心脳コントロール社会 (ちくま新書)

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著者 : 小森陽一
  • 筑摩書房 (2006年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480063120

心脳コントロール社会 (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • 小森先生はやっぱり若干アタマおかしいなと思いつつ大変面白かったです。

  •  それと気づかれないまま、人を特定の方向に誘導するマインド・マネジメント。脳科学の知見を取り入れた「心脳マーケティング」が、人を思考停止に追い込んで、いまや人々は政府やマスコミのおもうがままに操られているのだと説く。

     んだけどさぁ。あまりにも古典的なアジテーション……とおもた。

     まず、「脳科学」の知見について、自分の都合のいいところだけつまみ食いしすぎ。たとえば「怒りは動物の脳で生じる」として、大脳辺縁系の説明などをひとくさりやって、「感情をあおり立てる情報」は「人間としての言語的思考を停止させ、動物的な反応、快・不快の単純化された二項対立の二者択一を、気分感情で行うような状態に人間を追い込んでしまう」と糾弾する。でも、「大脳辺縁系がどーのこーの」というレベルで話をするのであれば、「すべての情報は、感情の助けがなければ記憶に残らない」のである。ようするにこれは、感情を刺激するようなアオリとパンチの効いた情報のほうが記憶に残りやすい、ということを言うてるにすぎないのだ。まるで「クルマはガソリンを爆発させて走るから危険だ」というかのごとし。

     次に。脳科学の話と、フロイト・ユング流の臨床心理学の話を安易にミックスしてしまうところ。木に竹を接いだよう。たんにイドやエスが大脳辺縁系から出てきて、超自我が前頭葉の産物だという話を、より大仰に言ってるだけの虚仮威し。

     マスメディア批判も小泉政権批判も、ある種の紋切り型に強引に「心脳」をアテコミで入れているだけに感じる。一時期、なんでもかんでもフロイトやらユングを嬉々としてあてはめていろんなものを「批判」したような気になる人が多かったが……。道具を「心脳」というコトバに変えただけで、やることはあまり変わってない。

     この本の結論はメディアや政治家にだまされないよう「我、疑うゆえに我有り」という自我観を持て、というコトバで結ばれる。しかし、脳科学の知見とかいうのであれば、フロイトから便利に持ってきた「自我」という概念から疑うべきだと思う。
    「心脳マーケティングに警戒せよ」という主張を、「心脳」的に論じるというアイロニー……著者が「ねらって」やっているとしたら、すごいと思うが。

  • もう少し言論にアイデアが欲しかった。そんな都合のいい結論はないんだよと言いたかったのかもしれない。

  • 下條信輔さんや池谷祐二さんの本を読んだ後に,
    本書を読むと かなり見劣りしてしまう。

    アマゾンレビューにあるように,論の運びもチグハグな感じもする。

    でも,無意識のうちに
    ――あるいは,あたかも自分の頭で考えたがごとく――,
    ある行動をしてしまったりすることへの警鐘にはなると思います。

  • 郵政民営化を問う総選挙のときに感じていた違和感の理由が、ここに見つかった。なるほど、思考停止状態に追い込むことであの政権は維持されていたのかと。

  • 義父の還暦旅行に随伴する時のお供にと思って図書館で借りた……が、肝心の旅行の時は全く読めずにベビーシッター三昧。最近子供から目が離せなくて「移動中に本を読む」という芸当が出来ないので、通勤中で読書時間の確保できる旦那に比べてホントに本が読めなくなりました。読みたい気持ちはあるんだけどな。

    自分、割と宣伝には踊らされない方だとは思うのだけれども、それってやっぱり学士時代に史学の方法論を学ぶ過程で身につけた「特殊技能」なんだなあ、としみじみ感じさせられた次第。
    書いてあることは私としては割とわかってるつもりの事ばかりなのだけれども、わざわざこうやって書き起こす必要が出て来るというのは、それだけ世の中があっちにざぶーん、こっちにざぶーんと付和雷同的になってる証左なんだろうな、と思ってみたり。自分の頭で考えず、検討せず「ただ何となく」で選ぶ事って本当に怖い。自分が選び取る理由を常に明確にする訓練って、その選択の根拠となる知識も必要な事だから、常に意識してなければ出来ないものだよなと強く感じた。

    でも、久々のこういう固い文章にすごく懐かしさを覚えた元文系人間がここに。こういう(ぱっと見)回りくどく物事を「解説」する文章って、読んでるこちらも頭ぎゅるぎゅる使って楽しいね。

    それはそうとして『バカの壁』、まだ読んでないんだよなあ。やっぱり読んでおきたいなあ。

  • 国文学者が警鐘を鳴らす 脱・心脳マーケティング!


    国文学者である著者は文芸評論家様です。
    本テーマ自体の専門家でも何でもないですが、読解力と鋭い批評眼がある方です。

    「心脳マーケティング」を提唱しておられるジェラルド・ザルトマン教授の2003年の著作である
    「How Customers Think 」
    (邦題「心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす Harvard Business School Press 」)
    の要約と事例に当てはめた評論といった感じの本でした。


    この筆者自身の結論としては、
    「心脳コントロール」については懐疑的というか「禁止」くらいの勢いの論調で締めくくられます。

  • [ 内容 ]
    それと気づかれないまま、人を特定の方向に誘導するマインド・マネジメント。
    脳科学の知見を取り入れた「心脳マーケティング」に基づくこの手法は、今や商品広告のみならず、政治の世界でも使われている。
    マス・メディアを通してなされるこの種の「心脳」操作は、問題を「快」か「不快」かの二者択一に単純化し、人を思考停止へと追い込む。
    「テロとの戦い」を叫ぶ米ブッシュ政権も、「改革」を旗印とする小泉政権も、この手法を用いて世論を動かした。
    その仕組みを明らかにし、「心脳」操作に騙されないための手立てを提示する。
    人を巧みに誘導するマインド・マネジメント。
    この手法は広告だけでなく、政治の世界でも使われるようになった。
    その仕組みを明らかにし、騙されない手立てを提示する。

    [ 目次 ]
    第1章 商品化される心脳科学
    第2章 心脳マーケティングの時代
    第3章 ブッシュ政権の「心脳」操作
    第4章 人間にとっての言語と心脳
    第5章 「小泉劇場」の深層
    第6章 脱・心脳コントロールへ

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心脳コントロール社会 (ちくま新書)の作品紹介

それと気づかれないまま、人を特定の方向に誘導するマインド・マネジメント。脳科学の知見を取り入れた「心脳マーケティング」に基づくこの手法は、今や商品広告のみならず、政治の世界でも使われている。マス・メディアを通してなされるこの種の「心脳」操作は、問題を「快」か「不快」かの二者択一に単純化し、人を思考停止へと追い込む。「テロとの戦い」を叫ぶ米ブッシュ政権も、「改革」を旗印とする小泉政権も、この手法を用いて世論を動かした。その仕組みを明らかにし、「心脳」操作に騙されないための手立てを提示する。

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