割り箸はもったいない?: 食卓からみた森林問題 (ちくま新書 658)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480063649

作品紹介・あらすじ

「割り箸が森林を破壊する」という言説がまかり通る日本。その論拠は「使い捨てだから」だという。でも、本当に割り箸は環境破壊の元凶なのだろうか?森を守る割り箸の役割に光を当て、自称エコロジストの独善的な論理を検証する。最も身近な木材から、中国の森林問題やヨーロッパの木材生産、はたまた日本の森と林業の未来について考える。

感想・レビュー・書評

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  •  
    ── 田中 淳夫《割り箸はもったいない? ~ 食卓からみた森林問題 200705‥ ちくま新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4480063641
    (全37アイテム)
     
     田中 淳夫 森林研究 196.‥‥ ‥‥ /静岡大学農学部林学科卒
    /出版社、新聞社等を経てフリージャーナリスト
    ────────────────────────────────
     武田 邦彦 資源工学 19430603 東京 /中部大学教授
    http://twilog.org/awalibrary/search?word=%E6%AD%A6%E7%94%B0%20%E9%82%A6%E5%BD%A6&ao=a
     
    …… 森林ジャーナリストとして著作があり国産割箸の活用を主張する
    田中 淳夫は、武田の著書について「目茶苦茶で仰天した」としたうえ
    で「こんな確信犯的嘘つきと一緒にされたら困る」と批判している[27]。
    https://www.weblio.jp/wkpja/content/%E6%AD%A6%E7%94%B0%E9%82%A6%E5%BD%A6_%E6%89%B9%E5%88%A4#cite_note-asukaetal-19
     
    [27] 20080707 割り箸の逆襲
     
    …… これまでマスコミに登場するのは、「マイ箸礼賛・割り箸批判」
    路線が圧倒的だったが、最近になって少し流れが変わってきたように思
    う。
     先に紹介した「おもいきり イイテレビ」でも、限定的ながら国産割
    り箸はエコだ、と打ち出していた。そして
    …… 村井 哲之《ハイヒールと宝石が温暖化をもたらす PHP新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/
    にも、「割り箸は環境破壊?」という項目があり、そこで割り箸・マイ
    箸について論じている。わりとスッキリ両者の立場を解説しながら、
    割り箸批判に一石を投じる内容。
     
     一方、同じく割り箸擁護的な立場から
     武田 邦彦《偽善エコロジー 20080501 幻冬舎新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4344980808
    でも、割り箸は端材から作っているから悪くない! と記している。
     
     そのほか、雑誌などコラムでも「割り箸批判への批判」的記事が目に
    つくようになった。まさに割り箸の逆襲が始まったのだ。
     まあ、これまでも繰り返し行われてきたことで、割り箸批判の後には
    割り箸擁護に移るというマッチポンプである。その点では、時代の流れ
    は変わりつつある。そのうち、マイ箸なんぞを持ち歩くと「カッコワルイ」
    と思われる風潮が広がるだろう(笑)。
     ただ、ちょっと待ってくれよ、思うものも少なくない。上記の「偽善
    エコロジー」も、あまりにも目茶苦茶な数字と林業に関する解説で目が
    点になる。このことを読者がメールで教えてくれたのだが、私も目を通
    して仰天。
     したり顔で林業を解説しているが、見事に間違いだらけ。割り箸に関
    しても、無茶苦茶。端材から作っていると強調しているものの、そもそ
    も端材の意味をわかっているの? と疑いたくなる。いくつか抜き書き
    しよう。
     間伐や枝打ちをしたときに出る端材
     割り箸追放運動が起きた結果、日本で割り箸を作ることができなくな
    りました。人工林と天然林の割合は、ほぼ同じ50%ずつ
     しかも、最初に「公式数字は参考程度にし、その数字が「事実である
    かどうか」を自ら調査し、確認し、整理したデータを載せている」と断
    っている。ようするに数字のおかしさを突っ込まれた場合の予防線を引
    いているのだろうが、自らどんな調査をしたんだ? どんな確認をした
    んだ? と問い返したい。
     まったく割り箸批判派よりも悪質である。実は、私の執筆スタンスを
    武田氏と並列的に語られることがあったのだが、止めてくれよ、といい
    たい。こんな確信犯的嘘つきと一緒にされたら困る。この件に関しては、
    割り箸批判派と共闘してもいい(笑)。
     ともあれ、割り箸批判が行き過ぎてマイ箸運動がカルト的になってお
    かしくなったのと同じく、割り箸擁護も度が過ぎると、これまたカルト
    になる。相手を批判するためには嘘のデータを並べてもよいことにはな
    らない。
    http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2008/07/post_67c5.html
    …… 田中 淳夫《割り箸の逆襲 20080707 割り箸》
    https://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/7f716fdca4be8bc08b677f2be4371650
     
