自分プレゼン術 (ちくま新書 264)

著者 :
  • 筑摩書房
2.88
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本棚登録 : 260
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480058645

作品紹介・あらすじ

印象に残る人と残らない人との違いはどこにあるのだろうか。一度で決める自己紹介の方法、捨てられない名刺や挨拶状の作り方、必ず通る企画書の書き方、成功する接待・失敗する接待、外国人との交渉法など、二〇年にわたる自身の実践経験をもとに整理し、他人に忘れさせない技術としてのプレゼンテーションのスタイルを提案する。

感想・レビュー・書評

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  • 時間があれば

  • 2000年に発行された本であることを意識しながら読んだほうがいい。

    人生は基本的に(自分の)プレゼンテーションの繰り返しなので、いかに自分をセールスするかを、いやらしくなく、個性を感じさせながら,ソフトに聞き手に伝えるかを教えてくれる内容でした。

    ・自分の弱みをさらけ出す事
    ・相手にインパクトを与える順序で
    ・聞き手がいかに楽しく聴き続けられるか
    を考えて構成すると良い

  • すごい。のっけから、納得させてくる、手腕。
    ひいきのちくま文庫なこともあって、読み進めたけど、
    こういうプレゼンとか営業とかの方?って、コミュ症の自分からすると、
    やっぱり、違和感を覚える。
    かすかな違和感。
    きっと、失敗や、ご苦労を、どれほど挙げられても、ものすごい自己肯定感を、感じてしまうからだろう。勝手に、自分が。
    人種が違うんだろかな。

  • 確か中学校の頃に買いました。私が人生で初めて読んだビジネス書です。
    東京に住んでおらず、社会人でもなく、当然リクルート社員でもないのですが、書いてあることが当時は凄く印象に残りました。
    「こういう、人の印象に残ることが出来る大人になりたいなぁ」「プレゼン上手くなりたいなぁ」と思ったものです。それ自体は間違いじゃなかったと今でも思います。

    ただ、あれから14年経った今読み返すにはとてもじゃないけれど古い。とっくに賞味期限切れです。
    レビューを書くためにザッと読み返してみましたが、端的に「古ぅ……」という感想しか漏れません。

    藤原氏の人間味は読んでいて非常に尊敬出来る部分があるんですよ。ウンチの処理積極的にやるくらい子育て熱心だったり、印象に残るためにあれこれ工夫していたり気を利かせたり……そういうメンタリティーは尊敬出来る。

    ただ、そういうメンタリティーから来る部分をビジネス書の文脈に置き換えたからこそ、この本は良くない。その場では「粋な計らい」だったことが、こうして文章になると途端に「あざとい」。加えて、ビジネス書としては、繰り返しますがOut of dateです。今時この本のやり方でプレゼンが上手くいくか?もうダメです。基本中の基本もありますが、あるところはもうオワコンといった感じ。なおかつ、藤原氏の言う「基本」は、今の私から見ても基本というには古いし通用しない。

    要するに、もっと他に良書がありますし、もっと今現在に合ったやり方の紹介はあります。この本に書いてある内容の領域であれば、例えば「コピーライティング術」等の広告関連のビジネス書になりますか。
    それに比べれば、この本はある意味「こんな風に俺はプレゼンしたぜ!」と言っているだけの藤原氏個人の自叙伝です。正直読む価値ないです。あるいは、読んでもさっさと卒業する本です。

  • 以前購入していたものを再読。
    ホームページやメールのくだりなど、内容的に古くなってしまっているところがあるが、参考になる部分も多い。

  • ・プレゼンテーションは、弱い人間が自分を武装する手段。

    ・私には、有無を言わせず相手を命に従わせる権力や資力や名声や、いかなる権威もなかったから、自分が何者であるかということや、自分あyりたいことぉ、仕事上のパートナーの興味志向や世界観に合わせながら、説明してこざるを得なかった。その意味でプレゼンテーションは「人間が自由になるための技術」だということもできます。

  • p14
    パンチをして紙に凹凸を付ける方法だったから、インターネットのアドレスなど細かい字がつぶれてしまっていた。でも、ぼくの持っている名刺は透明な樹脂の点字が張り付いているもの。紙自体はフラットだから、点字と重なる文字もクリアに見える。

    p16
    インパクトのある名刺をもらったことは数えるほどしかありません。
    その数すくない名刺のひとつが、名刺にあらかじめ罫線が引いてあって、その場でメッセージを入れてくれたもの。これは京都の男性にもらったものですが、そこに日付を入れてくれて「藤原さんと私のいちばん若い日」と書かれていた。カッコいいでしょ。

