フェミニズム入門 (ちくま新書 (062))

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著者 : 大越愛子
  • 筑摩書房 (1996年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480056627

フェミニズム入門 (ちくま新書 (062))の感想・レビュー・書評

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  • 序論的な位置を占める第1章の「フェミニズムの快楽」と、フェミニズムの諸潮流を明快に整理した第2章、日本におけるフェミニズムの展開を追った第3章、フェミニズムの主要トピックを解説した第4章から成る。

    全体的に手堅い入門書という印象の本。第2章「フェミニズムの潮流」はかなり切り詰められているが、第3章「日本のフェミニズムの展開」は、新書サイズの入門書としてはかなりていねいに解説されていると思う。

    戦前の日本におけるフェミニズムでは、平塚らいてうや高群逸枝の本質主義的傾向が、国家的使命を掲げる女性原理へと回収されていったことや、女性による平和や連帯を唱えて現実の階級差別や侵略戦争を隠蔽する彼女たちの言説を批判した山川菊枝の立場について触れられている。他方で、平塚という存在が、共同性の中に埋没していた女性たちの情念を言説化してゆく中心としての役割を担っていたことにも触れている。

    一方、戦後の日本におけるフェミニズムについては、ウーマン・リブ運動が男性中心的な性と愛の批判をめざしながら、男性原理を内向させていた自己の解剖へと内面化していたことが解説される。また、80年代に記号論的なマルクス主義フェミニズムを謳い上げた上野千鶴子の活躍の背後で、現実の中で進められた高度管理社会の権力作用の解明が置き去りにされてしまったという、著者自身の批判も提出されている。

  • ▼僕は基本的に「善か悪か」の二元論は信じないようにしている。だから「男か女か」的発想に基づくフェミニズムも、訝(いぶか)しんでいる(その点は、筆者も同意見のようである)。
    ▼紹介されていた“理論”の形容のされ方、言い回しは、センセーショナルなものが多かったものの、その内容(=理論構成)は、不鮮明なものも多く見られたように感じた。結局「**でない」と主張するためには、先立つ**が必要で、結論は相対的にならざるを得ないのである。
    ▼また、フェミニズムという衣を纏(まと)った人権[人道]アプローチの危険性も看過すべき問題ではない(もっとも、この問題は広く一般的である)。私たちの考えている“正しさ”が、彼女(彼)らが本当に求めているものであるのか、常に自問し続けていく努力が大切だろう。
    ▼平等であることが、常に公平であるとは限らない。公平であることは、時に不平等なのである。そのために必要な違いは、むしろ積極的に認めても良いのではないだろうか。その勇気が、マッチョ[macho]なフェミニズムを超える、新たな社会を築く原動力になるのだと信じたい。

  • フェミニズムを行う女性の感情が分かる本。感情的に書かれた文章を読むのは好きではないが、既存の価値観に対する著者の思いは伝わった。既存の価値観・社会が持つ問題を明らかにし、それについて女性たちがどのようにアプローチしてきたかが分かる本。

  • [ 内容 ]
    男性の、男性による、男性のための思想体系がいかに虚構と欺瞞にみちているか。
    フェミニズムの問題提起によってなんとあっけなく揺さぶられるものにすぎないか。
    近代主義から近代批判、イリガライやクリステヴァなどのポスト・モダンに至るまでのフェミニズム思想の破壊力の変遷をたどりつつ、さらにリプロダクション、性暴力、国家と性など最も現代的なテーマに果敢に挑戦する。
    現代の生と性の意味を問いなおす女と男のための痛快なフェミニズム思想入門。

    [ 目次 ]
    第1章 フェミニズムの快楽
    第2章 フェミニズムの潮流
    第3章 日本のフェミニズムの展開
    第4章 フェミニズムの理論的挑戦

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    [ 参考となる書評 ]

  • 入門とか言いながら、専門用語を解説なしで使っちゃってるのはどうなのよ…。
    内容も手軽に読める系の本というよりは専門色が濃い感じ。
    けれどある程度フェミニズムに興味が湧いたという方にはかなりオススメします。
    フェミニズムの細かい分野や、歴史が多少難しいながらもわかりやすく解説されています。

    フェミニズムの深遠な世界が垣間見れる感じかな。フェミニズムって女性のためのものというよりは人間のためのものであり、性の社会学というものは考える程に解らなくなってくる。というのが感想。

    こうなってくるとジェンダーなんて実は人間が自分勝手に決め付けた下らない約束事なんじゃない?とか思ってくるのではないでしょうか。(私は常に思ってるけど。)

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