    (20180319)
     

  • 著者が述べるように、片方だけを取り上げるのではなく、両者を比べて、どちらが総体として有利か十分に検討する必要があり、大きな視点をもって判断しようとする姿勢が大事。

  • 副題「食卓からみた森林問題」~割り箸が森林を破壊している,マイ箸で世界の森林を守るなどと大上段に振りかざす声は非常に不快である。それは事実なのかどうか十分に確認もせず,自らは森林破壊に手を汚していないのような主張はいただけない。加えて,他人に強制したり無理に勧めないいただきたい~ 多分,正しいと思う

  • [ 内容 ]
    「割り箸が森林を破壊する」という言説がまかり通る日本。
    その論拠は「使い捨てだから」だという。
    でも、本当に割り箸は環境破壊の元凶なのだろうか?
    森を守る割り箸の役割に光を当て、自称エコロジストの独善的な論理を検証する。
    最も身近な木材から、中国の森林問題やヨーロッパの木材生産、はたまた日本の森と林業の未来について考える。

    [ 目次 ]
    第1章 割り箸づくりの現場から
    第2章 「もったいない」から生まれた割り箸
    第3章 市場を席巻する中国製割り箸
    第4章 寄せては返す、割り箸不要論
    第5章 国産割り箸に未来はあるか
    第6章 割り箸から読み解く環境問題

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 短絡的に物事をみる報道や世論に対して、苦言を呈していることは評価。

    明らかにおかしなことを、人気取り・視聴率のために大袈裟に報道したり、正しく理解していないコメンテーターが一方的な意見を述べるのと見ていると、確かにこういった警鐘を鳴らすことは大切だと思います。

    一方で、論じている内容が浅いかなとも・・・

  • そもそも「割り箸がもったいない」と感じたことがないので、割り箸賛成派と反対派の双方の主張が新鮮に感じられた。

  • 第5週 2/8(水)~2/14(火)
    テーマ 「食」

    ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00172118

  • 割り箸問題は決着か? 環境問題はしばしば感情的になり、論理的な思考が停止してしまう場合がある。割り箸が熱帯雨林を破壊している・・・というようなかつての議論もどうやらそうだったようである。いま、日本で使われている割り箸の97%以上は中国産。それが中国の森林を破壊し、砂漠化を推し進めているということが、現在の「割り箸=環境破壊」主張である。ところが、実際には日本同様、中国での生産にも端材や植林からの木材が使われている。さらに割り箸に使われる木材量は年間60万立方メートルで、中国が年間に消費する木材量3億7000万立方メートルの0.16%程度。そのうち日本に輸出されるのは6割程度だから、0.09%。まあ、その程度の影響しかないわけである。それでも、現在ではシベリアの天然林の木材の利用や、輸送するのにも化石エネルギーを使用するわけで、出来れば国内の端材や間伐材をつかった割り箸を利用すれば、森林を適切に維持し、生産者の収入を保証し、林業を持続可能にすることにより、地球環境の維持にもなるという。
    勝手に結論付けるとするならば、僕らが利用している「樹恩の割り箸」がもっともいい、ということである。
    この大学生協の樹恩の割り箸の取り組み、かつての大学生協での割り箸論争、E大生協の取り組みや米子の王子製紙での割り箸リサイクルの話など、僕らの身近な話題も多い。

  • ゛はやりだから、今や常識的だから、なんとなく知ったかぶりして乗っかってる゛ではなく、
    多面的に情報を集めて、自分なりに考えた上で、自分の意志で意見を決めていきたい、
    と、改めて感じた本。

    そう、割り箸って本来は、エコなんだ♪

  • 昨今話題の「マイ箸」に象徴される「割り箸が森林を破壊する」は本当なのか?を問いかけ、わかりやすく日本の割り箸事情をひもといていく。
    筆者である森林ジャーナリストの第一人者、田中淳夫氏は、2010年2月に開催された「第3回みなと森と水会議」のゲスト講演者としても登場されている。(当日は聴講させていただきました!)
    日本やアジアの林業の現状と未来を再考する一助に、また身近な環境入門書としても最適。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。静岡大学農学部を卒業後、出版社、新聞社等を経て、フリーの森林ジャーナリストに。森と人の関係をテーマに執筆活動を続けている。主な著作に『虚構の森』『絶望の林業』『森は怪しいワンダーランド』(新泉社)、『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』 (イースト新書)、『森林異変』『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『樹木葬という選択』『鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵』(築地書館)、『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』(ごきげんビジネス出版・電子書籍)など多数。ほかに監訳書『フィンランド 虚像の森』(新泉社)がある。

「2023年 『山林王』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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