- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480041692
感想・レビュー・書評
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*メディアマーカー新着より
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最高の美術史入門書。この講義を実際に受講した学生たちが羨ましい。画家が伝えようとしたことを理解するには、画家がそのイメージにこめた意味や思想を理解することが必要だというお話。
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識字率が低かった時代では、絵画にメッセージが込められていたということ 宗教画は”貧者の聖書”というそうです
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美術史専攻でない学生のための講義スタイルをとっており、基本の基本から教えてくれる本当にやさしい入門書。だからといって退屈はさせない充実の一冊。
美術という訳からもわかるように「美」の先行する日本における芸術観。それに対し、読み取れる意味が重要な西欧の芸術。
ラッファエッロの死をもってルネサンスの終わりとなる。
1585年頃にマニエリズムが終わって、次はバロック。
ルイ14世の死をもってバロックの終わりとなり、そして啓蒙/ロココ。
「インテリであっても、バロックとルネサンスとどっちが先がわからない人がいますが、日本の中ではかまいませんが、ヨーロッパに行ったときには笑われてしまいます」
西欧では芸術が生活に自然と密着している。
知らないことは学ばなければならない。
白黒の図版が見づらく、若桑氏が注目してほしい箇所がわからないものがあったのが残念だが、得るもの多き良いお話。 -
美術史を生きよう。
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ダヴィンチ・コードに触発されて手にとりました。
わかりやすい&読みやすい&面白い -
同著者の他著と内容がかぶる けど分かりやすい 図像学の入門として いい
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(2003.09.30読了)(1999.12.25購入)
<ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画の読み方がわかる>
絵画を見るときは、絵そのものと向き合って、巧みだとかきれいだとかといったことですむものと、時代背景や書いてあることの意味を読み解いてより深く鑑賞するという方法が必要なものとあるかと思います。
この本は、図像解釈学に基づいて、ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画、レオナルド・ダ・ヴィンチのモナ・リザ、デューラーのメレンコリア?、ジョルジョーネのテンペスタの4点について読み解いたものです。
大学で学生に講義したものを元に書かれたもので、図版も多くわかりやすくなっています。図版がカラーでないのが残念です。
ミケランジェロの天井画の中に「ノアの洪水」の場面を描いたものがあります。ここには、三つの場面が描かれており、一つは、箱船です。二つめは、岩の上にテントが張ってある場面です。三つ目は、大きな大地に家財道具を持ったり、子供を連れた人たちが登ってくる場面です。
フレデリック・ハートという人の解釈によると、箱船は、カソリックの教会を意味し、テントは、ユダヤ教会、大地の人々は異教徒なのだそうです。
ユダヤ教会も異教徒も滅び、カソリックだけが生き延びるということだそうです。若桑さんの解釈はさらに進んで、別の解釈を提示します。
レオナルド・ダ・ヴィンチの新しさは、何か?
レオナルドの描いた最初の絵は、ウフィツィ美術館にある「キリストの洗礼」だそうです。先生のヴェロッキオの絵の左側の天使がレオナルドの描いたものということです。レオナルドの天使を見た先生は、生涯の筆を折ったそうです。れなるどの絵には、姿、外形のみでなく感情が表現されているのです。それ以前の絵にはないものです。瞳は輝き、唇は声を発しているように見えます。と、若桑さんはいいます。図版を見るとそのことが納得できます。
ルネッサンスの時期の絵画が好きな方にお勧めです。
☆関連図書
『絵画を読む』若桑みどり著、NHK人間講座テキスト、1992年
『ミケランジェロ ヴァティカン宮殿壁画』嘉門安雄著、講談社、1981年
『若き日のミケランジェロ』田中英道著、講談社、1980年
『ミケランジェロ』辻成史著、新潮美術文庫、1975年
『ミケルアンヂェロ』羽仁五郎著、岩波新書、1939年
『レオナルド・ダ・ヴィンチ』田中英道著、講談社学術文庫、1992年
『レオナルド=ダ=ヴィンチ鏡面文字の謎』高津道昭著、新潮選書、1990年
(「BOOK」データベースより)amazon
ミケランジェロの宗教画。ダ・ヴィンチのモナ・リザ。デューラーのメレンコリア。ジョルジョーネのテンペスタ(嵐)。世界の名画のなかでもとくに謎にみたちこれらの作品を手がかりに、謎の秘密をさぐる。絵画に描かれた多くの思想や意味を、あざやかに読み解く楽しい美術史入門。