- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480061751
作品紹介・あらすじ
グローバリゼーション、IT革命、ボーダーレス化によって、私たちの社会は深刻で劇的な変化を遂げつつある。これまでの枠組みはほとんど無効になりつつあるが、新たな座標軸はまだ見出せていない。本書では、「アイデンティティ」「言語」「他者」「共同体」など身近な問題意識に沿って哲学者たちの仕事の軌跡とその到達点を整理し、不透明な時代のについて考える。哲学史の中のさまざまな試みを手がかりに、素朴で根源的な問いにこたえる異色の入門書。
感想・レビュー・書評
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形而上学は人文科学系で扱われ、政治哲学が社会科学系で扱われ、両者が分断されている事に常々違和感というかしっくりこない感じを持っていたのだが、この本によってスッキリしたような気がした。<ぼく>というのが「私とはなにか?」という問いであり、<世界>というのが「社会とはなにか?」という問いに該当する。そして両者をつなぐものが他者論であるという事に今更ながら気がついた。
著者は題名通り、両者を分断する事なく、連続するものとして思想史的に論じているのだが、独我論は認めない立場のようである。ここが難しいところで、時代を追って考えていけばどうしてもそういう結論になりがちだろう。そして結果的には分断が起きる。ここを乗り越えていくには独我論も認めていくしかないのだが、政治哲学にどっぷりつかると、存在論や認識論はどうでもよくなってしまうので、興味がないで片付けて考える事すらしない社会科学系の専門家は多い。他方、人文科学系の専門家は政治哲学には興味関心が薄い(多少は考えてはいる人はいる)。が、人間の生き辛さというのは両者のギャップであり分断であるので、興味がないでは済まされないと思うのだが、統合的に考えていく人は殆どいないのが現状であるように思う。元はと言えば、文科省のカリキュラムがそうなっていて、興味を持たなくとも済んでしまうようになっているので仕方ないのかもしれないが、これも専門主義のアカデミズムの弊害であるように思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アイデンティティの迷宮◆記憶の思想史◆言語と独我論◆言語の起源◆他者と相互承認◆他者の異貌◆共同体と友愛◆共同体の内と外から
著者:中山元 -
[ 内容 ]
グローバリゼーション、IT革命、ボーダーレス化によって、私たちの社会は深刻で劇的な変化を遂げつつある。
これまでの枠組みはほとんど無効になりつつあるが、新たな座標軸はまだ見出せていない。
本書では、「アイデンティティ」「言語」「他者」「共同体」など身近な問題意識に沿って哲学者たちの仕事の軌跡とその到達点を整理し、不透明な時代の〈ぼく〉について考える。
哲学史の中のさまざまな試みを手がかりに、素朴で根源的な問いにこたえる異色の入門書。
[ 目次 ]
第1章 アイデンティティの迷宮
第2章 記憶の思想史
第3章 言語と独我論
第4章 言語の起源
第5章 他者と相互承認
第6章 他者の異貌
第7章 共同体と友愛
第8章 共同体の内と外から
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
面白い。哲学の歴史から「自己」についての考証を行う。
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9点
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個々の話は分かり易い
あとはそのつながりを自分で上手くつけながら読むべし