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この作品からのみんなの引用
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第三章の「宗教の問題」では、憲法上の政教分離問題の展開を踏まえた上で、靖国信仰と国家神道の確立に「神社非宗教」のカラクリがどのような役割を果たしたのかを検証し、靖国神社の非宗教化は不可能であること、特殊法人化は「神社非宗教」の復活にもつながる極めて危険な道であること、などを論じる。
― 9ページ -
第一章の「感情の問題」では、靖国神社が「感情の錬金術」によって戦死の悲哀を幸福に転化していく装置にほかならないこと、戦死者の「追悼」ではなく「顕彰」こそがその本質的役割であること、などを論じる。
第二章の「歴史認識の問題」では、「A級戦犯」分祀論はたとえそれが実現したとしても、中国や韓国との間の一種の政治的決着にしかならないこと、靖国神社に対する歴史認識は戦争責任を超えて植民地問題としてとらえらるべきこと、などを論じる。
― 8ページ
みんなの感想・レビュー・書評
まず、本書を読むまで勘違いをしていたことが一つある。いや、正確には勘違いというより、忘れてしまっていたという感じなのだけど。それは、靖国神社は決して「悲劇のヒロイン」なんかではないということだ。つまり、日本くんと中国くんが靖国神社ちゃんをめぐって小競り合いをしている、というだけではなく、靖国神社ちゃん自身もかなりの食わせ者だということだ。靖国神社ちゃんだって、自分の思想を持っている。さしずめ、靖... 続きを読む »
感想
靖国問題 / 高橋哲哉
http://aoimon.blog7.fc2.com/blog-entry-2476.html
靖国史観―幕末維新という深淵 / 小島毅
http://aoimon.blog7.fc2.com/blog-entry-2477.html
頭を冷やすための靖国論 / 三土修平
http://aoimon.blog7.fc2.com/blog-entry-2478.html
靖国という大きな問題を、「感情」「歴史認識」「宗教」「文化」「国立追悼施設」のそれぞれの面から論じたもの。膨大な資料から多数の引用があり、靖国問題を考える上での資料的価値もある。
筆者は靖国問題にたいしておおむね中立的であるが、やや偏った(?)記述をしている部分もある。
面白かった。
ただ著者のあまりの熱意にこれをうのみにしてよいのかと恐ろしくなること多々、武力の完全な放棄は可能なのだろうか等々。
著者の本はこれで二冊目だが、とても教養のあるひとなんだろうなあと思う。とても面白く読める。
靖国問題についていくつかの側面から考察しています。わかりやすくまとめられていると思いますがかなり左寄りの内容になっていると思うので賛否両輪だと思います。大筋において論理立った主張が展開されているように感じます。
現首相が参拝を積極的に肯定したせいもあり、最近も近隣諸国からの批判で盛り上がっている靖国問題。では、靖国問題の本質とはいったい何なのであるかを鋭く抉った良書です。靖国問題の解明や問題解決のための糸口を探っており、祀ることと軍国化との関連性や分祀が根本的に何も解決しないこと、そして新たな追悼施設が第二の靖国となる恐れがあるという主張は明快です。著者の主張に意見が分かれるかもしれませんが、そもそも靖国神社とは何であるかなど基礎知識を確認するための入門書としてもよく纏まっていると思います。
古本屋で安かったので衝動買い。
政治も歴史も戦争も、ほとんど知識が無いまま読み始めたけど、問題の概要ぐらいは掴めたと思う。
ただ、政治家などの発言の言葉尻を捉えているだけの論旨が度々あったように感じた。
無論、政治家たるや発言には責任を持つべきだが、少々行き過ぎなように思えた。
靖国神社。様々な感情論を引き起こし、常にイデオロギーの争いの対象になる。
僕はどちらかというと、この神社に対しては肯定的な意見を持っていた。
しかし、この本を読んで政治の操作がこの神社に及んでいることを知った。
だからといって否定的に捉えるのは違うと思った。
どういう操作が及んでいようと、先祖を敬うのは非常に重要なこと。過去から目をそむけてはいけないし、そこに右翼も左翼もない。大事なのは、事実を捉えた上でいかに建設的にこの先を考えるかだ!
今まで知れなかったことを知れてよかったという点と、途中気になる点があった点を含めて★4つです。
第1章 感情の問題―追悼と顕彰のあいだ
・激しい遺族感情
・一様でない感情の対立
・ ほか)
第2章 歴史認識の問題―戦争責任論の向うへ
・共同体とその他者
・「A級戦犯」合祀問題
・ ほか)
第3章 宗教の問題―神社非宗教の陥穽
・感情の問題、再び
・政教分離問題
・ ほか)
第4章 文化の問題―死者と生者のポリティクス
・「伝統」としての靖国
・江藤淳の文化論
・ ほか)
第5章 国立追悼施設の問題―問われるべきは何か
・「わだかまり」の解決策
・不戦と平和の施設?
・ ほか)
靖国神社ってなんだったの?何が問題なのよ?って疑問に対するアンサーの本です。
講義のために購入した本ですが、いや勉強になりました。
天皇制って何だったのか?とか、
どうして日本人は特に信仰している宗教ないって言うのに神社は身近だったりするの?とか。
著書の主張を受け入れるかは人によるかも知れませんが、自分は日本について無知なんだなあということを知らせてもらいました。
※友達からこの本は遺族に関する部分について誤謬がある、との貴重な指摘を受けましたが、そういったことに関しては本質的には触れてないので、是非はともかくも、読んでいただけるとありがたいです。てか偉そうな書きっぷりですいません 靖国問題を様々な観点から捉えた入門書。 著者は第5章において、靖国の論理は軍隊を保有し、ありうべき戦争につねに準備を整えているすべての国家に共通の論理に他ならないと... 続きを読む »
靖国神社にはA級戦犯まで祀られているぐらいしか知らなかった自分にとって靖国問題の複雑さを初めて知った。
[ 内容 ] 二十一世紀の今も、なお「問題」であり続ける「靖国」。 「A級戦犯合祀」「政教分離」「首相参拝」などの諸点については、いまも多くの意見が対立し、その議論は、多くの激しい「思い」を引き起こす。 だが、その「思い」に共感するだけでは、あるいは「政治的決着」を図るだけでは、なんの解決にもならないだろう。 本書では、靖国を具体的な歴史の場に置き直しながら、それが「国家」の装置としてどの... 続きを読む »
学生の私にはまだまだ難しい本でした。
でも、とても読みがいがあり食い違いなども書かれていて、少し時間を置いて再読したいです。
満州事変のあった1931年の翌年、熱心なクリスチャンだった2人の上智大生が軍事教官に引率されて靖国神社に遊就館の見学に行ったさいに、参拝を拒んだ。それが大問題となり、陸軍省は大学からの配属将校の引き上げを実施、反カトリックキャンペーンを展開。上智大学はこの事件で存亡の危機に瀕したが、結局全面屈伏と引き換えに危機を逃れた。学長以下全校謹慎したうえ、学長、神父、学生がこぞって靖国神社に参拝し、忠君愛国の士を祀る神社に参拝することは、国民としての公の義務にかかわることであって、各自の私的信仰とは別個の事柄であることを了解した、と文部省に伝えた。

第1章。靖国神社は死者の〈追悼〉を〈顕彰〉に、〈愛する人を失った悲しみ〉を〈愛する人を天皇に捧げた喜び〉にすり替える装置である。
第2章。「A級戦犯」分祀論は、近代日本の戦争の歴史をアジア・太平...





