- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480064882
作品紹介・あらすじ
人殺しのニュースが報じられない日はない。残忍な殺人鬼が、いつ自分や自分の愛する人に牙を剥くか。治安の回復は急務である、とする声がある。しかし、数々の事件を仔細に検証すると、一般に叫ばれる事態とは異なる犯罪者の実像が浮かび上がる。では、理解不能な凶悪な事件を抑止するために、国はどのような対策を講じているか。そして日本の安全神話はどうして崩壊してしまったのか。さらに、刑罰と出所後の生活、死刑の是非、裁判員制度の意義まで。
感想・レビュー・書評
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日本での殺人事件がどれほど特殊な事象かということ
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社会
思索 -
737円購入2010-02-01
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本書270頁の半分以上は日本の殺人の統計的な整理を試みている前半部分。不謹慎かもしれないが興味深い。家族殺しが大半を占める、とか怖ろしい殺人鬼というより間抜けな人間という犯人像とか。世界でも有数の治安の良さは近年マスコミの報道によれば崩れてきているとされているがこの分析からは全く逆の状況が浮かび上がる。警察の批判に批判的過ぎる点など気になる点はあるものの知っておいて損はない。そんな本。
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語りが非常にわかりやすい。裁判員裁判への的確な一冊。
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大学の法学部入門で少しかじったのを思い出した!安全神話が崩れたのは犯罪が増えているのではなく、ハレとケの境界がなくなってきたことでの体感値の変化、マスコミの偏重報道など
。凶悪犯罪、特に殺人事件は減少し続けていて、先進国の中でも1/xほど。大部分が心中であったり親族による殺人。強盗や強姦は1/100ほど。世界的に見ても、犯人検挙や犯人の更生・再教育はよく出来ている。
ただ出所後の保護司さんを中心とした更正システムはこれまでうまくまわっていたけれど、後継者の欠乏やより人間関係の閉ざされた社会にあっていくことでどうなるか。。。 -
様々なデータを取り上げて、日本で起こった殺人を分析した一冊。
データ分析を丁寧に行い、また、投獄中の生活や出所後の生活、また司法(量刑)にまで踏み込んだ内容である。
ただ、本書がカバーする範囲が広すぎるため、筆者の主義主張が少し見えづらくなっている部分は残念。 -
250 文英堂