学力低下論争 (ちくま新書 359)

著者 :
  • 筑摩書房
3.39
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本棚登録 : 185
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480059598

作品紹介・あらすじ

分数ができない大学生、勉強時間の顕著な減少。いま子どもたちの学力が低下している…。こうしたショッキングな見解をめぐり激化した学力低下論争の背景には、実に多様な争点が複雑に絡みあっている。本書は、各論者の主張を丹念にたどりつつ、彼らの役割意識や動機までをも考慮することで、学力低下論争の構図を明快にときほぐす。さらには、論争を踏まえた上で、「『ゆとり』より『みのり』ある教育」を提唱する。

感想・レビュー・書評

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  • 108円購入2018年11月4日

  • なるほど~と思う箇所も多々あったが、タイトルに論争とあるように、いろんな意見の引用がされており、やや読みにくい(難しい)かも。

  • 著者は教育に詳しい認知心理学者。

    (メモ)
    ・本書の視点はほぼ中立に。
    ・某経済学者のデータ解釈は恣意的だった。
    ・(ネットの議論もざっと見たが)プレジデントやダイヤモンドでやっている教育・お受験記事を真に受ける人も巷にはいるらしいし、こういう話題に関して視野狭窄な意見が出るのも仕方ない。

  •  これだけいろいろな人の立場や考えを、分かりやすい分類・整理できてしまうというのは、頭がいいんだなあとつくづく感心してしまいました。たくさんの引用がありますが、文章がそこでとぎれることなく、まるで一つの流れのようにスムーズに読めるので、読んでる者の思考が途切れなくて読みやすいです。

     p.240にある、基礎から積み上げる学び、基礎に降りていく学びという考え方は面白いですね。私も算数の指導計画を考えるとき、教科書はたいてい前者ですので、後者でできないかと試行錯誤することがあります。

     p.243にある、学習における習得サイクルと探究サイクルは、以前、ご講演のときに見たような記憶がありますが、授業のポジションを分かりやすく表しています。

  • <石上浩美先生コメント>
    学力とは何か、学校教育制度の変遷と学習指導要領の基準性について問い直すための学力論。

    <閲覧スタッフより>
    激化する学力低下論争では、様々な立場から多様な主張が行われている。その全貌は、しっかりフォローして行かないと把握できなくなってしまうほど。本書は中立的な立場から「学力低下論争」の流れを非常に適切に整理しています。
    -------------------------------------------
    所在番号:新書||373.1||イチ
    資料番号:20067359
    -------------------------------------------

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:373.1||I
    資料ID:95080091

  • [ 内容 ]
    分数ができない大学生、勉強時間の顕著な減少。
    いま子どもたちの学力が低下している…。
    こうしたショッキングな見解をめぐり激化した学力低下論争の背景には、実に多様な争点が複雑に絡みあっている。
    本書は、各論者の主張を丹念にたどりつつ、彼らの役割意識や動機までをも考慮することで、学力低下論争の構図を明快にときほぐす。
    さらには、論争を踏まえた上で、「『ゆとり』より『みのり』ある教育」を提唱する。

    [ 目次 ]
    序章 学力低下論争の構図
    第1章 学力低下論の源流
    第2章 学力低下論争の火ぶた
    第3章 論争の展開とその影響
    第4章 論争をひもとく
    終章 みのりある教育に向けて

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 刈谷剛彦氏の「学力の階層間格差」拡大

  • >1999年に火がついた「学力低下」論争は、マスコミと様々な分野の論者を巻き込み、現在の教育を語る上でのキーワードになった感がある。

    初心者にも読みやすかった。

    学力は本当に低下しているのか?

    学力とはそもそも何か?

    ゆとり教育とその背景は?

    どんな教育が望まれるのか?


    2009/9/1 読了21

  • 細かく書くと話が長くなってしまうんで割愛。
    簡単に言えば、学力低下は単純な論理で語れるものではないという事。

    話題の羅列が基本であり、論理が次々と展開されている。
    そのため読書の初心者には非常に読みにくい本となっている。
    しかし整理はきちんとされている為、元々がレベルの高い問題なのであろう。

    筆者が最後まで中立を貫いたという意味でも、貴重な一冊と言える。
    現代の教育に対して何らかの疑念を持っている人は、一度この本に目を通してもらいたい。

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著者プロフィール

1953年東京生まれ。東京大学文学部卒業。文学博士。現在,東京大学名誉教授,帝京大学中学校・高等学校校長。中央教育審議会教育課程部会委員として学習指導要領の改訂に関わる。専門は教育心理学。認知心理学を基盤にした個別学習支援や授業づくりなどの実践に携わっている。著書に、『考えることの科学』(中公新書)、『学ぶ意欲の心理学』(PHP新書)、『学力低下論争』(ちくま新書)、『学ぶ意欲とスキルを育てる』(小学館)、『「教えて考えさせる授業」を創る アドバンス編』(図書文化社)など。

「2023年 『これからの学力と学習支援 心理学から見た学び』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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