職場はなぜ壊れるのか: 産業医が見た人間関係の病理 (ちくま新書 643)

著者 :
  • 筑摩書房
3.20
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480063465

作品紹介・あらすじ

いま職場では、働きながら心の病を発症する人が増えている。かれらは日常生活に支障が出るほど、心に深い傷を負っている。睡眠障害を生じ、自律神経系が乱れ、うつになり、思考が混乱し集中できない。重いノルマ、評価の理不尽さ、周囲の無理解など、成果主義システムが生み出した実態を検証し、職場の人間関係に軋轢をもたらす原因を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 壊れた職場の治し方はないものだろうか。

  • スキルよりもアート。言うは易し、しかし、何かしらの示唆を与える。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    1の章 成果主義・能力主義の原風景/2の章 旧来からある職場の人間関係/3の章 現代にみられる人間関係/4の章 派遣という労働体系のなかで/5の章 成果主義を検証する/6の章 職場の求心力を守れ

  • 素材は良いのだろうが、なんか散漫

  • 産業医から見た成果主義・目標管理・評価制度への弊害などを分析されている。
    残念なのが、今後どうすればよいかという提案があまりなされておらず、「産業医の立場」だからということで、現状の問題点を指摘することだけに終わっていること。
    しかし、その問題点の指摘に関しては、鋭い着眼点や発想でみている点は興味深いところであった。

    参考
    P183
    労災申請や認定の数をひくまでもなく、就労にからんだ心の病が増えています。従来なら中間管理職であった50代や40代が中心でしたが、この数年は30代や20代にまで拡大しています。割合からすれば、30代と20代が危機的状況にあるというデータがあります。社会経済生産性本部付属メンタルヘルス研究所の調査では、原因として仕事の負担増加、評価への不満増加、将来への不安増加の3点が挙げられています。

  • 職場はなぜ壊れるのかという命題に対し、産業医がいくつかの症例、事例をあげてそれに真正面からとりんだ本である。力作であることは認めるが、尻切れトンボなセクションが多く、意味の把握が困難である。「脳整理法(この本もイマイチ)」と連続で読んだために、私の脳がおかしくなったのではないかと疑った。が、よく考えてみる脳整理法とこの本は、同じ出版社。おそらくこの出版社の編集者はアホなのであろう。何とか意味を理解したが、結局この著者はなんの解決法を示さなかった。ただ産業医としていまの問題点を指摘するのみ。これでは全く参考になりませぬ。

  • もう10年ほど前に一度読んでいたのだが、ふとしたことで再読。すっかり内容を忘れていたが、当時残した読書メモには成果主義に対する痛烈な批判と共に、著者への共感が満載であった。だが、あれから10年経った今、個人としては評価制度などもうどうでも良くなっている。一つの理由はもう何年も目標管理や成果評価が形骸化していて、実質昔の職能制度に戻っていること。(但し考課結果による報酬の差は拡大の一途を辿っている。誰の納得感もなく、士気はダダ下がりだ。)
    もう一つは自分の出世階段の先が見えてきて、出世とか評価結果に価値を見いだせなくなってきたこと。裏を返せば、ちょっとやそっとでは今の地位を失うことはないという自信があるからかも知れない。
    でもこの境地に立てるのは人生枯れてきたオッサンの特権であって、なんちゃって成果主義の重圧で壊れていく職場や若手社員は自分の周囲にも後をたたない。ホントに百害あって一利なしの制度で、とっくの昔に機能しなくなっていることを皆解っている筈なのに、何で看板を下ろさないのだろう?常にライバルとの評価競争に勝ち続けてきた役員にだけは見えていないのか?そうだとしたらあまりに不幸だ。

  • いま職場では、働きながら心の病を発症する人が増えている。かれらは日常生活に支障が出るほど、心に深い傷を負っている。睡眠障害を生じ、自律神経系が乱れ、うつになり、思考が混乱し集中できない。重いノルマ、評価の理不尽さ、周囲の無理解など、成果主義システムが生み出した実態を検証し、職場の人間関係に軋轢をもたらす原因を探る。

  • 多分年功序列の頃は仕事も出来ねえ奴が上にのさばって金貰ってるとかが問題になってたと推測してますが、資本家による成果主義の導入でギスギスした人間関係が職場を壊すというのも分からなくも無いです。
    でも年功序列でもブラック企業なら心は壊れるでしょうね。

  • 職場でメンタル疾患が増えている原因を探る。
    昔からある職場の人間関係。
    女性特有の社会、セクハラ、パワハラ、派閥、職場イジメ。
    それらが前半で書かれている。
    後半は、成果主義について。
    後半の成果主義にかなり思いいれがあるように感じる。
    かといって、それに対する対応策は、そんなに書かれていない。
    この本が出版されたのは、2007年。
    約8年が経つ今ですら、この本に書かれていりようなことは、日常茶飯事であり、何一つ解決がされていない。

    私としては、成果主義の話よりも、前半の人間関係の部分をもう少しクローズアップして欲しかった。
    おそらく、それは私が女性だからだろう。
    女性が職場で一番ストレスに感じるのは、仕事の量でも、仕事の質でもない。職場の人間関係が一番との統計が出ているから。

    成果主義の結果、過重労働が発生し、それが元で疾患にかかるというのは、もっともなことだが。

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