スポ-ツを考える: 身体・資本・ナショナリズム (ちくま新書 47)
- 筑摩書房 (1995年10月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480056474
感想・レビュー・書評
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近代化によってスポーツが誕生した歴史を振り返りながら、記号論を頼りにスポーツを捉え直す試みだと読んだ。
一部読み切れなかった部分(主に身体についての章)もあったが、大衆、性差、ナショナリズム、資本主義とスポーツの関係についてとても面白く読んだ。
ただ、多木があとがきで白状している通り、「問題提起以上に到達していない」と感じた。
しかし、多木浩二の形作った議論の枠組みは、刊行から30年ほど経過した現在でも驚くほどに陳腐化していない。
国家予算規模ともいえる選手の年俸の高騰、シティフットボールグループに代表される本来は街のクラブであったはずのサッカークラブの世界進出、SNSとスポーツ、女子スポーツのさらなる普及など、現在、スポーツは更に変化している。
本書での議論を引き継ぎ、スポーツは何かを考えさせる著作があれば読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
11 身体技法:教育をからだの次元から考える[石岡丈昇先生] 3
【ブックガイドのコメント】
「日本語で読めるスポーツ論ではいまだ最高峰の著作。からだと社会的秩序の関係も卓抜に整理されている。」
(『ともに生きるための教育学へのレッスン40』68ページ)
【北大ではここにあります(北海道大学蔵書目録へのリンク先)】
https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2000856451 -
現代社会において、スポーツが政治的な力学のなかで読み解かれるべき対象であることを、さまざまな事例とともに論じている本です。
イギリスにおけるスポーツマンシップの形成と、スポーツがアメリカナイズされていく過程をたどり、国家や資本主義との結びつきのなかでスポーツが現代社会においてその特有の位置づけを獲得することになったことが明らかにされています。
個々のスポーツにかんして立ち入った考察がおこなわれているわけではありませんが、スポーツの記号論的分析のための見取り図をおおまかに示した本といえるのではないでしょうか。 -
スポーツの社会的役割、原点、時代による変遷、新たな文化など、スポーツをテーマにとことん掘り下げている。私がこの本を手に取ったのは、ふと「人はなぜスポーツをするのか」ということが疑問に思ったからだ。スポーツが人々や社会に与える影響から、その答えは出そうである。そして今や、男女差の消滅という地点にまで来ているようだ。今までの歴史、そしてこれからのスポーツからも目が離せなくなりそうだ。
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非常に分かりやすい問いの立て方をしており、読みやすい。
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凄く面白い。自分のやりたいことの半分くらい書いてある。
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スポーツというものは何か。その根本を考える上で大変役に立った。
オリンピック創成期、このころのジェンダー、目的や大切とされていたもの、そしてアリエスの金言など当時の歴史背景も考慮しつつ、
現代のスポーツ観に焦点を当て書かれている。
私のようなスポーツ学科生は一度読んでみると良いと思う。 -
[ 内容 ]
近代スポーツはなぜ誕生したのか?
スペクタクルの秘密は何か?
どうして高度資本主義のモデルになったのか?
スポーツと現代社会の謎を解く異色の思想書。
[ 目次 ]
序章 方法としてのスポーツ
第1章 近代スポーツはなぜイギリスで生じたか
第2章 近代オリンピックの政治学
第3章 スポーツのアメリカナイゼーション
第4章 スポーツの記号論
第5章 過剰な身体
第6章 三度目のスポーツ革命―女性の登場
第7章 スポーツの現在
終章 理想は遠くに
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
題名からしてって感じですが、とても深い内容の本だなーと、思いました。スポーツって一言にいっても、いろんな歴史があったり、いろんな思想があったりして、「自分がいつも何気なくやっているスポーツって、実はこんなに深い考え方があったんだ…。」と、感心しました。スポーツについて、うわべだけではなく、その本質まで深く知りたい人や、また逆に自分のように単にスポーツが好きという方も、読んでみたら案外おもしろいかもしれません。