行儀よくしろ。 (ちくま新書 421)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480061218

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    人に可愛がられる方法。社会に出た後は学力よりも重要。だがそれだけではいけない。問題に直面した時に解決まで持っていく腕力も必要。

  • 現代日本の教育論。学力よりも知力や道徳が大切と言う話。学力は知力の中の1つの物差しである。学力だけが全てではないということ。

  • 今、誰もが読むべき、見直すべき一冊。

    "子供のいない私だって、この国で大人をやっているからには、子供を何らかの方向に導かないわけがないのだ"
     
    若者の質は本当に低下しているのか、また、親や学校の施す教育についても述べてある。社会が私達に教育を施していることにも気がついていかねばならない。

  • ふむ

  • 本書で著者は、「ゆとり教育」をめぐる学力低下論争は、教育問題をあまりにも近視眼的にとらえているのではないかと批判しています。そのうえで、もっと視野をひろげて、生活文化のなかで子どもたちにどのような影響がおよんでいるのかということを見据えることから、教育問題を考えなければならないという主張が展開されます。

    そのほかにも、若者のマナーが向上している例や、韓国とイランの国民性の話など、具体例が生き生きしており、おもしろく読むことができました。

  • よく言えば読みやすい。悪く言えば中身が薄い。

    ・学校に教育を丸投げするのはおかしい。特に学問以外のことに関しては、学校だけに頼らず家庭、そして社会の中で子供は学んでいくものである。
    ・子供は社会の鏡。子供がイライラしているということは、世の中の大人が(自分の人生に満足しておらず、)イライラしているということ。
    ・文化は変わる。そして言葉も変わる。問題は、どう変えていくのかということ。
    やはり、敗戦をきっかけに失ってしまった良き日本的道徳は少なくない。それを引き換えに発展を手に入れたといっても過言ではないだろう。
    ・生き方における美しさのなかに幸せを見出す社会。

    最後まで読んだけれど、タイトルと中身が合っているとは思えない。

  • 清水義範的教育論。雑感みたいな読み物で楽しく読める。言っていることは納得できることも納得できないこともあるけど、そういう考え方もあるなぁ、と軽く受け止める。教育とは文化を引継ぐこと、というのにしっくり。

  • 美しく生きること、
    それが一番だよなって。
    それはお仕着せの文化じゃなく、
    自らの育つ文化によって。

  • 学力では測れない、知力、立ち居振る舞い。
    そんなものの方が、とても重要で、しかも社会にとってもとても良いんだと
    いうこと。
    皆がわかっていても言わないことをきちんと述べてくれている。
    社会の、文化のセーフガードとして、こういう本はとても大切な気がしました。
    社会の教育力。文化の教育。

  • 教育を文化の乱れから問いている。話題がいろいろ飛ぶので(著者自身も分かっているが)つながりが見えにくく、また大人が、学校に期待を懸けずに社会全体で、自覚を持って子どもの教育に責任を果たさなければならないという主張に、特に目新しさはない。むしろ最終章の、欲望主義の影響と問題点、あと具体的に「じゃあ、実際どうすればいいのか」という点を、もっと掘り下げてほしかった。それまでノロノロ脇に逸れまくってたのに、ここで一気に駆け足になってしまったのが残念。

  • 教育に対する筆者のエッセイ、といったところでしょうか。
    結構共感できます。悪い悪いと叩かれがちな日本の教育ですが、なんだかんだで質は高いです。そして常識がなくてマナーがなっていないのは大人の場合が多いです。

  • 私の年で読んでもなんも得しない。

  • もともと著者は教育大出身で、初期の作品で見られるように、学校で習うような内容をモチーフに小説書いていたので、教育にも一見識を持っているだろうということで期待して読みました。内容は、近時の"学力低下論"はあくまでも相対的な問題とする一方、国際人として自国の文化、風習をきちんと守らせることが重要であり、それは学校とか家庭とかいうレベルではなく、社会全体で取り組まなきゃいけない課題だと主張しています。個人的には、内心、ムム?と思った部分もありましたが、全体的には頷ける内容です。もう一度、日本の文化というのを教育の観点から見直そうと思いました。

