木の根もとから揚蓋があらわれ、古い地下室を発見する。庭番に黒い都へ行く船が出ることを教えられ、地下室の黄金の半分、妻の宝石、橄欖の実を革袋に詰めた。庭番が容態を悪くし、船に革袋を積み終わったところ、庭番が臨終してしまう。死骸を埋葬すると船は出てしまっていた。ちょうど黒い島に着いたガレー船からブドゥル姫は橄欖の実を全て買い取り、そこから黄金、宝石を発見する。船長と家来に橄欖の実の持ち主を取り立てよと命じ、王子をつれてきて、奴隷兵や宦官や金銀財宝を与え内蔵頭に任命した。王子はブドゥル王がこんなに自分を重んじてくれる理由が分からずよからぬことを企んでいるかと思い暇乞いをする。恩寵の理由として、王が美しくいとしく思うからだと言う。肌を許せばもっと重く用いると言われ、王子は辞退を乞うも逃れる手段がないと観念し一度の約束で王の私室にはいる。そこでブドゥル姫が身を明かし、ふたりはお互いの一部始終を打ち明け在る。アル・ヌフス姫とアルマヌス王にも打ち明け、王子はアルマヌス王にアル・ヌフス姫と結婚を乞われ、ブドゥル姫も賛成し、結婚した。やがて上はブドゥル妃の子アムジャッド王子、下はアル・ヌフス妃の子アスアド王子が生まれる。やがて因縁かブドゥル妃はアスアドを、アル・ヌフス妃はアムジャッドを狂おしく恋い慕い、それぞれ文をしたため王子に送る。ふたりの兄弟は怒り不貞な女を呪ったが、父が妃を殺してはたいへんだと内密にすることにした。それぞれ妃は姦計をめぐらし王に王子に強姦されたと言う。王はまにうけふたりの王子を殺そうとし、アルマヌス王に言われふたりを砂漠で斬り殺させることに。内蔵頭が抱き合ったふたりを殺そうとしたとき、馬が逃げ出したので内蔵頭は険をほうり出し馬を追いかけた。アスアドの縄がとけたのでふたりで馬と内蔵頭の後を追うと獅子に襲われている内蔵頭がいたので獅子を険で倒した。内蔵頭は獅子の血で王にふたりを殺したことにすると言いふたりを逃がす。ふたりの王子の対句を聞いた王は無実の罪を知り泣く。死にそうになりながら旅をしていたふたりは都を見つけ、近くに行くとアスアドは兄を残し偵察へ向かう。老人にだまされ地下牢へ入れられる。アムジャッドは弟が帰らないことを嘆きながら町へ入り拝火教徒の手に落ちたなら二度と会えないと言われる。回教徒の仕立屋のもとで職人になる。ある日見目麗しい女に誘われるが、恥ずかしくて主人の仕立屋の家にはいけないので、知らない立派な門の家のところに腰をおろし鍵をもっている白人奴隷を待っている、というも、待ちきれない女は閂を壊してしまう。中にはすばらしいごちそうが用意してあったが、アムジャッドは気が気でない。そのうち主人のバハドゥルが帰ってきて、アムジャッドと視線を合わせる。バハドゥルが合図したのでアムジャッドは抜けだし一切を打ち明けると、バハドゥルは気の毒に思い言うとおりにすれば命を保証するという。白人奴隷のふりをしたバハドゥルに女は強く打擲し、寝込んだ彼を斬り殺すと言って聞かないため、アムジャッドは彼女を斬り殺す。バハドゥルは死体を処分しようとするも見つかり絞首刑とされ、それを聞いたアムジャッドが自分がやったと名乗り出て王に一切を語り、王は彼を許し大臣にする。アスアドはバーラムに船に乗せられ回教徒の国マルジャナー女王に気に入られる。女王はアスアドを気に入り無理矢理連れて行ったので、夜になり出航のとき、庭で酔って寝ていたアスアドを見つけたバーラムは彼を取り返す。女王が彼を追って船を出したのでバーラムはアスアドを海に投げ込む。アスアドは岸にたどり着き兄が大臣の都の墓地で眠る。そこでバーラムにつかまり牢屋へ入れられる。バーラムは娘ボスタンに世話させるが、娘はアスアドに恋し改宗する。娘はアムジャッドがアスアドを探していると知りふたりは再開する。王はバーラムを絞首刑にするよう言うがボスタンの献身を訴えバーラムが改宗することで許される。
     【ニアマー・ビン・アル・ラビアとその奴隷娘ナオミの話】ニアマーとナオミはひとつのゆりかごで育てられ12で結婚した。副王は教主に捧げるため老婆を使わし騙して教主のもとへ連れられる。病気になったニアマーは医者アル・ラビアに連れられダマスクスに来て彼の倅の振りをする。医者が評判になるとナオミ付きの老婆がたずね彼女のための薬を買う。そこにニアマーは文をつけナオミも彼の存在を知る。老婆はニアマーに奴隷女の格好をさせナオミの部屋へ行くようにするが部屋を間違え教主の妹の部屋へ行く。妹に男であることがばれ正体を明かすと妹は教主に取りはからい許しを得、クファに帰る。
    マルジャナー女王がアスアドを探しに攻めてきたのでアムジャッドは一切を説明する。ブドゥルを探しに来たガーユル王が攻めてきたのでアムジャッドは母の父と知り、一切を説明するとガーユル王は父との仲を取り持つと言う。カマル・アル・ザマンが攻めてきたのでふたりの王子と会うと涙を流す。さらにそこへシャーリマン王がカマル・アル・ザマン王子を探しに来て再開する。アスアドはマルジャナー女王と結婚し、カマル・アル・ザマンは彼に王位を譲り、アムジャッドはボスタンとめあわせガーユル王が王位を譲った。

    ‥‥とかいい加減あらすじメモっていたけどもいいかげんばからしいのでやめる。筋があるわけでなく、また読んだ方が面白いものをめもすることもなかろう。

    男色はコーランの教えに反するのかな、でもところどころ主人公が男に迫られる場面があり、面白い。美しい主人公を女性のように描写する書き方は東洋的なものなのかしらん。
    カジュアルにSM女王様が登場する。というか、性に本当にまあ幅広い描写の数々。あきれながら笑っちゃいます。

  • 読書日:2015年6月27日-7月3日
    前半と後半のドゥニャ姫とズバイダー妃は同一人物なのかが気になります。

    それぞれ異性を毛嫌いしていた王子と王女の話は感動したり、やきもきしたり、もどかしかったりと気分の浮沈が激しかったです。
    思い通りに事は運ばないと感じました。

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著者プロフィール

大場正史
一九一四(大正三)年、佐賀県生まれ。本邦初の『バートン版千夜一夜物語』の完訳を遂げたほか、外国文学、性風俗をめぐる多数の著書・訳書を遺した。一九六九年没。ほかの訳書にサド『ソドムの百二十日』、ヴァーツヤーヤナ『カーマ・スートラ』など。

「2022年 『戦争か平和か 国務長官回想録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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