私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書)

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  • 筑摩書房 (2008年5月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480064257

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • 2008年。
    学ぶ姿勢、考え方を学ぶために。
    というよりは人生とは、生き方とは仕事とは?
    職業とは?、を、考える上で自分とはの大きなヒントを与えてくれた。
    同時に考えるきっかけを、与えてくれた。

    っと感想書いているが。。。

  • 齋藤孝先生と梅田望夫氏の対談です。江戸末期や明治時代に起きた私塾文化について両者の見解などが述べられています。本書のタイトルほど私塾については言及されておらず、やや散文的な印象です。

  • * 齋藤孝と梅田望夫による対談形式
    * Webによって私塾の可能性が広がっている。

  • 何かの学校に通って学ぶというのは、とても受身な姿勢だということに気づかされました。
    効率はいいかもしれませんが、求めるものやその性質が異なるのではないかと考えさせられました。

  • ●幕末の緒方洪庵の適塾と吉田松陰の松下村塾・・・この2つの塾からは、明治の日本を支えた人物が育っています。単なる知識ではない。師のあふれる「学びへの情熱」が塾生たちの心を熱くしていた。私にとっては「私塾」とは、塾という現実の空間や組織というよりも、概念です。師弟関係、熟成同士の関係を「私塾的関係性」を呼ぶとすると、この関係性は現代においては、もっと広がりをもって捉えることができる。少人数の、直接同じ空間を共有する関係だけでなく、インターネット空間でも「私塾的関係性」は成立し得る。

    ●「形にならない思い」のようなものを育てていくことはとても大事。今は形にならないけれど、やがて形をもって現実化していくという、もやもやっとした感触をもっている人たちもいると思います。そうした「もやもや感」が育っていって、それによりパッションが大きくなれば、やがて「デザインする力」に変換できます。

    ●ネットの中で「あこがれのベクトル」をみつける
    自分の志向性と合った人がウェブではたくさんみつかる可能性が高い。インターネットがわれわれの能力の増幅器。蒸気機関や自動車が人間の筋肉の能力を増強したように、ネットが脳とか人間関係を増幅する。距離と時間と無限性の概念をゆるがしているわけです。リアルの限定されたコミュニティだけにとらわれず、未知との遭遇のありようががらりと変わってくると、いろいろな可能性が出てきます。リアルの組織を超えたところにできる志向性を同じくする人の集まりを、明治維新前後の私塾のイメージでとらえると、新しい発想が生まれるのではないかと思うんです。

    ●「空気」をつくるのがリーダーの役目
    大人の情熱ある人が方向性を自ら体現してそれを維持する、そうすると、そこに集まる人の集団が、チームとしての「空気」を共有するようになる。たとえば、非常にレベルの低い誹謗中傷などは言いにくい「空気」というのがありますよね。そういう良い「空気」をつくるのが、リーダーの役割なんですよね。リーダーがしっかりしていれば、そういう良い空間がネットの上でもつくれる。

    ●「心で読む読書」、心の糧になる言葉をもつ
    本を読んでいても雑誌を読んでいても、「自分のために書かれたような言葉」だというふうに思うことが多い。(=セレンディピティ感覚)。現実の人間との出会いだけでなくて、言葉と出会うということを大切にしていて、「なぜここに自分のために書かれたような言葉があるんだろう」と思える人というのは、「心で読む読書」ができる人だと思う。これだけ情報があふれていて、読むべき本も出尽くしている感じがあるなかで、「これは運命の言葉だ」のように思える人だけが、情報ではない、心の糧になる言葉をもてる人だと思うんですよね。

    ●イチローは試合に出る前と後と、とにかく身体のケアから道具のケアから、とても長い時間をかけている。まわりのメジャーリーグの選手に比べても、圧倒的な時間とコストをかけて準備している。ということは、シーズン中、たいていのことはほとんど断っているということ。そういう「決め事」というのは、人間の有限性に対しての自覚だと思うんですよね。最近本当に感じるのは、情報の無限性の前に自分は立っているのだなということ。圧倒的な情報を前にしている。そうすると、情報の取捨選択をしないといけない、あるいは、自分の「時間の使い方」に対して自覚的でなければならない。流されたら、本当に何もできないというのが恐怖感としてあります。何を遮断するかを決めていかないと、何も成し遂げられない。

    ●「時代の変化」への鈍感さ、これまでの慣習や価値観を信じる「迷いのなさ」、社会構造が大きく変化することへの想像力の欠如、「未来は創造し得る」という希望の対局にある現実前提の安定志向、昨日と今日と明日は同じだと決めつける知的怠惰と無気力と諦め、若者に対する「出る杭は打つ」的な接し方・・・これらの組み合わせがじつに強固な行動倫理となって多くの人々に定着し、現在の日本社会でまかり通る価値観を作り出している。「本気で変える意志というものをもっていない、もやーっとした感じ」、「達成が問われにくく、朦朧としているという感じ」が日本社会全体を覆ってしまっている。我々はそんな日本社会の閉塞状況に危機感を抱いている。我々はそれらと戦っている。

  • ・『声に出して読みたい日本語』
    で有名な斉藤孝氏と

    ・『ウェブ進化論』
    で有名な梅田望夫氏との

    対談。


    僕はもちろん
    梅田ファンなので
    この本を買ったわけなんだけど

    ウェブを生きる、梅田氏と
    現実と教育を生きる、斉藤氏の対談
    が、噛み合うの?

