世間さまが許さない!: 「日本的モラリズム」対「自由と民主主義」 (ちくま新書 777)
- 筑摩書房 (2009年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480064776
感想・レビュー・書評
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なるほどと思うところが多い、思考実験としても面白い
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日本には「ブレーキとアクセルを同時に踏む」ような混乱がしばしば見られる、と筆者は言う。
法で決まりを明確にして、それ以外の部分は問わない「自由と民主主義」と、世間さまの思惑を基準とする「日本的モラリズム」。この二つの原則が最たるものだそうだ。
筆者の言い方がシニカルなので、日本は司法と立法の仕組みを廃止して、「世間さま省」をつくり、そこで「世間さま」のモラルを基準に裁いたり、法律を作ればよい、と主張する。
言い方のシニカルさも相まって、どこまで本気なんだろうと思う。
ただ、その方が柔軟に新しい事態に対応できるのではないかという指摘には、ちょっとはっとさせられた。 -
新書のくせにとにかく内容が重たくて苦戦しました(※もともと遅読)読みながら頭にがんがん投石を食らうみたいな。個人的にとっても斬新な内容で、ものの見方が変わった一冊です。基本的に新書嫌いなんだけどこれは皆さんに読んでほしい。
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同質性の信仰が根強い日本で自由と民主主義を推し進めた結果、混乱が生じている。個性化と平等化を同時に推し進めた結果、超法規的な世間さまの基準が揺らいでいるからだ。
ルールを遵守する、というモラル感覚は必要。
民主主義あわないならいっそせけんさま制にしちゃえば?
白人が減ってるアメリカでももしかしたら今後、日本と同様の混乱が生じるかもね。
2014/02/15読了。 -
かなり精密に分析、議論が練られていて、いい本やと思う。
昔に一度読んだことがあるのですが、そのときにおもしろく読めた記憶があったので、今回改めて読んで見ました。
実際、著者が提起している問題はかなり当てはまっているように感じます。
日本人はルールとモラルを混同している。めっちゃ共感できる。ルールを守らせればいいだけの問題に対して、「心の問題」などの内面を持ち出すとことか。
著者があとがきで書いているように、自称「アナリティカル・シニシスト」というのも頷ける。冷静な分析力。
ただ、同じことを繰り返している部分が本書には多々あるので、そこが少し気になった。 -
第1週 1/11(水)~1/18(火)
テーマ「日本・日本人・日本語」
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https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00172203 -
こういう考え方もあるぞ、ということを提唱してくれる一冊。気付くべき何かを気付かせてくれる。
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読了不可