    p20
    コミュニケーションは挨拶が基本です。挨拶のあと、きちんと名前を名乗ること。「こんにちは。藤原です」と言って、微笑みを交わす。
    これは、外国人の場合でも同じです。そのあとにようやく名刺を交換する。最も理想的なのは、挨拶のあと一通り話をして、必要があれば「じゃあ、連絡先を交換しておきましょうか」というパターン。欧米だとそういうスタイルが多いんです。もっとも近頃では、日本人が名刺交換から商談に入るというのがもう外人にも知られていますから、こちらが握手をしようと右手を出しているのに、向こうがさっと名刺を出してくれるということもありますが。
    それでも彼らは、日本人のように、名刺を席順通りに並べて置いておくなんていうことはしません。手の中でちらっと見たかと思うとすぐ内ポケットにしまってしまう。ミーティングが進み、この人がキーパーソンだなと思ったら、もういっかい名刺を見る。
    「カズか。じゃ、おれはカズだけ覚えておこう」となるわけです。そうして初めて「カズ、あなたはこの問題についてどう思う?」と名指しで聞いてくる。こうなればもう勝ちです。価値がある人だと認めてくれたということです。

    p53
    ベランダ側には勝鬨橋があって、隅田川の向こうは、銀座の街並や東京タワーが見える。夜になるとどれぐらいきれいかは想像に難くないでしょう。このベランダは、洗濯物がやっと干せるぐらいの狭いスペースしかないのですが、その物干し竿を支えるところに、板を渡してカウンターを作った。東急ハンズで買ってきた板を自分でニスを塗って。ハイチェアも四つぐらい並べてバーにしたんです。
    接待に慣れている人は、どこに連れていっても、たいして感動してくれません。だから、接待=どこかに連れ出す、という発想ではインパクトのある演出はできません。独身の人でないと難しいかもしれませんが、家だからこそできる接待をして、印象を強めることはできる。
    接待の演出といっても、飾り立てたり、豪華な料理を用意しなくていい。たとえば、焼き鳥やお好み焼きなんかを近所で買って、家にはビールなどの飲み物を用意しておく。
    勝鬨のマンションでは、よく夕方五時半ぐらいに招待していました。通常は、接待だと七時とか暗くなってからでしょう。五時半と提案すると「エッ、なんで」とまず驚きます。何があるんだろうという期待もある。五時半だとまだ明るいですから、だんだん暮れてきて、ネオンがポツポツ灯されてきたり、高層ビルの赤色灯が点滅を始めたりしてきれいなんです。

    p55
    むろん、だれかれとなく招待しろということではありません。初対面でいきなる招待することは絶対しません。人を選んで、これは!というキーパーソンだからこその方法です。

    p56
    食べ物にしても、接待慣れした人には、フランス料理のようなきちんとしたものや高級なものより、住宅街にある焼き鳥のテイクアウトのほうがいいかもしれない。お金を出せば食べられるものより、ジャンクフードのほうがいい場合もある。
    ここで肝心なのは、自分の土俵に引きずり込むということ。他人の土俵で勝負をしない。たとえなじみのレストランやバーだったとしても、やはり他人がいるわけですし、そのときどきの雰囲気で自分のペースで動かないこともある。やはり、自分の土俵で、その土俵に対してある程度の投資をしておくことが必要です。

    p58
    どうしても家がだめな場合には、自分の家の近くのしょうもないお好み焼き屋だったり、おでん屋などを舞台にすることも考えられます。ただし、店の選択には注意が必要です。
    「こんな、さびれた住宅街まで、何のために呼びつけたのか」と疑問に思われるようなところでは逆効果です。『東京ウォーカー』や『ぴあMAPグルメ』には載らないけど、餃子がすごく旨くていつも行列ができているラーメン屋だとか。自宅の近くにできるだけそういう場を持って、そこに招いてみてください。

    p61 外国人に何を食べさせたら喜ぶのか
    スシ、テンプラ、シャブシャブ、スキヤキ、テッパンヤキ……。もしあなたが接待するお客さんが日本との間を何回も往復しているビジネスマンなら、もうこれらには辟易していると断言してもいい。
    ひとつの方法は、たとえば、もうもうと煙がたってる焼き鳥屋のような安い店に連れていく。日本酒もあればドブロクもというふうに、一通り日本の酒が飲めるような店がいい。
    もうひとつの方法は、どんなにせまい家だったとしても、とにかく家に連れてくること。欧米の人にとっては、家に招かれて奥さんが出てきて、一緒に御飯を食べるってことは最高のもてなしです。

    p62
    ぼくは、外国人を招待する場合は、必ず自分の家に呼んで、一階の六畳の和室を使っています。ものすごく狭い。フィンランドからきたお客さんなどは、腰を曲げて頭がぶつからないように部屋に入ってきたぐらいです。そういう時はテーブルと椅子よりも、和室でも洋室でも椅子を取っ払って低めのテーブルと座布団をセットします。そうすれば天井の圧迫感が減る。
    外国人を呼ぶとなると、奥さんはイヤな顔をするかもしれません。なぜならお客様が常においしい手料理を期待しているとカン違いしているから。でも大丈夫。彼らは基本的に会話を楽しみにきているので、極端な話、何でもいいんです。最初に酒の肴に、日本的なもの、たとえば豆腐に生姜をのせたものだとか、オクラに鰹節をまぶしたもの、キュウリに味噌を塗っただけのものとかを出せばいい。最近の欧米人はヘルシーだということで醤油味を非常に好むようにやってます。しかも外国人が食べている日本食はシャブシャブだったり、スキヤキだったりするので、こういう家庭料理のようなものは意外に知らない。最初に二、三品、酒の肴をちょっと日本っぽいものにして、あとはピザを取ったっていい。

