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- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480061393
感想・レビュー・書評
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(~2004大学時代の本@202012棚卸)
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『セーフティーネットの政治経済学』『長期停滞』(ともにちくま新書)の続編で、3部作の完結編となる本です。
著者の基本的なスタンスは前著から一貫しており、本書でも小泉政権下における竹中平蔵の経済政策に対して舌鋒鋭く批判をおこなっています。とくに不良債権問題に対しては、銀行に対する十分な引当金を積むことのないまま弥縫策に終始していても、繰り返し損失が表面化することになり、そのたびに貸し渋りや貸し剥がしがおこなわれ、デフレ不況から脱することはできないと著者は言います。その上で、十分な引当金によって信用収縮に歯止めをかけることが、デフレ脱却へのもっとも有効な道筋だというシナリオが提示されています。
本書のサブタイトルになっている「反デフレ・反バブルの政策学」という言葉に引っかかりを覚える読者もいるかもしれませんが、年金問題や高齢化問題といった日本が直面しているさまざまな課題に対する適切な政策をおこなうことが、経済の世界においても確かな信用をもたらすことになるという著者の主張が、このタイトルには込められているように思います。