法隆寺の謎を解く (ちくま新書)

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著者 : 武澤秀一
  • 筑摩書房 (2006年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480062604

法隆寺の謎を解く (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • 伽藍配置の変遷から読み解く。祈りで回る行為から見ると中門の真ん中にあう柱を入口出口と読みとくのは納得。

  • 巡る、廻るという祈り方を中心に、
    建築家が法隆寺の謎を解く。
    虚空の双龍を読んで、興味を持ち読みました。

  • 法隆寺最後の棟梁、西岡常一氏の飛鳥の宮大工としての視点とも、大正時代の哲学者、和辻哲夫氏の感じ方ととも、1970年代に一大議論を巻き起こした梅原猛氏の「法隆寺たたり寺」説の視点とも異なり、現代の建築家としての立場から、法隆寺を考えた一冊。

    和辻氏の非常に官能的で饒舌な表現や、西岡棟梁の宮大工としての誇りと仏教を尊ぶ姿勢、または梅原氏の法隆寺を怨霊を封じ込めるために祭り上げた寺とした見方のどの視点とも異なり、仏教そもそもの(仏)塔=祈りをささげる対象に対する、インドのめぐる作法「プラダクシナー・パタ」と、建築と政治(血統と天皇後継問題)からみた法隆寺「突然変異論」は非常に興味深い。

    改めて歴史というのは、見る者によってさまざまな見方、解釈の仕方があることを楽しめる一冊。

  • 2012/8/24読了。

    同じ著者の「伊勢神宮の謎を解く」が面白かったので,本棚に積読されていた本書をひもといた(購入したのを忘れていて,あやうくまた買うところであった)。

    梅原猛の「法隆寺は聖徳太子の怨霊を鎮魂するために建立され,怨霊を封じ込めるために中門の中央に柱がある」という説はよく知られているが,建築家である著者は,法隆寺に使われている建築部材の年代測定等のデータに依りつつ,仏教のルーツであるインド発祥の「めぐる」行為,建築家ならではの空間感覚,7世紀後半の政治状況等を縦横に行き来しながら,その謎を解き明かす。

    大陸から受容された,垂直指向の伽藍建築に対し,やわらかく,空間を大切にする水平指向の日本化の試みが法隆寺を産み,同様の思想はその後の日本文化に脈々と受け継がれている,というラストに至るみちのりは,(月並みにいえば)推理小説のようにスリリングで感動的だ。

    梅原の「隠された十字架」も積読状態だが,おそらく本書で解き明かされた「中門の真ん中の柱」の謎が真実に近いことを確信させられる。そのくらい,日本人の心にすとんと落ちる説得的な法隆寺論である。

  • 歴史家じゃなく、建築家の目からみた法隆寺の謎。
    でも結局、謎なんだよね。

  • アジア独特の風習である「めぐる」から中門の柱にまつわる推理を展開。法隆寺を創建と新創建に分け、消失した創建の完成以前に新創建のほうは完成したとする。伽藍の配置を大陸の南北型、日本の東西型に分類し、後者は天皇家の意思によるものであり、山背大兄皇子が創建で集団自殺したため、これを消失させて新創建を建設したと考える。中柱があるから、塔、金堂という東西型伽藍に秩序が生まれるという意見は、建築家ならではのもの。面白く読めたが、「隠された十字架」ほどの謎解きとしての興奮は得られず、全体的に地味。

  • [ 内容 ]
    法隆寺は世界最古の木造建築として“世界遺産”に指定されている。
    しかし実は、私たちが目にしている法隆寺は七世紀後半から八世紀初めにかけて「再建」されたものであり、そうしたことがわかったのは一九三九年になってからのことにすぎない。
    しかも聖徳太子による創建から「再建」達成までの百年間は、仏教の日本化と並行して、古代王朝の内部で激しい権力闘争が起こった時期でもあった。
    仏教やヒンズー教などのインドの宗教建築を踏査してきた著者が、回廊の構造や伽藍の配置などから古代世界を読み解く、空間的な出来事による「日本」発見。

    [ 目次 ]
    序章 法隆寺の謎(謎解きのまえに 解き明かされる謎の数々)
    第1章 法隆寺をめぐる(門前にて 中門の中で そして塔と金堂 塔の中で 金堂の中で)
    第2章 めぐる作法/めぐる空間(めぐる作法の伝来 五重塔と柱信仰 列柱回廊をめぐる 夢殿へ 祈りのカタチ)
    第3章 法隆寺は突然変異か(門の真ん中に立つ柱 なぜ法隆寺だけなのか 法隆寺以前の伽藍配置 法隆寺ファミリーの誕生 謎の柱はビテイコツだった)
    終章 日本文化の原点に向かって(タテとヨコ、南北と東西 血統と流儀、そして新創建を進めたのは誰か 空白の誕生、そして大陸起源か日本起源か)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 建築家である著者が法隆寺を案内しながら、その謎を具体的にわかりやすく解いてゆく。
    門の真ん中に柱があるのは怨霊封じだという、一時、一世を風靡した梅原説がいかに事実誤認をしているかが解き明かされ、つぎに著者による、あっと驚く!新説が繰りひろげられる。まるでコロンブスの卵。お見事!!!

    お寺の見方とはこういうものかと、とても参考になった。

  • 古代史の思いがけない真実
    法隆寺はなぜ、誰によって、どう建てられたか。
    ・・・・・・法隆寺は信仰の対象であるにとどまらず、つねに議論の的となってきました。謎が謎を生み自己増殖してゆく面もあります。それだけ法隆寺は、わたしたちにとって大切な存在であり、ここに日本の文化の原点がひそんでいることをだれしも感じ取ってきたのです。

    法隆寺は世界最古の木造建築として“世界遺産”に指定されている。しかし実は、私たちが目にしている法隆寺は七世紀後半から八世紀初めにかけて「再建」されたものであり、そうしたことがわかったのは一九三九年になってからのことにすぎない。しかも聖徳太子による創建から「再建」達成までの百年間は、仏教の日本化と並行して、古代王朝の内部で激しい権力闘争が起こった時期でもあった。仏教やヒンズー教などのインドの宗教建築を踏査してきた著者が、回廊の構造や伽藍の配置などから古代世界を読み解く、空間的な出来事による「日本」発見。

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