こんなに使える経済学―肥満から出世まで (ちくま新書)

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制作 : 大竹 文雄 
  • 筑摩書房 (2008年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480064004

こんなに使える経済学―肥満から出世まで (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • 学歴を尋ねられて、
    「●●大学法学部です」
    と答えると、かなりの確率で、
    「弁護士とか目指さなかったんですか~」
    と聞かれた。

    もし「経済学部」だったらどうなんだろう?
    「銀行員」とか、
    「株に詳しい」とか、
    そんなところかな。


    言うまでもなく、法学部は弁護士になるための専門学校ではなく、経済学は金融専門家になるための学問ではないだろう。
    「じゃあ、経済学は何の役に立つんだ?」
    という問いに、具体的なサンプルを提示したのが本書だと思う。


    「情報の非対称性」「モラルハザード」「合成の誤謬」といった専門用語が、実際に我々が生活している社会の中にどのような文脈で見受けられるのかが分かる。
    個人的には、「学年ごとの競争は公平か」や、「理論を逸脱する日本人の行動」などが面白かった。


    あとがきの中で編者は、「インセンティブと効率性」という物差しで世の中を見るのが「経済学の思考方法」だと言う。

    実際に政策を実行したり制度を作ったりするためには、不十分な情報の中からどれか一つを選ぶ必要がある。それが、政治や経営の実務における決断である。経済学は、そのような現実の実務の細部にわたって答えを出してくれるものではない。そこまで経済学に期待する人にとっては、「経済学は役に立たない」ということになる。しかし、「これをすると失敗する」というような大まかな方向性を示してくれるという意味では「経済学は役に立つ」。


    単純な二項対立でズバッと正解を教えて欲しいタイプの人にはもどかしいかもしれないが、現実世界は複雑な迷路のように入り組んでいて、少し歩けばすぐに分かれ道にぶつかってしまう。
    そんなタフな状況で、経済学は、使いようによっては、便利なツールとなる。
    使いようによっては・・・ね。

  • 2008年刊行。2006年頃から「週刊エコノミスト」等で連載された記事をまとめたもの。大阪大学経済社会研究所所属のメンバーが執筆者。身近なテーマを題材に経済学の意義を解説する。「不況時に公共事業を増やすべきか」「グラミン銀行はなぜ無担保融資ができたか」「犯罪が地域社会に与える影響とは?」が、とりわけ興味深い内容であった。

  • 中毒財はうまさが強化される。合理的に制御するのは難しくなる。

    容姿を知力や体力などの資質と区別する理由はない。

    腎臓交換=組み直しで増加できる

    貯蓄率の違いはライフサイクル仮説

    プロ野球選手は4~6月生まれが多い。

    義務教育で児童労働が減った。多くの家計で義務教育は重荷。その後、教育で生涯収入が上昇するようになったため、義務教育は権利になった。私立校が人気になる。

    失業手当と、穴を掘って生める公共事業は同じ。違いは、失業手当はGDPに計算されないので誤解を生む。

    情報の経済学=メカニズムデザイン

  • 図書館で借りた 。まあまあかな

  • 騒音おばさんとコースの定理(大竹先生)面白い

  • 日本人は真面目なので貯蓄好き。
    これまで国民性から説明されてきたことが、経済学的に見ると、制度に誘導された行動だと分かる。
    これが面白かった。

    実は貯蓄の話は、本書を読む前から知っていたのdが・・・。
    それと重なるような話がもうひとつ。
    ゲーム理論通りに説明できない「いじわる行動」が、アメリカ人より、中国人より多いのだとか。
    公共財への支出は自分はなるべく払わずに、できればただ乗りしたいという行動を取る人が多いらしい。
    これは、日本人は公共心が強い、というイメージと大きく矛盾する。
    さらに、誰がいくら払っているか分かる制度にすると、日本人の納付額が上がるという。
    これは何か、さもありなんと思えた。

    学問を切り口にすることで、違うものが見えてくるんだな、ということが分かる。
    その意味で楽しかった本。

  • 配架場所]2F展示 [請求記号]080/C-7 [資料番号]2009113495、2007113991

  •  人が太っているかやせているかは、どこで決まるのか。「食習慣」とか「遺伝的な要因」とか、いろんなことが言われているが……「せっかちさ」に関係がある、というのが経済学を利用すればわかるのだという。ほかにも、「教師の質が低下したのは男女平等がすすんだから」「日本人が『貯蓄好き』だったのは、たんに平均年齢が若かったから」といった、ちょっとばかし角度の変わった論考が盛りだくさん。
     経済学を学んでも、株でもうけられるというわけにはいかず、景気を予測するのも難しく。じゃあなんの役に立つの? と言いたいところだが、やっぱりいろいろ役に立つんです、経済学的なものの見方がわかれば今までとは違った視点でものが考えられますよ、というのが本書。考え方としては、編者の著作である『経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには』(大竹文雄/中公新書)の続編といっていい。
     経済学的な視点がわかりやすく出ているのが「美男美女への賃金優遇は不合理か」だと思う。「容姿情報を本人に無断でランク付けした」として派遣会社が追及されたことがあった。しかし、アメリカの研究によると、実際に容姿によって6%弱の賃金格差が生じていて、その差は大学卒の学位による効果よりも大きかったという。それを見て見ぬふりをすれば、実際には「容姿の分だけ高い給料をもらえたはずの人」がいなくなり、そのプレミアムは経営者のものとなる。どのみちどこかにゆがみは生じるというわけだ。〈そもそも、容姿を知力や体力など他の資質と区別する理由はない。生まれつき賢い人とそうでない人の差を事前に解消する政策はないのに、容姿による差だけを解消しようとするのは冷静な議論とはいえない。帰省という事前介入は思い通りの結果を生まないので、容姿による格差もその他の格差と同様、累進所得税による事後的な再配分で解決を図ればよい〉というのは、「経済学的なものの見方」の典型であると思う。
     もとが雑誌連載なので、1テーマ5ページくらいでまとめてあるし、図版類も豊富でたいへん読みやすい。ものの考え方は右と左だけにあるのではないとわかったあと、実際的で魅力的な解決方法を考えるやり方を知りたい「大人」向けに好適。

  • 経済学的な物の見方が面白かったが、今一つ物足りなかった。

  • 序の部分に経済学の一般のイメージはお金の儲け方・景気の将来予測と思うだろうが、本来はインセンティブ(意欲刺激)をうまく設計して社会全体が豊かになるような仕組みを考える学問ということが書いてあり、目から鱗だった。
    経済学的視点からの世の中のあれこれは、なるほどとおもしろかった
    「騒音おばさん」への経済学的アプローチとか解雇規制が厳しいほど就業率は低いなどなるほど~と思わされることが多々あった。
    人は幸福になろうとインセンティブを持って行動している

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こんなに使える経済学―肥満から出世まで (ちくま新書)の作品紹介

経済学は一体なんの役に立つのか?経済学的な考え方を身につければ、肥満やタバコ中毒、出世や談合、耐震偽装といった問題を、これまでとはまったく異なる視点で見ることができるようになる。本書は身近な話やだれもが知るような話題を取り上げ、それを経済学の視点で分かりやすく論じており、読み進めるうちに経済学のエッセンスが理解できるようになる入門書である。

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