- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480039071
感想・レビュー・書評
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古本屋で目に留まり、何気なく手に取り、そに流れで購入した本。良い歴史、悪い歴史、良本、悪本それは別にして日本の1時期の歴史の真実が書かれている貴重な資料。
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売春に関わった人々へのインタビュー集。
・浅草の銘酒屋=私娼街。銘酒屋という名称とあわせ、「新聞縦覧所」という名称も使われていた(p26)変遷時期ははっきりしない。ちなみに本当に名前だけで、新聞は置いていない。
・永井荷風の著作で有名になった玉ノ井が3月9日の空襲で焼かれた後に急遽つくられたのが鳩の町。
・トイチハイチ=レスビアン(p137)
・パンパン屋の語源。食べ物のカンパンや慰安所に語源があるとする説(p152)
・女性の当事者によるインタビューは珍しい(3章、神田千代)。話の時系列が前後したり飛んだり、つじつまの合わない箇所も多いのが、かえっていかにも生きたナラティブと感じさせる。しばしばトイレで中座するくだりは不要だろうに編集でカットしないのだろうか?と思っていたが、「あんまり使い倒して出るのかもしれんのだよ(p229)」という当人の発言。
・若い女性の集まる紡績工場にスカウトが置かれていた(p278)。
・売春防止法成立に至るまでの業者側の抵抗。業者が頼りにしていた政治家として大野伴睦[ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%87%8E%E4%BC%B4%E7%9D%A6 ]の名が見える(p285)。 -
特異な書物だ。
おそらく、他のノンフィクションでは行われるであろうつじつま合わせはここには無い。
小沢はインタビューを通して、人の記憶というものがいかにいい加減か、人証というものがいかにあてにならないかを照らし出している。