    ・ブログを書く(梅田氏)
    ・ブログは書かない(斉藤氏)

    ・やる気のある人を伸ばす(梅田氏)
    ・全体の底上げをはかる(斉藤氏)

    さっと見るだけで
    志向性が違うんだけど
    その違いが、見事に噛み合い面白い内容 &
    共感部分が多くタメにもなった。



    まず
    私塾とは。

    私塾 
    中国や江戸時代の日本における民間(秀才及び元長官などが先生となった)の教育機関である。
    (wikipedia引用)


    この幕末時代の私塾は
    ブログを始めとするウェブ世界を
    現代の私塾に置き換わるのでは?という

    新しい学び、教育の可能性の対談内容。


    前半は
    私塾のについての思想やら
    志向性の話しで少し堅い内容。

    後半から徐々にテンションも上がってきて
    具体例から双方のパッションが垣間見れる。

    尻つぼみどころか
    ゲツ上がりで面白く
    ひきつけられる。

    特に3章の
    『ノーと言われたくない日本人』
    なんて共感の嵐。

    梅田
    よく僕は「三十代で三社移ってもいいんじゃないか」という言い方をします。
    二十台というのは未熟な時代なので~~<略>未熟な二十代は学ぶ方が多い。
    「自分が組織から与えられるもの」と「自分が組織に対して与えているもの」の天秤が傾いたとき(「与えているもの」の方が大きくなったとき)に辞める、というのが僕のロジックなんです。


    ほとんど僕の転職イメージと重なっている考え方。

    さすがに天秤が傾いて
    すぐに辞める思考になるのは
    悪いので

    僕は「組織に与えられるもの」負債の半分を
    「組織に与える」と辞める!トリガー発動します。

    例えば2年間与えてもらったら
    1年間返して辞める(計3年)とか。

    もっと具体的に言うと
    2年間というよりも2人年=24人月。
    というような時間よりも仕事量をベースに考えてるけど。




    梅田
    ある営業の部署に配属されました。そこでだめだったら辞めます、というのは短絡的ですよね。
    <中略>
    「どうして、そこに(違う部署に)行きたいっていわないの、君」といつも言うのですが。そういう主張をすると、あんがい通るんですよ。日本の共同体っていうのは、一度中に入ってきた人にあたたかい。


    どうしても自分と合わない部署に配属されてしまった場合は
    日本人は、その事に対しての不満や改善を上司に言う前に
    辞めてしまう傾向が多い。

    それが
    この章の見出しになっている
    『「ノー」と言われたくない日本人』。

    僕は
    人間死のうと思えば何でもできる!!

    って考えなので
    いっぱいいっぱいに追い詰められたら
    ダメ元でもなんでもする。

    失敗しても失敗しても
    精神的に疲れはするけど
    死ぬよりはマシだなーって。

    梅田
    断られることに対しての免疫が弱すぎる。傷つきやすすぎる。つまらないことで傷ついて終わり。
    <中略>
    要するに、自分がやりたいことを、会社が受け止めてもらうというのは営業行為、つまり「自分を売る」ということだから、数あたらないと。


    かなり同意なんだけど
    こういう会社に対しての「断られ苦手」な人が多すぎる感じも実際感じる。

    多分、
    僕らの年代(30歳)の人達なんかは
    自分も含めて学校を卒業した時なんかは

    超就職氷河期(特に地方は・・・)だったから
    会社の方が偉くて、社員の人は会社に従うだけ。
    ひどい所は、会社の奴隷社員扱いの場合も実際にある。

    なので
    未だにフラットな関係という感じじゃなく
    会社サマサマ感が根付いているのかも。。。。。

    きちんと給料分以上の成果を
    奉仕していたらそうじゃないのにね・・・・。




    ・「好きな仕事」じゃないとサバイバルできない


    ここでは
    よく求人誌にでかく書かれている
    『趣味を仕事にして働こう!!』とかっていう
    生ぬるい表現ではない。

    ITの普及により
    四六時中仕事ができてしまう時代だからこそ
    生半可な意気込みで
    「好きな仕事」をしている人には太刀打ちできない。

    僕もネットワークの仕事は好きだし
    壁にぶつかりながらも
    楽しく仕事はできていると思うんだけど
    仕事として割り切っているところもある。

    それが中には
    変態(ほめ言葉)みたいな人がいるんです。

    機器検証の時とかも
    ニヤニヤしながら目を輝かせて
    『この機器のスループットすげーー。』とか
    『見た事ないパケット流れてるーー!!ウヒョー』
    みたいに心の底から仕事を(当人は仕事だと思ってない)
    楽しんでる人。