  • 200704/

  • 教育・文化が乱れ、美しい日本人のあり方が失われつつある現代社会に警鐘を鳴らす一冊。モンスターペアレンツに読ませてあげよう。

  • 昔図書館で借りて読んで、もう一回読みたいなぁとフト思い購入。
    「文化を守った美しい生き方を、日本人は取り戻すべきである」
    よいですね。読むたびに学ぶことのある一冊です。

  • [ 内容 ]
    「教育論」となると、学校教育を論じることになりがちだ。
    学校教育を批判し、文部科学省の方針を批判するのが、いい教育論なのだと。
    だが、世の大人にとってもっと身近な、今、自分がすべき教育のことを忘れてはいけない。
    たとえば、お葬式でどういう態度をとるか、オリンピックでどういう応援をするか、道をきかれたらどう答えるか、もらった宣伝ビラをどこに捨てるか、お祭りをどうやるか、困っている人をどう助けるか、…などは、その国の文化の中にあることで、その文化を継承させていく責任が大人にはある。
    今こそ、美しい日本人を育てるための教育論を、ここに展開する。

    [ 目次 ]
    第1章 学力低下は大問題か
    第2章 教育は学校だけのものではない
    第3章 社会がしている教育
    第4章 教育とは文化を伝承すること
    第5章 生活習慣の美を守る
    第6章 美しい日本語とは
    第7章 今日本にある文化の危機
    第8章 文化の崩れを正す教育

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 読みやすくて、かつ、納得させられました^^*

    高校の時に夏休みの課題で
    新書を読むということで、この本を選んだのですが
    この本を選んでよかったです(^ω^)

  • よかった。
    学力低下に対して、「長いスパンで見たらちょっとくらい仕方ない。
    それより、知力の低下が問題だ」っていう筆者の考え方に共感がもてた。
    ただ、後半はただの社会批判になってしまい、残念。

  •  今(2004年)の教育を、文句をつけたり行政や教員や子どもたちを嘆くのでなく、ご近所や大人の社会が影響を与えているのだから、そこから見ていこうよという視点で語る本。←このへんがもう清水ハカセ口調。 イランの話などは蛇足なんじゃないかと。

  • 教育論のような道徳本のような文化論のような本。現代に子供世代に何をどう教育すべきなのかというテーマを仮借して、著者なりの文化の定義と、文化を守る=美しいという論旨が展開される。強引な決め付けなどはないので、説教臭くはないが、時折はっとさせらる記述に出会う(e.g. いまの子供がイライラしているのは、大人がイライラしているから)。現代の日本は、衣食が足りて礼節を知りつつある段階だと認めながらも、古来より受け継いだ様々な(当たり前のことを含む)美徳文化 ---- これを「行儀」という単語で代表させている ---- をもっと尊重せよという内容だ。 --- 2008.09.10

  • 気分的には言いたいことは分かるけど。
    あまり論理的でないというか、なんでそうなるの?と感じた。

  • 「他人を見下す若者たち」の対になる様な新書だと思う。「最近の若者はロクなヤツが居ない」「学力低下で頭の悪い若者ばかりだ」と言うが果たしてそうか?そして、そう言っている大人は果たしてどうなのだ?という問いかけを淡々と静かに考えて行く。
    激しい決めつけもなく爽快な一刀両断の結論もなく、ズバリという決定打には欠け物足りなさを感じるかもしれないが立ち止まって一寸『教育』というものを静かに考えさせてくれる一冊だと思う。が、清水義範ファンとしては清水はもっと書ける!とも思う。これが気に入った人は他の作品も読んでみてください。

  • 2003.8.20 4刷
    良かった気がする。

  • 教育論、ということで子供達に向かって「行儀よくしろ」と説教をたれる内容かと思って読んだがとんでもない。「行儀よく」しなければならないのは大人のほうなのだ。理由は本書を読んでみて。

  • 清水義範氏の教育論。ただし学校教育論ではなく社会そのものを対象としている。すべてに賛成というわけではないが、至極まっとうなことを言っていると思う。何より、筆者のような「評価する
    姿勢」は教育においてとても大切なこと。

  • 共感。

  • 行儀良くしろと言う相手は大人!

  • 日本文化をしっかりと次世代に伝えていくべきだ。教育は社会全体で行わなければならない。…そんな内容。

  • 新書とは思えないくらい解りやすく、すらすら読めます。個人的には、一部保守的で首肯しかねる部分もありましたが、大部分は全く納得させられました。

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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