昭和33年 (ちくま新書 633)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 44
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480063359

作品紹介・あらすじ

映画『ALWAYS 三丁目の夕日』を見て、多くの中高年と、なぜか二十代の若者までが、「あの頃はよかった」と涙を流した。昭和三十年代を黄金期とする言説がある。あの頃は、日本が一番輝いていた、貧しかったが夢と希望のある時代だったという。だが、本当にそうだったのだろうか?昭和三十三年は、ただ懐かしむだけの年ではない。あの年の事象を今日と重ね合わせることで、これからの日本が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 新書文庫

  • 11/02/18 「昔はよかった症候群」「未来心配性」の克服がカギと     著者は言う。

  • 映画『ALWAYSー3丁目の夕日』にいたく感動した私はどうやらありきたりな日本人なようです。
    日本人の“昔はよかった”病に喝!!
    昭和30年代に生きてなかったくせになぜか懐かしく思ったり、「いいなぁ」と思ってしまったりしていた自分の気持ちがいかに幻想であったかを教えてくれました。
    日本は昔も悪かった!
    そして日本は今も悪くないのだ!
    データを交えてわかりやすく解説してあります。

  • 「昔は良かった・・・」は全人類の共通認識ではなかったのか?
    感傷的な日本人の特徴、ある種の贅沢病なのか?
    日本人は過去の歴史に対してロマンティック、英・中国等は冷静。
    「昔は良かった」症候群(過去を美化したがる)である日本人は自らの民族性に鈍感であり周辺国との認識のズレ等もそこに端を発する。と言う指摘は何となく頷ける。

  • “昭和30年代なんてちっとも良い時代じゃなかった” ってことを細かく拾って調べてくれている本.昭和33年の時点で,まだ日露戦争の債務が残ってたというのは驚きだし,他にも当時の世相不安を示す興味深いデータが多数挙げられている.但し序章と終章の主張は非常に頂けない.「当時の日本人は,この直後に達成される高度経済成長を予測出来ず下算し,強い先行き不安に囚われていた.現代の日本も強い先行き不安に囚われているがそれは単なる未来心配症である」と主張しているに等しいからだ.

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著者プロフィール

ふせ かつひこ
1947年生まれ。
一橋大学卒業後、総合商社に勤め、
十五年間の海外勤務を含め、国際ビジネスに従事。
2002年より著作活動を始め、下記のように
世代論、日本人論などを中心とした新書や
貿易実務書など著書多数。
古代の物流にも関心を持ち、
近年、日本列島を取り巻く海辺各地を取材。
古代史関連の著書に
『元商社マンが発見した古代の商人たち 歴史新書』
(洋泉社、2012年)がある。他、著書に
『54歳引退論―混沌の長寿時代を生き抜くために
 ちくま新書』(筑摩書房、2003年)、
『島国根性を捨ててはいけない 新書y』
(洋泉社、2004年)、
『アフリカに賭ける―ある商社マンの痛快人生』
(彩流社、2010年)、
『最新版 世界の資源地図』(岩本沙弓との共著、
青春出版社、2011年)、
『世界が見た日本人 もっと自信を持っていい理由
 日経プレミアシリーズ』(大賀敏子との共著、
日本経済新聞出版社、2014年)、
『なぜ世界の隅々で日本人がこんなに感謝されているのか
 PHP新書』(大賀敏子との共著、PHP研究所、2016年)、
『貿易実務の基本と仕組みがよ~くわかる本[第4版]
How-nual図解入門ビジネス』(秀和システム、2017年)
など。

「2018年 『海の古代史 幻の古代交易者を追って』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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