    給料でヤフオクでネットワーク機器(ciscoとかの高いやつ)
    を買って、家にラボを作って
    休日に自宅ラボで色々検証してる人。

    そんな人を目の前にすると
    『この人達には同じ分野では勝てっこないんじゃないか?』
    と不安になってくる。

    同じ分野では戦えない・・・・。って。

    「好きな仕事」じゃなきゃ
    まさに、サバイバルできない。共感です。





    この本で
    一番熱く心に残っている事が
    あとがきでの梅田さんの言葉。

    梅田さんと
    斉藤さんの
    戦っている日本を閉塞させる
    「まったく同じもの」の正体と
    読者に対する挑発的な挑戦。

    斉藤氏編
    「ある日、私はある経営者と雑談をしていて、『いずれは文科大臣をやろうと思っているんです』と 言ったことがあった。すると『ははは、バカを言ってはいけない』と一笑に付されたのである。
    (中略)
    そのときは平静を装っていたが、心の中では『よくも言ったな!絶対に目にものみせてやる』と、 瞬時に自分のパッションに火をつけていた。」

    梅田氏編
    「『梅田くん、虚業もいいけれど、そろそろ実業の世界で活躍してみる気はないかい』
    虚業。虚(うつ)ろな業(なりわい)ですか・・・。私は絶句しました。
    私は斉藤さんのように「平静を装」うことができず、「虚業」と口にした経営者に対して、
    あなたは、誇りを持って仕事をしている私に対して、とんでもなく失礼なことを言ったのだから
    この場で謝罪をしてください、と強くいいました。」


    『未来は創造し得る』や『希望』の対極にある
    ・時代の変化への鈍感さ
    ・若者に対する「出る杭は打つ」的な接し方。

    これらと真剣に戦い
    若者の『挑戦』の手助けをしてくれるような
    空気のキレイな日本にいざなってくれるのを
    応援したいと思いました。


    パッション!
    良書!

  • 教育学者とITコンサルタントの対話。

    全体にわたり対話形式でメッセージが伝わりにくいが、「おわりに」で梅田氏が、訴えを要約している。日本社会でまかり通る価値観に対する怒りや、閉塞状況による危機感を訴えているのだ。

    閉塞感に危機を感じない状況と、それに対して警鐘を鳴らすという構図は続いているが、今でも前者の存在は大きいと感じる。しかし、均衡が崩れたときには、これまでの価値観にすがってきた世代は完全に時代に取り残されてしまうと感じた。

  • 身体をつくること・ひたすらWEBの実現可能性を追求すること、それぞれ起点の違う熱い二人の対談。激動の今日におけるサバイバル指南に対し、頭で考えるだけでなく、読者自身が強い覚悟・意思・勇気を持って突き進んで行かなくてはならない。

  • 「私塾」っていうのはテーマの一つで、結局お二人の楽しい対談録、という趣ですがまぁそれはそれ。
    シリコンバレーと教育の世界というまったく畑の違うと思われた2つのフィールドにいらっしゃる2人ですが、思いや志向の類似性は強いということと、何らかの形で現状を変えて行きたいというモチベーションは大きいのだと、それがありきたりの手法でないところに強みがあるのだなぁということがよくわかります。

  • 誰かの紹介で読んでみました。教育・ウェブと世界は違うものの、新しいことに自分の考えを持って取り組んでいる2人の対談でおもしろく読めた感じはしました。
    ちょっと決めつけすぎというか、勝手だな、、という印象を持つ場面もあったけど、まぁ自分の好きに書けるのが本の良さでもあるし、いいんじゃないかなと。笑。
    「量をこなさないと質的変化が起こらない」という一節なんかは、確かにそうなんだよととっても共感した部分でした。僕も量をこなすことを大事にしてみます。

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レールのない時代である現代をサバイバルするには、一生学びつづけることが必要だ。では、自分の志向性に合った学びの場をどこに見つけていったらいいのか?本書は、志ある若者が集った幕末維新期の「私塾」を手がかりに、人を育て、伸ばしていくにはどうしたらいいのかを徹底討論する。過去の偉大な人への「私淑」を可能にするものとして、「本」の役割をとらえなおし、「ブログ空間」を、時空を超えて集うことのできる現代の私塾と位置づける。ウェブ技術を駆使した、数万人が共に学べる近未来の私塾にも言及し、新しい学びの可能性を提示する。

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書)はこんな本です

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