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- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480063045
感想・レビュー・書評
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ペンネーム「狐」で書評を書いていた山村修の入門書のススメ。といっても、山村修の言う入門書とは、いわゆる専門書への手引の類というよりも、それ自体が作品として面白くタメになるものを意味している。しかも、若桑みどり「イメージを読む」の様にそういった本が意外に多いらしい。そんな良本を25冊紹介したのが本書です。
本というのは、読み手の容量に呼応するという性質がある。子供の頃読んた本を大人になって読むとまた違った感想を持つのもそうだし、山村修の様なプロの読み手でさえも、こうした入門書で指摘され初めて気づく(高浜虚子「俳句はかく解しかく味わう」)といった奥の深さがある。
さらに、まえがきで紹介された散文詩、人生に絶望した男が地下のエレベーターから地上の世界へと戻る価値があるのかとふと呻吟する場面、酒も食べ物も友情も愛もダメだが「私には本がある。読書という喜びがある」と決然と地上を目指す話は読書好きなら共感できるのでは。
ちなみに、山村修は2006年8月、肺癌のため56歳で死去。 コラムニストの中野翠とは曾祖母同士が姉妹という遠い親戚にあたる。
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