貧困化するホワイトカラー (ちくま新書)

  • 63人登録
  • 3.05評価
    • (2)
    • (3)
    • (11)
    • (6)
    • (0)
  • 14レビュー
著者 : 森岡孝二
  • 筑摩書房 (2009年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480064899

貧困化するホワイトカラー (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 個人的には、新しく得たことがあまりなかったように思うので☆2つ。

    また、ひたすらに経営側、政府側の姿勢を非難しているだけで、新たな働き方を示してはいるものの、その経済への影響などの考察がされていないように思う。

  • 2009年刊行。ホワイトカラー・エグゼプション制度、過労死判例などの各種判例、労働関連のデータが詳述されている。現代は、労働者だけでなく使用者も厳しい時代であるとは思うが、社会の連帯を保つには、利益を配分しながら(ワークシェアリング的なもの)、全体で痛み(損失)を分かち合うのが望ましいのではないか。また、ホワイトカラーの生産性は、勤務時間外に、仕事以外のことを考えたり経験したりすること、適度な安心感で向上する。いつも自分の仕事ばかり考えていること前提とするエグゼプション制度は誤りと思えるが、如何?

  • <内容>
    アメリカの事例と比較しながら、日本においては新自由主義とグローバル化の相乗効果によりホワイトカラーの働き方が劣悪化へと向かっていると警告を促している。

    そもそもの流れとして
    正規社員→非正規へとの移行と、非正規の正規社員化(業務内容だけ)
    正規社員→見なし管理職(実際には管理職に該当しないが、残業代を削るため)
    *労働基準監督署が機能しない事例(例:豊田など)

    過労死の実態などから、ホワイトカラーが働く環境が厳しさを増している事が明らかになる。

    <感想>
    アメリカの追い込まれるホワイトカラーとの比較は、面白かった。しかし日本における分析は、結構流布されているものでありあまり新鮮みが無かった。

  • 管理監督者にしろホワイトカラー・エグゼンプションにしろ企画型裁量労働制にろ、それぞれにふさわしい権限と報酬が与えられていればいいんですけどね・・・対象が年収400万以上という案ではなあ。タイトルと少しベクトルの違う女性差別に1章割かれているのは作者の思い入れでしょうか。

  • 本当のホワイトカラーはもう増えない。
    仕事が増え過ぎ。過労しすぎ。
    命に代わる仕事なんてないのだが。

  • 働く若者論的なものに興味が出始めたので、目についたものをちまちま読む→雇用問題についても興味が出始めたので読み始めているがもう範囲が広がりすぎてわけわからんかんじに。

    これまたおもしろかった。
    読んできた他の本と比べると割と硬めで、統計とか制度背景とか読み方も丁寧に解説してくれているかんじ。
    また読みたい。

  • リストラ、過労死、ホワイトカラー・エグゼンプション。
    正社員の地獄が生々しく描かれています。
    派遣社員も大変そうですが、正社員もゴールではない。
    人的資本を最大化するための新たな戦略が求められています。

  • 現・関西大学経済学部教授(株式会社論、企業社会論)の森岡孝二によるホワイトカラー労働者論。

    【構成】
    序 章 恐慌が壊れた雇用を直撃する
    第1章 悲しき中流階級-ホワイトカラーの原像
    第2章 しぼられるホワイトカラー
    第3章 このままでは仕事に殺される
    第4章 雇用差別に屈しない
    第5章 阻止されたホワイトカラー・エグゼンプション
    終 章 市場個人主義を超えて

    タイトルと構成が示すように、著者の狙いは不安定な雇用形態、長時間労働、賃金の切り下げを企業から強いられるホワイトカラー労働者の現状を明らかにするとともに、そのような労働状況を作り出している政府・企業の姿勢を批判的に論じるものである。

    通読して、特に目新しい主張があったわけではないが、様々な労働統計から数値を引いて議論に実証性をもたせようとする著者の姿勢は伝わってくる。また、長時間労働による過労死問題、男女雇用差別などでは、問題に無自覚な企業への鋭い批判を投げかけている。

    その反面、総論としてのホワイトカラーを論じるあまり表面的な数値にしか言及できていないようにも感じられる。例えば平均賃金の低下を論じるならば、労働人口全体の年齢の推移にも注意すべきであるし、ホワイトカラーでも若年と中年以上では労働時間も賃金も大きく差がついているのは明らかであろう。

    また、非正規雇用者の労働条件改善といった主張にも一理はあるが、しかし企業は中長期的には労働生産性を高めて国際競争に勝ち残っていかねばならないわけで、社内で行われる全ての業務に対して同等の賃金を支払うということは合理的とは思えない。さらに、そのような高い労働条件の確保が義務化が進めば進むほど、ますます正規雇用者の途が閉ざされてしまう可能性も高い。

    個人的には日本企業は、年功序列の終身雇用に新卒至上主義という保守的で硬直的な人事制度が色濃いために、正規社員の雇用流動性が低くなり、それに伴って企業への従属性が高くなり、正規社員の雇用を守らんがために、非正規雇用にかかる労務費を低く抑えなければならない構造的な問題を抱えている。

    本書のように従来から行われている主張を、統計上の数値で明らかにするだけではこの問題の本質に迫れないのではないか?

  • ・ダラダラ残業をする者の方が、効率的に働く者より多くの報酬を得るという例は、「提言」が問題にするほど多いとは言えない。成果主義賃金でなく、年功賃金においても、「功」の部分では査定が影響するので、非効率な働き方が得をすることは長期的には考えられない。(pp185)
    ★経団連の主張には私もイマイチ納得できない。ヒトをモノとしてとらえれば素晴らしい理論といえるけれど…。

    ・今回のような恐慌の下では、緊急避難型の雇用調整は避けられないこともあるが、その場合も企業が、内部留保や株主配当などの利益処分に手をつけることを含め従業員の雇用と生活の維持を最優先させ、清算が回復した時点の賃金や労働時間について、サービス残業の解消や残業の削減にも踏み込んで、明確な労使協定を交わすことが求められている。(pp238)
    ★どうして企業は内部留保に手をつけないのだろうか?倒産したら困るから?今回の金融危機下では非正規労働者が大量に解雇されているけれど、内部留保に手をつけたら少しは解雇を減らすことが出来たのではないかな。

  • [ 内容 ]
    二〇〇八年から始まる恐慌のあおりを受けて、派遣社員の大量解雇など、雇用情勢は非常に悪化している。
    もはやホワイトカラーが勝ち組であるといった風潮は存在しない。
    非正規化、過重労働、成果主義といった圧力が重くのしかかり、ついには死に至ることもある。
    そのような日本のホワイトカラーの働き方・働かせ方に切り込み、その困難の背景と原因を探る。

    [ 目次 ]
    序章 恐慌が壊れた雇用を直撃する
    第1章 悲しき中流階級―ホワイトカラーの原像
    第2章 しぼられるホワイトカラー
    第3章 このままでは仕事に殺される
    第4章 雇用差別に屈しない
    第5章 阻止されたホワイトカラー・エグゼンプション
    終章 市場個人主義を超えて

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

全14件中 1 - 10件を表示

森岡孝二の作品

貧困化するホワイトカラー (ちくま新書)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

貧困化するホワイトカラー (ちくま新書)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

貧困化するホワイトカラー (ちくま新書)を本棚に「積読」で登録しているひと

ツイートする