沈黙の宗教-儒教 (ちくまライブラリー 99)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480051998

感想・レビュー・書評

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  • 私の死生観は、私が自分の経験から築き上げたものではなく、北東アジアの人々が太古の昔から培ってきた儒教的な先祖祭祀に見られる、「生命の連続」という死生観に包まれて発したものだということを知らしめられた、私にとって宿命的な本です。

    個人的なレビューで、本当に申し訳ないです。

    合理主義、唯物史観、グローバリズム、、、人間の命や死者の存在が簡素化無化されていくこの時代に、日本人にとって、なぜ仏壇が必要なのか、なぜ位牌が必要なのか、なぜ墓が必要なのかを説いた1冊。

    保守系とか、民族主義とか、そういう狭いくくりで読まないでいただきたい。
    何よりも疑うことのできない事実は、幸か不幸か、私たちは私たちの両親から生まれ、その両親もその両親から生まれているという事実。そんな死者たる先祖を祭祀や供養という形で肯定することは、私自身を肯定するに他ならないのです。

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著者プロフィール

1936年大阪生まれ。京都大学卒業。文学博士。大阪大学名誉教授。専門は中国哲学史。著書に『論語 全訳注 増補版』『漢文法基礎 本当にわかる漢文入門』以上講談社学術文庫、『儒教とは何か』中公新書、『ビギナーズ・クラシックス中国の古典 論語』角川ソフィア文庫ほか。

「2022年 『角川まんが学習シリーズ まんが人物伝&まんがで名作 新しいお札の顔!近代日本の偉人セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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