    p70
    外国人にプレゼントするなら、あなたはデパートのどの売場に行きますか?
    ぼくは、二軒のデパートを一階から最上階まで全部まわって困り果てました。その結果選んだのは、塗り物の蓋付汁椀。黒か茶系の地に、少し華やかな金が入っている。柄は花鳥風月、もしくは松竹梅でもいいけれども、少し日本的なテイストが感じられるものです。これに箸をつけて送ったのですが、これは非常に喜ばれました。
    汁椀だとはいえ、外国人流に何を入れてもいいわけで、オードブルにちょっとしたものを入れてお客様に出しても、洋風でも中華風の料理でも、それなりにおさまります。
    日本なら夫婦茶碗のように二組ということが多いでしょうが、ヨーロッパの人だから、二人プラスお客様のカップル用にもう二組ということで、四つのセットにしました。

    こういう時に気をつけなければいけないのは、素材です。

    p71
    ヨーロッパの人などは、と国素材とか、持った感じなどにこだわります。重量感、質感ですね。彼らは子どもの頃から本物をさわってきているから、ものすごく訓練されている。中途半端なものなら逆効果になりかえない。だから、やっぱり"木"の素材を選びました。

    p76 個人のロゴを持とう
    これをデザインした市川英夫さんは、このときドイツ語の「ノイエ」という言葉を教えてくれました。ものすごく古くて伝統のあるものが、溜めに溜めて、最後の最後に新しいものをフッと出してくるというような意味だそうです。そういう表現は日本語にはない。

    最後まで残っていく企業の顔というのは、すごくベーシックで、ある意味では古典的でありながら、ぎりぎりのところで非常に新しい、というのが大事なことのような気がします。

    p79
    個人でロゴを作った場合、もちろん表札や名刺に刷り込んでもいいわけですが、やはり使用頻度の高いのは手紙を含めた文章ということになります。ぼくは、ロンドンとパリで暮らしたときに、家紋のゴム印を持っていきましった。百科事典などから図案をコピーすれば、大きな文房具屋さんかハンコ屋さんで簡単にゴム印を作ってくれます。

    「マイレターヘッド」
    海外へはとくに白色の和紙に金と銀の細かい紙が漉き込まれたものを二~三束買って行った。英語の手紙でも、ワープロを打ったらプリントアウトをして、それに家紋のゴム印を押す。何ページかあれば全部に入れる。

    p81
    この機会に是非調べてみて自分の家の家紋はどんな柄で、どういう由来があるかを知っておいて損はありません。もし調べがつかなかたり、気に入らないのであれば、一番好きなものを選んでもいいし、家紋をヒントに自分でデザインを考えてもいい。

    p113
    こういうプレゼンテーションでは、決めの一言をいうのにどんな"メタファー"を使うかということで勝負が決まります。CDがDVDになったとか、パソコン通信からインターネットになったという例でもいいのですが、新規事業の提案にはとりわけ、ドラスティックな社会変化をメタファーにすることをおすすめします。

    四回頷かせるプレゼンテーション

    p171
    次は、あなた自身を"物語る"番です。

    第一法則「始めよければすべて良し」
    第二法則「プラスだけでなく"マイナスイオン"が含まれていること」
    第三法則「第三者に思わず語りたくなってしまうキーワードがある」

    プレゼンテーションの極意を三つ披露したところで、この章を結びます。

  • 企画案を外部向けにPRする際に再読したい一冊

  • ※自分用メモ

    【出会い】
    ブックオフ新春セールまとめ買い。
    セルフブランディングの参考に。

    【概要】
    いわゆるプレゼン自体というか印象付け戦略の話。
    2000年刊だからウェブ系の話とかだいぶ古い。
    飛び込み営業の話とかPCスキルの話とか接待費の相場とか、リク社っぽいと言っていいのかなんというか。

    ・ウェブでのコミュニケーション、自己表現手段の昨今での目覚ましい深化を考えると、逆に年賀状や手書き表現など、実物的なアピール方法は効きやすいかもしれない。
    ・アナロジーとストーリーづくり。
    ・キャッチは大事。
    ・第三者に語りたくなるようなキーワード、今風に言うところのRTやシェアしてもらえるような話の立て方。

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著者プロフィール

藤原和博(ふじはら・かずひろ)
「朝礼だけの学校」校長。1955年東京生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。メディアファクトリーの創業も手がける。1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003~08年、杉並区立和田中学校で義務教育初の民間校長を務める。2008~11年、橋下大阪府知事の特別顧問。2014年から佐賀県武雄市特別顧問。2016~18年、奈良市立一条高等学校校長を務める。

「2021年 『「人生の教科書」コレクション全10冊セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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